異神千夜 恒川光太郎 異能力者を絡めた4つのショートストーリーが、私たちを異世界の先端へと導いてくれる。
恒川さんを語るのに、日本ホラー小説大賞の受賞者という経歴を忘れてはいけない。
しかしながら、本作は単なるホラーではなくファンタジー要素もあり、土俗の宗教やら異能力っぽいものも出てきて、実に楽しいエンタメ小説になっている。
本作は短編集である。収録されている4つの作品は・・・
冒頭の「異神千夜」だけが元寇の時代を描いたホラーもので、他は現代を描いている。
「異神千夜」は、大陸生まれの女巫術師と、日本人の若者の愛憎を描いた物語だ。
ラストシーンで若者が彼女を殺すのだが、彼