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書評 大江戸火龍改 夢枕獏   陰陽師シリーズで有名な獏さんの新シリーズ。今回も妖怪退治ものでした。

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陰陽師シリーズで人気の夢枕獏さんの新シリーズ。
妖怪退治ものです。

「火龍改」の仕事は、人間のふりして人間の中に紛れ込んでいる もののけ を狩ることであり、あるいは、人に害をなすものを祓ったり鎮めたりすることである。

陰陽師と基本は仕事内容は同じです。
殺人事件の謎解きをするミステリー的な側面と
妖怪退治的な側面があるエンタメ時代小説でした。

猟奇殺人が発生します。
桜が人を飲み込んで肉片にしてしまうというものです。
犠牲者は、大店の女将さん。
その息子も殺されてしまう。

顎が上、頭が下。
髪がない。
眼は、卵のように丸く、黄色く光っていて、その口がにったりと歯をむいて笑っているのである。
・・・裸の、人であった。
裸の人が、犬のように四つん這いになっているのである。


こういう化け物が出てくる。
怪物は、犬神法によって作り出された犬神が憑依していたのだ。


犬神法
これは、古代から伝えられる、犬神を作る法のことである。
まず、一頭の犬を用意する。
この犬を、地面に埋めて、首だけを出す。
この時大事なのは、犬を埋める時、その背骨を、地面の中に垂直に立てるということなのだ。
そして餌を与えない。
・・・ただし、犬の目の前には、餌を置く。

ようするに、狂い死にさせるのだ。
そして、凶暴な祟り神を生み出させる。
そういう呪術だ。

獏さんの小説は、こういう妖怪に関してのディテールが細かいのでリアル感がありおもしろい。
このシリーズ、次が楽しみだ。

2020 7/30



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