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合わんことなんか、せんでええ

西の魔女が死んだという本をご存知だろうか?


心に傷を負った少女が田舎に暮らす英国人の祖母と生活することになり、次第に心が癒やされ、成長していく


そんなシーンを描いた物語だ。


私は学生時代の夏休みの宿題が大嫌いだった。

嫌がらせのように長いドリルはめんどくさいし

絵日記を毎日つけるのだってダルい。


でも、読書感想文は不思議と何枚でも書けた。

作文用紙が足りなくなって裏に無理やり書くくらいだ。


私が生まれて初めて読書感想文で入賞したのは

『西の魔女が死んだ』だった。

それだけ熱心に、共感しながら夢中で読んだのだと思う。

13歳だった私の心を動かしてくれたのだと思う。


もう10年以上になるけど、いまだに忘れることのできない魔女(おばあちゃん)のセリフがある。




自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。

サボテンは水の中に生える必要はないし、
蓮の花は空中では咲かない。

シロクマがハワイより北極で生きる方を選んだからといって、だれがシロクマを責めますか。




ああ

このセリフに救われ、泣きたくなった人は一体どれくらいいるのだろう?


✳︎


自分に合ってないと思うこと

苦痛だなぁと思うことに

気付ぬフリをしながら

今日を淡々とやり過ごす。


そんな経験を、したことはないだろうか?

私は何度かある。

だからこそ知っている。


それがゆるやかに心を殺していくことを

段々と景色が灰色に変わっていくあの瞬間を。


だからと言って

そこから脱出すると

何故かいけない気がして

誰かを裏切る気がして、難しくて。


そんなギュッと締め付けられる苦しみと虚しさとジレンマを

私は何度か経験したことがある。




シロクマがハワイより北極で生きる方を選んだからといって、だれがシロクマを責めますか。




経験したからこそ、

初めておばあちゃんのこのセリフを見た時は心にじんわりと染みた。


自分の部屋の勉強机でこの本を読んだとき

おいおいと泣いたのを覚えている。

今も十分響くけど、中1だった自分にも相当響いたのだろう。


今も度々辛い場面に遭遇したら、時折このセリフを思い出し、

『ハワイに住むシロクマ』になる必要なんてないと再確認する。


“合わんことなんて、せんでええ“


それは

自分の心をフワリと楽にするためのパスワードのようで、覚えておくときっと安心だ。


✳︎


最後に。

この記事は『読書旅行記』というマガジンに追加されるものだから、最後に1つだけ、本が持つ魔法について書いておきたい。






良い本を読めば、良い人生になる



嘘じゃない。


良い本を読むと

生きるために必要な知恵とか価値観

いざという時に自分を守ってくれる盾が

わんさか手に入る。


考え方の引き出しも増えるし

心が動く経験を体験しただけ豊かになれるし

誰かが何年もかけて辿り着いた結論を、すぐに知れるのだ。


それなのに、本は一般公開されていて立ち読みできる。高くても2000円以内くらいで買える。


こんなお宝をエグいくらい安売りしちゃって何事…..?!とすら思う。


でも、本を普段から読む人の数は少ない。

この事実には、もったいなくて泣いてしまう。


今は読書の秋。

ということで、本屋さんでお気に入りの一冊を発見してみてくださいな。

西の魔女が死んだも是非読んでみてくださいな(o^^o)

私ももう一回読んでみようかな〜



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