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KDP第2弾『ワインと微生物学』

お久しぶりです。

最近更新できていなかった理由です。

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本を書いていました。

なるべく仕事がはじまる前に終わらそうと思っていたので、なんとか2月中にリリースできてよかったです。

今回は前回のワインリテラシーとは全く別の系統の話。

醸造における微生物の話です。
アマゾンの方にもるのですが、目次はこんな感じです。

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内容はこのnoteに書いてある酵母やブレタノマイセス、酢酸菌の話を中心に、乳酸菌や酵母のより詳細な代謝系からコ・ファーメンテーションやコイノキュレーションについてなどなど。

醸造には直結しないような生態学とか生理学の要素も含みながら、昨今の研究内容とかも織り交ぜました。

でも実際の内容で個人的に最もおすすめしたいのが、「統計的テイスティング法」のパート。

微生物の話が書かれた洋書は数あれど、実際に論文を書くのに用いた「官能評価」の方法に言及したワイン本は今まであんまりなかったんじゃないかなと思います。

テイスティング法であれば、テイスティングブックといったものがあるのは事実ですが、統計的テイスティング法はディシジョンメイキングのツールとして用いるもので全く別のものと思っていただければと思います。

たとえば、使用する乾燥酵母を変えたときに、その特徴の変化をどのように捉えるでしょうか?

たしかに違いはあるとは思うのですが、その違いが偶然によるものであるという可能性も否定できません。
統計的な手法を用いても、そういった偶然の可能性は完全には否定できないですが、「感覚的な違い」という曖昧なものではなくなります。

先の酵母の例でいきましょう。

例えば、同一プロットから甲州を1トン収穫したとして、それを100kg×6(+残り)ほどのマイクロスケールに分けます。
そのうち100kg×3に今まで使用していた乾燥酵母を、他の100kg×3に今後使用したいと思っている乾燥酵母を入れます。

なるべく発酵時の栄養条件や温度を揃えて、その後のプロセスもできる範囲で合わせたのちにテイスティングをします。

そこで上述の「統計的テイスティング法」を用いると、そのワイン間に差があったのか、さらにはその違いが酵母によるものだったのかということがよりはっきりと認識できるでしょう。

このような実験的な要素を含んでいる場合、条件を揃えるというのは簡単なことではないですが、統計的テイスティング法はアッサンブラージュ時のテイストを決めるときなんかにも使えます。

こちらはアッサンブラージュのサンプルを用意する段階、テイスティングするときの条件を揃えるだけなので、そこまで難しいことではないかと思います。

微生物学部分とテイスティング部分、どちらもぜひ目を通してみてください。

もしKidnleが使えないということであれば、PDFでも配布してますのでサポート(1200円)でその旨とメールアドレスあるいは連絡先を書いていただければと思います。



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