[小説] リーラシエ ~月齢3~
リーラシエは毎朝日の出とともに起きる。太陽が地平線からほんの少し顔を覗かせただけで目覚ましとして十分な役割を果たす。
一方で猫がいつ姿を現すかはまちまちだった。リーラシエの側で眠ることもあれば、家に来ないこともあった。まさに神出鬼没だ。
この数日、旅人としてリーラシエの家に泊まっている間、ディアナはリーラシエの一挙一動に興味が絶えなかった。これまでの旅路で人里離れた場所に泊まったことは何度もあるが、リーラシエの暮らしはそのどれとも違かった。
一人なのだ。どこに行ってもど