世界の酒窓から~ウオッカ in ポーランド~
このタイトルシリーズ3回目になるんですけど、お酒の世界は限りなく深くて少しワインをとか日本酒をかじったぐらいではまだまだスタートラインにも立てていないなぁと思っている次第です。
そして今回は男2人ヨーロッパぶらり旅で見つけた最後のお酒。
「ウオッカ」
馬じゃないですよ。って馬のウオッカのほうが知名度低いですよね。
競馬ファンなら9割以上の方が知っていると思いますが。
それはそうと今回はスピリッツのウオッカについてみていきます。
ウオッカと言えばロシアが思い浮かぶ人は少なくないんじゃないかなと思います。
かく言う私もその1人で、ロシア人が金属製の自分専用のボトルから直接飲んでいるような姿が目に浮かびます。
しかしウオッカはロシアだけのものではなく、その隣国が皆々覇を競って作っております。
そのうちの1つであるポーランドも立派なウオッカ大国です。
そもそもウオッカとはウオッカミュージアムのおじさん曰く、ライ、芋、コーンなどをベースに作られるスピリッツでアルコール度数37.5度以上あればなんでもウオッカに分類できるそうです。
ほんとうにそんな曖昧な区分なのかどうなのかというのは調べてないのでわかりませんが、とかくかなりの幅の広さがあるようです。
とりあえずテイスティングの話の前にウオッカミュージアムについて。
開いているかもわからず、とりあえずベルを押したらおじさんが出てきてくれました。
ここも前々回のビール博物館同様、個人のコレクションがベースになっています。
ただ今ではウオッカの生産者が自社の製品を取り扱ってもらうために営業が来るほどだそうですが。
そんなウオッカミュージアムで見ることができるのは歴史のあるボトルの数々や、グラス、宣伝のポスターなどで、ぎっしりと並べられています。
正直ポーランド語の会社名や色々な歴史ものは覚えられませんが、なんとなくそういう感じなのねと進んでいきました。
それにしてもかなりの数がありました。
特に一番よかったのはウオッカの製造過程に関するムービーでした!
色々と勉強になりましたね。
ウオッカも濾過にはかなり気を使わなきゃいけないとか水の質がかなり大事だとか。
小冊子に色々と情報があるのですが、それを個人で作ってるのかと思うと頭が下がります。
そしてもちろん最後にテイスティング。
こちらはビールと違い、テイスティングの有無や、テイスティングするウオッカのランクによってチケットのお値段が変わるので良心的。
我々は1人3種類のノーマルランクのウオッカをテイスティングできるチケット(1人見学料込みで1200円ほどだったかと)を購入。
一杯の量がそこそこ多かったので複数人で色々試すことができればベストですね!
そしてテイスティングしたのがこちら。
なんともきれいですね。
今回はウオッカのテイスティングなんてしたことがなかったので、原料違いやフレーバーが添加されたものなどオーソドックスな比較を試みました。
左から
BELVEDERE、elixer、Chopin(ポーランドはショパン誕生の地です)、ZUBROWKA、SASKA、PRAVIAと6種類です。
これはもちろん博物館のおじさんが飲む順番を考えて並べてくれています。
そしていざテイスティング。
BELVEDEREははじめに飲んだ時はかなりのアルコール感があり、少しきつさも感じたが他のを飲んでから戻ってくるとすっきりとした余韻が爽やかなライベースのウオッカだった。
口当たりはシャープだが全体がライトなので、キリっとまとまっている。
次のelixer。
この時点で既にウオッカの底力を見せつけられていました。
これは西洋わさびのフレーバーをまとったウオッカなのですが、本当にわさび。
ただひたすらにわさび。飲む前から鼻をツンと刺激してきます。
もちろん飲んでもわさび。
思わず料理好きの友人がうなっていました。
「これは料理に使いたい。」
なににかと問うと、漬けマグロやサーモン、ローストビーフなんかとももちろん相性がいいはずとのことです。
要はわさびをかなりスタイリッシュにマリアージュに練りこむと、これを使うことになるということでしょう。
ウオッカと料理をペアリングするという概念が初めて生まれました。
そして彼は未だに買わなかったことをひたすらに後悔しているようです。
お次はChopin。
これは芋ベースで、焼酎ほどではないですが少し芋臭さを感じます。
口当たりは1つ目のライベースよりもふくよかでなめらか。
ボディもしっかりしており余韻も先ほどのより長め。
先ほどの1本目がライトボディならこれはミディアムフルぐらいのイメージです。
このあたりでウオッカ同士に結構違いがあることを楽しみ始めます。
そして次はZUBROWKA。
これは比較的日本でも有名かもしれません。
自分も飲んだことがありました。
けれどこれはBisonGlassという草が漬けられてフレーバーがついているもの。
その香りは完全に和。桜餅です。
餡子の甘い香りに塩漬けの葉のそれです。
これはぜひ和菓子に合わせたいという話をしていました。
この辺りはもしかしたら日本でも見つかるかもしれないので、見かけたら試してみたいところですね。
そして最後の甘口2本。
1本目のSASKAは実はウオッカではなく、アルコールも30%しかありません。
これは熟したプラムやラズベリーのようなニュアンスで、香りも甘ければ、味もしっかり甘いという飲みやすいタイプでした。
これは日本の梅酒の甘さを上品に、アルコール度数を高めにしたものといった感じ。
是非オンザロックあたりで楽しんでみたい1本です。
2本目のPRAVIAはコーヒーフレーバー。
一言でいうと市販のコーヒー牛乳のような香りで、かなり強めのフレーバーがついていました。
これはウオッカで、度数も37.5%です。
これはバニラアイスがパーフェクトに合います。
ただ博物館のおじさんはこれをチーズケーキに合わせるのがおすすめだと言っていました。
いずれにせよコーヒー系のフレーバーを足したい甘いものとかがよく合います。またブラックのチョコなんかでも合うと思います。
そんなこんなで他のお客様がおらず、博物館のウオッカマスター(国の資格らしい)のおじさんを独占して質問を浴びせた1時間半でした。
これもかなり有意義な勉強になったと思います。
歴史や会社の変遷なんかは全く頭に入ってきませんが、テイスティングしたものは血肉となって残ります。
以上で今回のウオッカも併せてビール、ブランデー、ウオッカとみてきました。
どれも触れたことのあるお酒なのに気にもとめていなかった。
今回を経て、すべてのお酒に深い歴史とバリエーション、物語があるのだと再確認しました。
そしてこれらすべてを統べるのがバーテンダーなのだとしたらやっぱり彼らの仕事は偉大だと思いました。
この機会をもって、今後はこういったお酒ももう少し深く掘り下げつつ、趣味の本業であるワインや日本酒を深めていきたいと思います。
これからもワインに関する記事をuploadしていきます! 面白かったよという方はぜひサポートしていただけると励みになりますのでよろしくお願いします。