書評 しゃべれどもしゃべれども 佐藤多佳子 半人前の落語家が4人の弟子を取る。というか、彼らの目的はコミュ障の克服だった。
これは落語の話しだ。
三つ葉という半人前の落語家に、従弟でテニスのコーチのどもりの良、黒猫こと十河というコミュ障の女、村林という関西弁の少年、湯河原という元野球選手が弟子入りする。
でも、彼らは落語を習うことが目的ではなく、自分たちの課題を克服する。
しゃべり方を習うことを目的としていたのだ。
本作は、キャラが優れている。
圧倒的な毒舌キャラの元野球選手の湯河原を中心に個性ある面々を脇に配しているところで小説は半分成功したと言ってもいい。彼らが紙面で暴れ、教師役の三つ葉