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知財のおはなし

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さまざまな知的財産の話題です。海外で事務所をやっているので、外国知財のことも多いです。
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#アメリカ

マネタイズの可能性を向上させる、アメリカ特許の仮出願!

マネタイズの可能性を向上させる、アメリカ特許の仮出願!

仮の出願って、何でしょうね?
日本には、全くない制度です。

アメリカにおける出願日の確保
アメリカの仮出願制度とは、通常の特許出願の条件を満たさない簡単な形式でも出願として、認めてくれる制度です。
例えば、出願の期限が迫っていて、英語の書類を作成している時間がないときに、緊急的に日本語で申請するときに使用されていました。

つまり、仮出願の目的は、アメリカにおける出願日の確保なんです。
仮出願を

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アメリカ出願の費用削減を実現!
インコーポレーション・バイ・レファレンスを、利用しよう。

アメリカ出願の費用削減を実現! インコーポレーション・バイ・レファレンスを、利用しよう。

インコーポレーション・バイ・レファレンスっていうのは、我々はIBRと呼んでいますが、要はアメリカ特許出願の明細書のなかでする、参照による援用のことなんです。

参照による援用というのは、他の特許出願の番号の参照をもって、その出願の記載内容を組み込むという宣言なんですよね。
実は、日本の出願人の間では、あまり知られていません。
このIBRを使うとよい点が、実は2つあるんです。

IBRを使えば、記載

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何が必要、アメリカ特許出願?―お役所への書類って、どうしてこんなに面倒―

何が必要、アメリカ特許出願?―お役所への書類って、どうしてこんなに面倒―

お役所への書類って、どうして、こんなに面倒なんでしょうね。
コロナの補助金申請とかでも、本当に困りましたよね。
特許の出願書類も同じです。
実は、日本の出願に比べて、アメリカの特許出願は、少し書類が多いんですよね。
どこの国でもそうですが、特許を取得するためには、その国の特許庁へ決められた書類を提出しなければなりません。

我々は、これを書面主義と呼んでいます。
文章で細かく表現していかないと、ダ

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米国特許出願の準備をしてみよう!

米国特許出願の準備をしてみよう!

こんにちは、よっしーです。
今日は、米国特許出願の準備の仕方について、説明します。
日本に特許出願するだけでも大変なのに、アメリカに特許出願するって、何かもっと大変な気がしませんか?
でも実際は、日本の方が大変なんですよね。

もう日本で特許出願していれば、その内容を基本的には使えますしね。
その場合は、パリ条約かPCTに定める優先期間中に、特許出願をするのが一般的です。
パリ条約やPCTが何かは

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なぜ、いま必要?外国特許

なぜ、外国知財が必要なのか、なるべく簡単に、外国特許の考え方についてまとめました。おススメです!
外国知財をもっと身近に !をモットーに頑張っています。
https://linktr.ee/yoshimasutani

アメリカ特許制度の重要なポイントを10個あげてみた

アメリカ特許制度の重要なポイントを10個あげてみた

実は、アメリカ特許法って、世界の特許法とは、結構、違うところが多いんです。
日本は、ヨーロッパの特許法に似ていますが、アメリカとは大きく異なります。
ですので、日本の法律がわかるからと言って、アメリカの特許法が分かると思うと結構、危険ですよね。

今日は、まず、日本と大きく違うところを中心に説明します。
もちろん、日本の法律をご存じない方も、日本の法律も含めて説明しますから、大丈夫ですよ。
全部で

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アメリカの知財対応に、中国企業が学べる事

アメリカの知財対応に、中国企業が学べる事

アメリカは、半導体製品の他国の台頭を、安全保障の問題として捉えています。
最近の中国へのアメリカの半導体製品の輸出の制限や、1980年代の日本の半導体貿易戦争は、まさに、この安全保障の問題でした。
現在の中国とアメリカの貿易戦争は、1980年代後半の日本とアメリカの貿易戦争を比べれば、多くのことがわかります。

いまの中国は、昔の日本?日本は、1975年頃から、半導体製品の量産開発が始まりました。

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ディズニーランドの生き残り戦略

ディズニーランドの生き残り戦略

今日は、ディズニーランドって、どうしてこんなに長い間、人気があるのか、知財の分野から考えてみます。
もちろん、ディズニーが、人々に夢を与える工夫を、一生懸命しているのは、間違いありません。
しかし、人気があるものって、それほど長くは続きませんよね。
かならず、長く人気が続くものには、理由があるはずです。

アメリカの著作権法の歴史は、ディズニーのロビー活動の歴史アメリカの著作権法の歴史は、ディズニ

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なにかを思い出させる、アメリカと中国の貿易戦争

なにかを思い出させる、アメリカと中国の貿易戦争

最近の中国へのアメリカの半導体製品の輸出入制限は、1980年代の日本への輸入制限を思い起こさせます。
昔から、アメリカのハイテク製品に対する、他国への圧力は、何ら変わるところがないのではないかと、今の中国への対応を見て思います。

アメリカが行った1980年代の日本からの輸入制限少し前の話になりますが、日本は、1975年頃から、半導体製品の本格的な量産開発が始まりました。

当時の半導体企業の大手

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アメリカ特許法の情報開示義務(IDS)ってむずかしい?

アメリカ特許法の情報開示義務(IDS)ってむずかしい?

米国特許の実務をされている方で、IDSを知らない方は、そんなに多くはいないかと思います。
米国特許出願について、審査官に提供すべき所定の形式の文献情報がIDSですよね。
このIDSは、出願人に課された義務で、その後の権利行使に影響する非常に大事なものです。

もし、IDS違反があった場合に、誠意誠実の義務 (Duty of Candor and Good faith)の違反ということで、その特許の

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日本よりもカンタン?アメリカ特許の申請

日本よりもカンタン?アメリカ特許の申請

アメリカへ特許を申請するのって、ちょっと難しそうに思いませんか?
日本に申請するだけでも、大変そうなのに、アメリカなんて、ちょっと無理でしょ、って思っていませんか?
いえいえ、実は、日本へ申請して特許を取得することの方が難しいんですよね。
結構、アメリカ人は、簡単に特許を申請しています。
いろいろな制度的な優遇が、個人の発明者にあるんですね。
たとえば、大企業は申請費用を全額支払わなければいけませ

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