奥村 嘉之/WineHacker

ViniferaEuroMaster卒。 ワインの技術論とゆるい日々の記憶。 Kind…

奥村 嘉之/WineHacker

ViniferaEuroMaster卒。 ワインの技術論とゆるい日々の記憶。 Kindle本「ワインリテラシーとテイスティング入門」配信中。https://amzn.to/2Dk5IHo。 実は美味しくお酒が飲めたら理屈はどうでもいいと思ってます。 人生ちどりあし。

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  • 役立つものまとめ。

  • ワインジャーナル

    • 97本

    ワイン科学を軸に、マーケティング、ブランディング、テイスティングなど幅広くワインについて語るジャーナル。書き手は国内外の大学、大学院でワインを研究してきた3人。

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2020年の振り返りと21年に向けて

総括 2020年、私自身しっかりと動きを作れた1年だったと思います。 今年の総論としては、 会社 入社=>研修 =>サービスの開発×ちょい営業戦略 =>上司の転職によってプロダクトマネージャー =>+新規事業開発のプロジェクトマネージャー その他 『ワインと微生物学』のKindle出版 ワインエキスパートの取得 WSET SAKE Lev.3の取得 翻訳業務(論文10報) この記事は自身の振り返りと来年の動き方等を考えるためのものなので、長くなりますが、1月毎に記述してい

    • 天ぷら つな八から学ぶ「魚介とワイン」論

      天ぷら。天ぷら(てんぷら・天麩羅・天婦羅[1])は、魚介類や野菜等の食材を小麦粉を主体とした衣で包み、油で揚げて調理する日本料理である[2]。「江戸の三味」の一つ[注 1]であり、江戸料理、江戸(東京)の郷土料理となっている[3][4]。現代では、天ぷらは日本国内外に広がっている。 そんな江戸っ子の定番ともいえる「天ぷら」とヨーロッパ諸国から今や世界で愛されている飲料である「ワイン」が出逢う物語である。 なんていう冒頭一度はやってみたいですよねぇ。 というのは置いといて早

      • 「ワイン おすすめ 本」の決定版15選

        最近Twitterやらnoteやらぽつぽつとフォロワーは増えているにも関わらずなんの発信もできておらず。 以前少し話題になっていたオススメの本というものを私なりに紹介できたらなと思ったので久々に筆をとっています。 色んな人向けに紹介していきます。ここには私自身が読んだことはないけど、いろんな人が話題にしてる本とかも含みます。 ①ワインを楽しく飲みたい人向け。Twitterを見ていても、話を聞いていてもかなり評判がいいのがこの本。 ワインの本ってどうしてもボリュームが多

        • KDP第2弾『ワインと微生物学』

          お久しぶりです。 最近更新できていなかった理由です。 本を書いていました。 なるべく仕事がはじまる前に終わらそうと思っていたので、なんとか2月中にリリースできてよかったです。 今回は前回のワインリテラシーとは全く別の系統の話。 醸造における微生物の話です。 アマゾンの方にもるのですが、目次はこんな感じです。 内容はこのnoteに書いてある酵母やブレタノマイセス、酢酸菌の話を中心に、乳酸菌や酵母のより詳細な代謝系からコ・ファーメンテーションやコイノキュレーションにつ

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          「ヒューマンライブラリー」と高校生

          先日、後輩が持ってきたご縁でクレドシップさんの出張授業の一端を担わせていただきました。 クレドシップさんの詳細はわからないのですが、面白そうな代表と面白そうな方々で運営されている面白そうな企業さんです。 キャリア論と人間力 今回の授業は高校生に対して行われていたものなのですが、私もがっつり参加させていただきました。普段は大学生に向けてもやっているそうで。 内容はざっくりとキャリア論と人間力?関係力?講座。 私が担ったのはキャリア論の一部の「ヒューマンライブラリー」とい

          「ヒューマンライブラリー」と高校生

          奈良発!木谷ワイン!~美味しいワインを目指して~

          今日は奈良の木谷ワインさん(ワイナリーはまだ出来てないので畑だけなんです)を訪ねてきました! 前回の高知に続き、大阪のワイナリーはろくに回らずに、他県から攻めてます。 というのも大阪のワイナリーってサイズ感もしっかりあって、個人でなかなか行きにくそうなんですよね…込みいった話ができないなら行く意味もあんまりないし… なので今回もかなり小さなワイン畑の紹介です。 木谷ワインのはじまり。 木谷ワインさんは今年で3年目。 木谷さん自身はTwitterで5年目と書いてらっし

          奈良発!木谷ワイン!~美味しいワインを目指して~

          2019年の振り返り

          今年は自分の時間がしっかりとれたいい1年だったように思います。 月別 1月はまだドイツ。年始の花火はヨーロッパ感がありましたね。 このころはまだ授業を受けているところでした。 ガイゼンハイム大学の授業が、プレゼンだらけ(6つ)だったのもあって、自分で論文や文献を読んでまとめるという基礎体力がついたように思います。 これが今のnoteに活きた形になっています。 2月の頭に最後の試験を終えて、兄の結婚式のために一時帰国。簿記2級と土壌医検定2級を取得。 二兎追うモノ、しっかり

          2019年の振り返り

          衝撃のポテト。フリットアトリエとは。

          衝撃のポテト。 私は先日ドイツでの修士論文発表がてら、ベルギーとオランダに行ってきました。 ベルギーはビールとチョコレートが有名、オランダは風車や大麻、風俗なんかが有名な国です。 しかし、それらの中で私が最も衝撃を受けたのがポテト。 ベルギーでもオランダでもポテトが700円程で売っており、常にそこには観光客や地元の人の賑わいがありました。 それを見て、私も何回かトライしたのですが、その中でも「フリットアトリエ」というポテト専門店のポテトが衝撃でした。 このお店はベ

