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マスコミが報道する基準とは

⇒ マスコミからの電話
を先にお読みください。

マスコミの方からの電話に、
事務員から私に電話を代わりました。

袖川のことはよく知っていますが、
もう弊社にはいないタレントです。

個人情報になることは絶対に言えないので、
マスコミの方の話の回答には、
とても慎重に答えました。


主に聞かれたことは
『袖川優也は、現在もタレント活動をしているのかどうか』


なぜ、
タレント活動をしているのかどうかにこだわるのか
私もわからなかったので、
正直にお聞きしてみました。

成崎
「申し訳ございません。私自身、マスコミの方からのお電話は初めてなので、教えて欲しいんです。彼が現在もタレント活動をしているかどうかは、重要なことなんでしょうか?」

電話相手J
「重要です。
袖川さんの場合、
現在もタレント活動をされている場合は、報道させて頂かないといけません。
タレント活動をされていない場合は、一般人となるため、報道するかどうかを検討しなければならないのです。」


なるほど。
そういうことなんだ。


彼はFind Productionを辞める時に
問題を起こして辞めたため、
辞めた時はいろいろなところに頭を下げて回りました。


「うちを辞めてすいません。お世話になりました。」
ではなく、
「問題を起こしてしまい申し訳ございません。今後はうちの担当ではなくなります。本当にご迷惑をおかけいたしました。」
という挨拶周りになったのは
よく覚えています。

また、辞めてからも
知らなかった出来事が次々に発覚し
それらの対応にも追われました。


そんな辞め方をしたので、
その後の彼の活動のことなど、
正直、耳にも目にも触れたくない状況でした。


そんな彼が逮捕され、
また私達に迷惑がかけられると思うと
なんとも腹立たしくなってしまいました。


しかし、
そんな想いの中にも
やはり親心のような想いもあるものです。

「頼むから、取り返しのつかないことだけはしないでくれ!」
と思い、
彼が何をやって捕まったのか、
恐る恐るお聞きしましたが、
マスコミの方も守秘義務があるようで、教えては頂けませんでした。


うちを退所した後の袖川の活動を知らなかった私は、
「その後に関しては何も存じあげない」
としか言えず、
電話を終えました。


「はぁ、、、」
というため息しかでず、
ぐったりとオフィスの椅子に腰かけました。


ん??
待てよ。


袖川は、
観光大使をやっていたよな。

あれの契約はまだ残っていたと思うぞ。

と思いだし、
観光大使の活動を取り仕切る
観光協会に連絡をいれたのでした。


⇒ 小説『地図を探して』:目次はこちら

※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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