武藤久由

漆を使って作品制作をしています。「漆は塗料」という概念から解き放たれて、漆だけで形を作…

武藤久由

漆を使って作品制作をしています。「漆は塗料」という概念から解き放たれて、漆だけで形を作ったりしています。今は、漆と漆以外の素材を組み合わせた作品制作。

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    包 [タンブラー ] 和色 

    朱漆、溜め、黒漆。古来から愛されてきた 三色の漆を一つのタンブラーに。 黒漆と朱漆を溜色のごく僅かな滲み幅のグラデーションで繋げることで、華やかさを演出しながら優しい印象に仕上げています。 「包」はガラスに漆を塗った器ではありません。漆だけを25回以上塗り重ねることでカタチをつくっています。漆だけを塗り重ねた約1mmの薄さの飲み口はしっとりと優しい口当たり。日本酒から、ビール、ウイスキー水割り・ロックまで、さまざまな飲み物の味わいを深く感じていただけます。 ガラスの凹凸と漆のしっとりとした質感が手に心地よくなじみます。自分にあった持ち方を見つけることも楽しみのひとつ。タンブラーの華やかな存在感は、還暦や米寿など特別な日のお祝いや贈り物にもぴったりです。 直径:75mm 高さ:80mm 容量:200ml ※一点一点手作りのため、使用するガラス破片はすべて形が違い、ガラス部分の見た目に違いがございます。ご了承ください。 ガラス破片の中には、亀裂が入っているものもあります。 ガラスを割る際に生じるこの亀裂を「烈(れつ)」と呼んでいます。 破損の可能性があるガラス破片は使用しませんが、 ごく浅い亀裂の破片は敢えて使用することがあります。 漆は9,000年前の縄文遺跡から発掘されるほど、長くその形を保ちます。 漆は「悠久」の時を内包しているのです。 一方、ガラスの破片は形あるものが割れた瞬間の「刹那」を持っています。 亀裂の入ったガラス破片を使用するのは、その刹那を感じるためです。 ガラス破片と漆を融合させること。それは刹那から悠久へ続く時間の表現でもあるのです。 ガラス破片の周りを漆で固めていること、ガラス破片表面にはコーティングを施すことで、 亀裂の進行を抑えています。
    93,500円
    Online Shop | 武藤 久由 - 漆作家 -
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    包 [タンブラー ] 溜塗り

    朱漆に透明感ある琥珀色の漆を 塗り重ねた味わい豊かなタンブラー。 透けた漆が奥行きと柔らかさを演出します。琥珀色の漆(透漆)は徐々に透明度を増してゆき数ヶ月ほどかけ濃い色から明るい色に。漆ならではの時の変化をお楽しみください。 「包」はガラスに漆を塗った器ではありません。漆だけを25回以上塗り重ねることでカタチをつくっています。漆だけを塗り重ねた約1mmの薄さの飲み口はしっとりと優しい口当たり。日本酒から、ビール、ウイスキー水割り・ロックまで、さまざまな飲み物の味わいを深く感じていただけます。 ガラスの凹凸と漆のしっとりとした質感が手に心地よくなじみます。自分にあった持ち方を見つけることも楽しみのひとつ。タンブラーの華やかな存在感は、還暦や米寿など特別な日のお祝いや贈り物にもぴったりです。 直径:75mm 高さ:80mm 容量:200ml ※一点一点手作りのため、使用するガラス破片はすべて形が違い、ガラス部分の見た目に違いがございます。ご了承ください。 ガラス破片の中には、亀裂が入っているものもあります。 ガラスを割る際に生じるこの亀裂を「烈(れつ)」と呼んでいます。 破損の可能性があるガラス破片は使用しませんが、 ごく浅い亀裂の破片は敢えて使用することがあります。 漆は9,000年前の縄文遺跡から発掘されるほど、長くその形を保ちます。 漆は「悠久」の時を内包しているのです。 一方、ガラスの破片は形あるものが割れた瞬間の「刹那」を持っています。 亀裂の入ったガラス破片を使用するのは、その刹那を感じるためです。 ガラス破片と漆を融合させること。それは刹那から悠久へ続く時間の表現でもあるのです。 ガラス破片の周りを漆で固めていること、ガラス破片表面にはコーティングを施すことで、 亀裂の進行を抑えています。
    93,500円
    Online Shop | 武藤 久由 - 漆作家 -

