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好きの種類と温度は日々変化する
「ちょっと冷めてきているのかなと思った…」
恋人に衝撃的なヒトコトを言われた。
彼は以前と比べて、わたしの気持ちがなくなっている気がして心配だったと打ち明けてくれた。
確かに、出会った頃や最初の数年と比べたら気持ちもだいぶ落ち着いてきただろう。
昔は暇さえあれば彼を想っていたけど、今は生活の1部という感じだし
約束していた電話が相手の事情で急遽キャンセルになったときも悲しくならない。
連絡が来なくても(いそがしいんだろうな〜)って感じだし
友達に「寂しいでしょう、会えなくて….。」と尋ねられたら、一応うん寂しい!とは答えるけど、実は、寂しくて悲しくなったことはここ最近はほとんどないのだ。
わたしは毎日彼のことを大切に想っている。
頻繁に愛してると伝えているし、離れている間も幸せな日々を送っていて欲しいと願っている。
ただ、好きの種類や温度だって日々変化していくと思うのだ。それが自然だと思うのだ。
好きなことには変わりはないんだけど、ただその好きの種類が「モーレツな関心・ドキドキ」から「安心・安定」に変化しただけ。
(色で例えると、情熱の赤から平和な緑になったような感じ)
沸騰していた温度だって、常温になっただけ。
それって、果たしてわるいことだろうか?
ずーっと沸騰状態をキープするなんて、不可能で不自然だ、とわたしは思う。
冷めたというよりも
ただ落ち着いたんじゃないかと思う。
✳︎
思い返せば、数年前
彼と同じことを、わたしが尋ねた気がする。
段々とあっさりとしていく彼に物足りなさとさみしさを感じていた。
そのとき彼は「たしかに以前よりも気持ちは落ち着いたけど、愛しているんだ…」と言った。
そのときの気持ちがようやく分かった気がする。
好きの種類も温度も、自分のそのときの状況とか気分によって日々動いたりするんだよね。
上がったり、下がったりしてるんだよね。
だから、たまに相手と差が出てしまうことだってあるんだよね。
だから、冷めたのか…?じゃなくて、ああ今落ち着いてるんだなくらいに思っておけばいい。
わたしたちの心は
針が頻繁に動く量りのようなもの。
好きの種類や温度は、日々変化して当然。
ときに相手のメモリと違っていても自然
ただそれは
冷めてしまったとはまた全然違うのだ。
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