僕が旅する目的 #3 『素敵な本屋さんに出会う』
僕は、どこか、初めて訪ねる街に行くと、本屋さんに行ってみたくなる。
書店の中でも、その街にしかないような本屋さんだと面白い。
素敵な本屋さんに出会うとその街がより好きになったりする。
旅は出会いが大切なんてことをどこかで聞いたことがあるけれど、僕にとっては本や本屋さんとの出会いがとても大切なものだ。
例えば、雑誌やネットでみて、行ってみたくなるような本屋さんがある。
尾道にある「弐拾db」さんという本屋さんはまさしくそんな感じだった。
何かの雑誌で紹介がなされていて、これは行ってみたいと思った。
この本屋さんに惹かれたのは、深夜に開くというところだ。
なんと営業時間は23:00-27:00。
気になって、数日後に、尾道に行ってみた。
最終電車で尾道に到着して、ホテルにチェックインし、25時に目的の本屋さんへ。
深夜の知らない街で、小さな本屋さんに行くというのは、なかなか面白い。
夜中に古本屋さんの明かりがついているというだけで、ちょっと感動した。
店内にいると、なんだか不思議な世界に迷い込んだような感覚だった。
やはり、深夜に本屋さんで本を読むというのは特別な何かがある。
本屋さんの建物は昔は病院だったのだそうだ。
その面影を探すのも面白い。
店主もとても話し好きな感じで、素敵な方だった。
とても貴重な体験をさせてもらえた本屋さんだった。
貴重な体験といえば、もうひとつ「book and bed kyoto」を思い出す。
泊まれる本屋さんというコンセプトで、一晩中本に囲まれて過ごすことができる。
自分が知らない本に囲まれて、うとうとしながら、本を読むというのは、本好きにとっては夢のような場所である。
夜中にコソコソ話したり本を読む感覚は、なんだか、修学旅行に来たような気分だ。
この場所を知ったときには、とても新しい、と思った。
だけど、京都にある「book and bed」は閉店してしまったようだ。「book and bed」は東京や大阪にもあるようなので、今度はそちらに行ってみたい。
新しいといえば、紹介したいのは、奈良の書店「ふうせんかずら」さん。
この本屋さんは、なんと無人の本屋さんだ。
事前に登録を済ましておくと、暗証番号が届き、その番号を入力して入店する。
このスキームはとても良くできているな、と思った。
それに、誰もいない本屋さんというのも、なかなかいい。
僕は、なんとなく、書店員さんが気になったりすることがある。
人の目を気にすることなく、思い存分本と向き合えるというのはいい。
「ふうせんかずら」さんは、何人かの棚主さんの共同で運営されているようだ。
いろんな観点の本のセレクションを楽しめるというのも面白いところだ。
面白そうな本屋さんに行ってみるというのもいいのだけれど、
遠くの街に行ってから、その場所で適当に探すというのもいい。
googlmapで検索して、今いる場所から近くの気になる本屋さんに行ってみるという原始的な手法。
高松に行ったときに、そういうやり方で行ってみたのが、讃州堂という本屋さんだ。
線路の近くにあるということが気になって、行ってみた。
正直言って、地元の人でも知らない人が多かもしれないけれど、とてもいい書店だった。
本の並びが工夫されているような気がして、本を探しやすい。店の前を時々走る琴電の電車の音もなんだか心地よかった。素敵な本屋さんに出会うとその旅もまた印象がずっと良くなる。
こんなふうに、本屋さんを旅の目的のひとつにすると旅は楽しいものになると思う。
新しい本屋さんに出会うのも楽しいし、新しい本に出会うのも楽しい。
それに運が良ければ、素敵な店主と出会うこともできる。
本屋さんに行くことは、出会いと、心のエネルギーをもらいに行くことではないか、と思ったりもするのだ。
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