記事一覧

今の立ち位置と、これから

30年前、仏壇の漆塗り職人になり漆を覚え、並行して20年ほど前から趣味で漆を使ってアレコレ実験的製作を始め、オリジナルブランドを立ち上げ、仏壇のニーズが減る中、オリ…

武藤久由
1年前

素敵なひと時を

武藤久由
1年前

厚塗りできない漆

厚塗りできない漆 塗り重ねると力強く感じる 物理的には、塗り重ねると漆層が厚くなるので、肉持ちがよくなるし、より滑らかさも増すのが要因 一方で、それぞれ1人では…

武藤久由
1年前

1本のウルシの木から14個

漆の塗り重ねで漆部分を形成している 『包 -TsuTsuMu- 』 タンブラーに使っている漆は、1個あたり約13〜14g 1本のウルシの木から採れる漆は、10年かかって約200g 1本の…

武藤久由
1年前

漆と硝子を融合させる

『包 -TsuTsuMu- 』を製作するきっかけや思いなどを、文章にしました。 一筆書きで書いたので、まだまだ修正していくつもりです。 長文ですが、読んでいただけたら嬉しい…

武藤久由
1年前
1

漆とガラスで

武藤久由
1年前

悔しかった。でも得るものもあった。

午前中は、催事の準備で燦々たる有様になってた工房を片付け。 今は、さっき大阪から届いた荷物を整理しているところです。 今回、展示スペースが広いこともあり、より多…

武藤久由
1年前
1

漆の脈動を形にしたくて

漆の脈動 以前、1メートルほどの釣り糸を垂らし、上の方に漆をつけ、糸を伝わり下がっていくのを見ていました。 漆は下に落ちますが、糸の上に漆が球状に残り固まります…

武藤久由
2年前
2

漆は生きている

武藤久由
2年前

漆は液体だったのです

多くの人にとって漆は固体だと思いますが、僕にとって個体となった漆は一つの結果であり、液体である漆と向き合っている時間の方が遥かに長いです。 包[猪口/舞](2022…

武藤久由
2年前
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包 新シリーズ 「舞」

包の新シリーズ「舞」です。 黒漆と朱漆を舞わせるように施しました。 30年前、仏壇の漆塗り職人として漆と向き合い始め、 常に漆のご機嫌を伺いながら、漆塗りの腕を磨…

武藤久由
2年前
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遠回りしてでも形にしたい

漆とガラスが融合した器「包」は、ガラスコップの表面に漆を塗った器ではありません。 使っているガラスは見えている部分だけ。(ガラスの破片を使用) 漆の部分には芯材…

武藤久由
2年前
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包むは包まれる

武藤久由
3年前
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漆とガラス破片の酒器

武藤久由
3年前

合体

武藤久由
3年前

共存共栄

武藤久由
3年前
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今の立ち位置と、これから

30年前、仏壇の漆塗り職人になり漆を覚え、並行して20年ほど前から趣味で漆を使ってアレコレ実験的製作を始め、オリジナルブランドを立ち上げ、仏壇のニーズが減る中、オリジナルブランド『包 -TsuTsuMu- 』に本腰を入れるも、なかなか思うように進まず、それでも東京や福岡のショップで常時展示販売してもらったり、催事に出たり、テレビで取り上げてもらったり、SNSで応援してもらったりしながら、1年目より

