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オーストラリアで初めて本を買った話と、これからチャレンジしてみたいことの話

昨晩から、今日は本屋さんへ行って本を買うんだと決めていた。

買う本も既に決めていた。

夏に訪れたときに「なんて素敵なんだろう」って一目惚れした本。数ヶ月立っても私の心を掴んで離さなかった一冊。

それはHill of Contentという個人書店の2階のフェア台にあった。



世界の物書き達が選ぶベストな執筆場所をイラスト付きで紹介している本で、飛行機の窓とかホテルの一室とかそれぞれの回答がおもしろく、イラストも可愛かった。

2〜3ページ立ち読みした程度だったので、家に持ち帰って全部を読みたいと思ったのだ。

正直、タイトルは覚えてない。唯一の証拠は本の中にある気に入ったページの写真だけ。



数ヶ月前のことなので、もう本の位置も変わっているだろう。

過去に本屋さんで働いていたから、フェア台の移り変わりの速さは心得ている。

でも、必ず見つけ出せるという根拠のない自信があった。




私は本屋さんに入った。

静かな空間にはかすかにギター風の音楽が流れていて、足触りのいいブラウンのカーペットは特別な気分にさせてくれた。

棚に埋まっている本も、本と共存している花々も美しく、心にエネルギーがみるみるとチャージされているのを感じた。

私にとってのパワースポットは、紛れもなく書店とカフェだ。



さっそく2階にあがって、以前その本があった場所に行ってみた。

うん、案の定ない。

ちょうどボーダーシャツを着たメガネのおばあちゃん店員が数冊の本を抱えて2階にやってきたので、ダメ元で彼女に聞いてみることに。

あの〜…実はある本を探していて。物書きが選ぶベストな執筆場所を紹介するという内容の本なのですが、タイトルを覚えてなくて。唯一あるのは本の中にある1ページの写真だけなんです。このページを見て心当たりはありませんか…?


さすがの書店員のおばあちゃんも、無茶振りな質問に眉をひそめた。

写真をじっと見つめて数秒後に「…タイトルは分からないのよね?」と尋ね、首を横にふるとそれじゃあ難しいわね…と呟いた。

もしかしてこれだったりする?と一冊の本を渡してくれたけど、残念ながらそれは私が探しているものではなかった。

気にしないでください、もう少し自分で探して見ますと言って再び捜索活動を開始。

そうだ、本にある文章の一部を検索機にかけたらヒットしたりして…?歌詞のタイトルが分からない時にそうすると出てきたりするし…と思って試してみたものの該当せず。

何か他にできないだろうかと思って写真を眺めると、本の色がパステルグリーンであることに気づいた。

2階のフェア台にあったということは、今は2階のフェア台以外の場所にあるだろう。

小さな本屋だからこの階にあるパステルグリーンを片っ端から探してみたらいいんだ…!!

名探偵りこは思った。

そしたら、窓際のアンティークの棚にパステルグリーンの本が佇んでいるのが見えた。

(あ!絶対にこれだ)

直感がそう囁いた。手に取ってみると、それは探し求めていた本だった。



”Rooms of Their Own ~Where Great Writers Write~"

偉大な著者の執筆場所…ああこれこれ!!

この本の続きをどうしても読みたかったんだ!!

中を開くと、見覚えのあるタッチのイラストが。

さっそくブラウンカーペットの敷かれた階段を降りて、レジに向かった。

レジにはさっきのボーダーメガネおばあちゃんと、別のおばあちゃん店員が雑談していた。

I could find it !!! (見つかりました!!!)


あまりの嬉しさに、ボーダーメガネおばあちゃん店員に報告すると「あら見つけたのね!!」と自分ごとのように喜んでくれて ”Well done"と言いながら笑った。

彼女はもう1人のおばあちゃん店員に「この子、この本を探してたけど本の中の写真しか手がかりがなかったの」と説明した。

するともう1人のおばあちゃん店員は「あら、私なら本の中の写真を見たら気づいたわよ。だって私もこの本買ったもの。魅力的で、買わざるを得なかったの」と、得意げに微笑んだ。

店を出るとき「これは私がオーストラリアで初めて買った本です」と打ち上げると、2人のおばあちゃん店員は「あら、やったわね!いい1日を」と言ってにこやかに見送ってくれた。

今はこの出来事を忘れないようにとビクトリア州立図書館で記事を書いている。




海外に来たら、一目惚れした洋書は買っておきたいところだ。

私はこれまでアメリカ、カナダ、オーストラリアに渡航したが、毎回1冊ずつ本を買っている。

アメリカで買った本は可愛いイラストのついた詩集。もう内容はほとんど覚えてないけど、留学生活で壁を感じたときにシンプルで短い言葉に何度も心を救われた。

カナダで買った本はビジネス書。英語の勉強も兼ねてと電車の移動中に読むように努めたが、英語のビジネス書は睡眠薬のようで、数ページ読むと夢の世界へと旅立ってしまった。最近寝つきが悪いなと思う方は、騙されたと思って英語のビジネス書を買ってみてください。

記念すべきオーストラリアで買った一冊は、偉大なる物書きが執筆していた場所を紹介する本!

私はいつかきっと、この本に書かれている場所に行って記事を書くだろう。

飛行機の窓、ホテルの一室…

場所が変わるとどんな言葉が生まれるのだろう?




最後に

これからやってみたい話なのだけど

私は、小説を書いてみたい。

どれくらい本気かは自分でも分からない。

本当に書くのかも、いつ書くのかも分からない。

でも、物語を作ってみたいと思っている。

それがどこに書かれるかはまだ分からない。

旅先に買ったお気に入りのノートにひっそりと綴られるかもしれないし

noteを使って書くかもしれない。

小さな頃から空想が好きで、長編の物語を頭の中で考えて楽しんでいた。

漫画を描いたことも、宿題の合間に小説を書こうとしたこともある。どれも数ページで挫折して完結しなかったのだけど。

今度こそ

何年かかってもいいから書いてみたい。


新しい趣味として始めようとした編み物は

ほんの数分で挫折してしまった。

私には毛糸を編むのは無理だと悟った。

でも、言葉なら編める。

もう何年も好きで編み続けている。

毛糸のマフラーは作れなかったけど

いつか

読むたびにワクワクする物語を

読み終わった後に爽やかな気分になって

どこまでも走って行きたくなるような小説を

生きているうちに編みたいと思っている。

その物語をどこで書くかは

今日買った本を参考にするとしよう。



ほしい本を買った日は、幸せな日だ


To be continued…


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