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「君は原石だ!」、、、本当??

『養成所の機能を持った劇団』
『芸能プロダクションの養成所』
『芸能養成専門学校や芸能養成スクール』
に行って
「君は原石だ!と言われたことがある。」
と、よく耳にします。


さて、
この言葉。


本当でしょうか。


結論から言いますと
『半分本当で、半分嘘』
です。


『上記の芸能養成期間に行く人』

『自ら志願してタレントになろうとしている人』
ですよね。

「お笑い」は別として
俳優、モデル、アーティストなど
『本当に原石と呼べる人は、スカウトなどがもう動いているはず』
という状況なのです。

大手芸能プロダクションのスカウトスタッフは
原石探しに全国を飛び回っています。
本当に原石の方は、スカウトスタッフの目にもう触れていると思います。


つまり、
『本当の原石はスカウトされる』
ということです。

では、
「君は原石だ!」という言葉は『半分本当』
というのは、どういう意味でしょうか。


それは
養成機関の人からすると、
『現時点ではわからない。原石になりうる可能性がある
という見解なのです。


目まぐるしく変わる世の中で
流行や人の好みも目まぐるしく変わっています。
今はまだ光っていないその人にしかない魅力が
突然世の中が必要とする日がくるかもしれません。

そういう時代になった時、
その人が『注目されない可能性は0ではない』ということで、
「原石だ!」と言っている意味もよく理解できます。


では、
『半分嘘』
という意味を教えましょう。


もうお察しの通り、
この目的は
『人数』と『お金』
です。


よくお金のことは取り上げられますが、
「人数稼ぎ」も大事な要素です。


養成機関は
営利企業です。

養成機関がお金を得る方法は
『劇団員や生徒を集めて、授業料を取る』
方法です。

ここで注意して頂きたいことは
養成機関は
『タレントを売ることを事業としていません。』

タレントを売るのは、
『養成機関ではなく、プロダクションの仕事』
なのです。


「養成所はそうだけど、劇団も?」
と疑問に思われる方もいるでしょうが、
『養成所の機能を持った劇団』も、同じなのです。

劇団側からすると
『月々のレッスン代』

『出演料』
どちらが利益になると思いますか?

正解は
『月々のレッスン代』
です。

少ない出演料を頂くために、
外部の方と連絡を取り合う手間とスタッフの時間を使うよりも
皆と一緒にレッスンに通ってくれる方が
よっぽど楽なのです。


次に、
『人数』
ということを考えていきましょう。

これは人数が多い方が、
『生徒が入りやすい』
という心理の話になります。

3人でレッスンをするよりも
20人でレッスンをする方が、
新しく入ってくる人は心理的に安心するものなのです。

「うちはこんなに志望者がいて、賑わっていますよ」
という感じですね。


さて、
ではなぜ
「原石だ!」
という言葉を使って、
人を集めようとするのでしょう。


これも人の心理的な話になります。

「お金を払えば入れます」
というよりも
「君は原石だ!」
という方が
言われた方は入りたくなるものなんです。


そこに流されるかどうかです。


正直、
「君は原石だ!うちの劇団で頑張ろう!はい、レッスン代いくらね。」
「君は原石だ!うちの養成所で頑張ろう!はい、入学金と授業料はいくらね。」
って、
会話としておかしいでしょ。

しかし、
当事者になってみると
その言葉に心が動かされてしまうものなのです。


⇒ 小説『地図を探して』:目次はこちら

※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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