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厚塗りできない漆

厚塗りできない漆

厚塗りできない漆

塗り重ねると力強く感じる

物理的には、塗り重ねると漆層が厚くなるので、肉持ちがよくなるし、より滑らかさも増すのが要因

一方で、それぞれ1人では心細かった薄い漆層たちが、仲間同士集まることで元気になりエネルギーが高まっているに違いない、という僕の妄想

漆作家 武藤久由
https://urushimuto.com

1本のウルシの木から14個

1本のウルシの木から14個

漆の塗り重ねで漆部分を形成している
『包 -TsuTsuMu- 』

タンブラーに使っている漆は、1個あたり約13〜14g

1本のウルシの木から採れる漆は、10年かかって約200g

1本のウルシの木が10年かけて生み出した漆で、およそ14個のタンブラーしか製作することが出来きない

漆作家 武藤久由
https://urushimuto.com

漆と硝子を融合させる

漆と硝子を融合させる

『包 -TsuTsuMu- 』を製作するきっかけや思いなどを、文章にしました。

一筆書きで書いたので、まだまだ修正していくつもりです。
長文ですが、読んでいただけたら嬉しいです。

〜〜〜〜〜〜〜

「漆器」というと、木に漆を塗ったお椀を思い浮かべる人が多いだろう。
もしくは、蒔絵が施された重箱を思い浮かべるかもしれない。

漆に造詣がある人なら、麻布を漆で貼り重ねた芯材に漆を塗る技法「乾漆」

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悔しかった。でも得るものもあった。

悔しかった。でも得るものもあった。

午前中は、催事の準備で燦々たる有様になってた工房を片付け。

今は、さっき大阪から届いた荷物を整理しているところです。

今回、展示スペースが広いこともあり、より多くの「包」を製作して用意しました。

僕自身も初めて見る量の展示。

今までと、また違った見え方がしたんじゃないかと思います。

ただ、期待していたほどの集客がなく、多くの方に見てもらうことは叶わず悔しい展示にもなりました。

それでも

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漆の脈動を形にしたくて

漆の脈動を形にしたくて

漆の脈動

以前、1メートルほどの釣り糸を垂らし、上の方に漆をつけ、糸を伝わり下がっていくのを見ていました。

漆は下に落ちますが、糸の上に漆が球状に残り固まります。

これを、翌る日も翌る日も繰り返しました。

初めは点ほどだった漆の球が日に日に大きくなり、その球を漆が乗り越える様は、まさに脈動のようでした。

留めることができない漆の生々しさ、脈動を形にしたくて。

包[猪口/舞]

漆は液体だったのです

漆は液体だったのです

多くの人にとって漆は固体だと思いますが、僕にとって個体となった漆は一つの結果であり、液体である漆と向き合っている時間の方が遥かに長いです。

包[猪口/舞](2022)

包 新シリーズ 「舞」

包 新シリーズ 「舞」

包の新シリーズ「舞」です。

黒漆と朱漆を舞わせるように施しました。

30年前、仏壇の漆塗り職人として漆と向き合い始め、
常に漆のご機嫌を伺いながら、漆塗りの腕を磨き製作をしてきました。

そもそも漆って何かに塗ることしかできないんだっけ?

そんな疑問から、漆は塗料として何かに塗るものという常識を覆し、
漆に漆を塗ることで、漆だけのカタチを生み出しました。

漆そのもので存在するカタチ。

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遠回りしてでも形にしたい

遠回りしてでも形にしたい

漆とガラスが融合した器「包」は、ガラスコップの表面に漆を塗った器ではありません。
使っているガラスは見えている部分だけ。(ガラスの破片を使用)

漆の部分には芯材がなく、漆の塗り重ねで形成し、
ガラス破片と繋げています。

「形あるものに漆を塗る」という一般的な漆塗りの方法で、
漆以外の素材を芯材に使えば、
同じような見た目のものを、工程数をもっと省略して作ることはできます。

25回以上漆を塗り

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