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売れることを嫌うファン

インディーズバンドを応援している人などが
『メジャーデビューする前の方がよかった』
『売れる前の方がよかった』

と言っているのを耳にしたことがある方も多いと思います。


『売れることを嫌うファン』
の人達です。


では、
当の本人は
『売れる前の方がよかった』
と思っているでしょうか。


もちろん。
売れる方がいいに決まっています。


むしろ、
売れたくて活動しています。


この
『売れる前の方がよかった』
という意見は
ファンの方の非常に自己中心的な意見なんです。

●売れる前はファンが少なかったから、私が支えてあげていた
●私だけのタレント
●私が一番最初に目をつけた
●私はファン歴○年
●にわかファンは近寄らないで
●売れる前は、もっと近い存在だったのに

などなど。
自己中心的な意見ばかりなのです。


私がマネジメントしているアーティストが
メジャーデビューした際、
『インディーズの方がよかった』
『インディーズでいて欲しかった』

と、
熱心なファンの方ほど、そのように言われました。


本人は
メジャーデビューをしたくて、
血の吐くような努力を続けて、
やっとやっと辿り着いたメジャーデビューだったのですが、
昔から応援してくれていた熱心なファンの方はあまり喜んでくれませんでした。

逆に、
ここ最近ファンになってくれた方は、すごく喜んでくれました。


次第に、
昔から応援してくれていた熱心なファンが
最近ファンになってくれた方に対して、
『マウントをとる』ようになっていったのです。


「あなた、ファン歴 何年?」
「活動当初、こんなことやってたよね。貴方は知らないだろうけど。」
などと
『マウントをとる』ようになっていったのです。

ライブ会場の規模も
50人 → 100人 → 300人
と大きくなっていきましたが、
「なんでそんな大きなところでやるんですか!」
とプロダクションにクレームが入りました。


本人から
「50人の会場では、バックバンドをつけてライブはできません。
理由は、バンドに払えるお金が稼げないからです。
300人の会場で、しっかりバンドにもお金を払って、皆さんにいい音楽を届けたいんです。」
とファンクラブの中で説明しても
理解して頂けませんでした。


本人の目標が叶ったことを喜んでくれるファンこそ、
私は真のファンの方ではないかと思っています。


このオツボネさまのようなファンの方には
本当に本当に頭を悩ませました。


⇒ 小説『地図を探して』:目次はこちら

※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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