          衝撃のポテト。フリットアトリエとは。

          美術検定をオススメする3つの理由

          さとなおさんが自己採点での美術検定の話をしていらっしゃったので、私も自己採点合格勢ではありますが、少し美術検定について書いてみようと思います。 私が美術検定を受けた理由 これにもさらっと書いたのだが、兎角ヨーロッパに居て美術館なるものが相当数あるのに、行かないのも勿体ないし、なんとなく行くのも勿体ない。 友人もおすすめしてたし… 「まぁやってみるかぁ。」 ぐらいの感じだった。 私はとにかく人に勧められたらやってみる性分なのだ。 この性格はほんとにうまく機能してくれ

          美術検定をオススメする3つの理由

          日本に帰ってきてからの話。

          日本に帰ってきたからというもののブログの更新頻度は格段に落ちた。 書かなくなるというのは分かっていたことではあったが、いざそうなると、 「やべーなー。そろそろ書かんとなぁ。やる気でねぇなぁ。」 のサイクルである。 実際には、先日ミシマファームワイナリーさんに伺ったときの話は書いたものの、そういった目立ったことがないと書けない日々が続いていた。 しかし、まがいなりにも100記事以上書いた人間。 私はヘビー記事タイプなので1記事平均2000文字は越えるとなると、それだ

          日本に帰ってきてからの話。

          高知初ワイナリー!ミシマファームワイナリー探訪記

          先日高知県の土佐町にあるミシマファームワイナリーに伺ってきました。 ワイナリーとの出会いはこの”note”。 私がせっせと専門記事を書いているのを面白く思って頂けたようで、初めはマガジン(更新停止中)の購入とそのお礼メールから始まったように思います。 そんなミシマファームワイナリーさんとオーナーさんである山中敏雄さんについて今回は紹介させていただきます(夫婦で営農されているのですが、今回は残念ながらこずえさんにはお会いできませんでした)。 ミシマファームとワイナリーミシ

          高知初ワイナリー!ミシマファームワイナリー探訪記

          個人的にPCの「ココ」にパーソナリティは十分に詰まっていると思うんだけど、みなさんのはどんな感じですか。

          敢えて長いタイトルを付けてみました。 実験的にね。SEO的には全く機能しなかったりするのですが、こういうのも実験なので。意外と「ココドコ?」って思ってくれる人がいれば面白いなぁと思いつつ。 それはそうと月曜から夜更かし見てて思ったんですよね。 あの番組って結構人の検索履歴とか見たりして面白おかしくやってて、かく言う自分もそういうの好きでつい見ちゃうんですけど、もし人を知ろうと思ったら意外とこの部分だけで見えてくるものがあるんじゃないかっていうのに気づいたんです。 そうで

          個人的にPCの「ココ」にパーソナリティは十分に詰まっていると思うんだけど、みなさんのはどんな感じですか。

          ワインの「だし感」を考察してみた。(後編)

          更新が滞っておりました。 前回はどういったワインで出汁っぽさを感じることがあるのかとか、出汁感ってそもそもなんなのかなんていったことを見てきました。 その上で、栽培されたブドウの含有するアミノ酸量が一般的な出汁に含まれるアミノ酸量よりも多いなんていうことも見てきました。 一方で、ブドウにアミノ酸が多量に含まれていても、そこからの醸造の工程でそれらの量は大きく変わっていくことになります。 それらの過程を見た上で、最終的にどれぐらい何が残るのか、そして出汁感はどういったと

          ワインの「だし感」を考察してみた。(後編)

          ワインの「だし感」を考察してみた。

          ワインに出汁感?? ワインを表現するときの「出汁感」という単語を聞いたことがあるでしょうか。 ワインの主要産国の歴史にフォンドボーのようなものはありますが、旨味という概念や、それを重んじた出汁感なんていう概念がないであろうことは想像に難くないと思います。 そのため恐らくワイン業界の共通語でもないだろうと思います。 ただ私たち日本人にとって「出汁感」と表現することがしっくりくるワインというのがあるというのも1つの事実だと思います。 とは言ってもワインをかなり飲んだことの

          ワインの「だし感」を考察してみた。

          ワインの価格高騰を嘆く若者へ

          今日はこんな記事を見かけました。 「ブルゴーニュワインの現在とこれから」 週末は平日よりむしろパソコンを開かなかったりで読み物が溜まっていたりしますね。 価格編なので値段の高騰について触れられています。 私はお酒が飲めるようになったのは4年前ですから、もちろん1990年代はおろか2015年ほどまでは全くワインの値段なんて気にしたこともなかったことになります。 そんな我々世代のワインに興味がある人がつい言ってしまう言葉があります。 「生まれてくる時代間違えた。」

          ワインの価格高騰を嘆く若者へ

          ワインを醸すマイクロカプセル化酵母

          今回はワイン製造に関する技術の話です。 カプセル化酵母とするか、固定化酵母とするか、個人的にはコーティング酵母なんていうのも悪くない名前だと思ったり。 日本語訳があまり定まっていないような印象を受けるこの技術。 英語だと"encapsulated yeasts"というそうです。 日本語で色々と調べるとLALLEMEND社の情報ページがありました。 特にワインに特化して書かれているというわけでもなく、単にトレンドの1つとしてというイメージでしょうか(以下引用:2019

          ワインを醸すマイクロカプセル化酵母