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【14日目】幸せが「ある」のはなぜか(セカイのトリセツ)

◆幸せという「インセンティブ」

 前回の結論は
「宇宙の目的と、僕たちのココロの目的が同じ」
というものでした。これが「偶然」「たまたま」だとは考えにくいよね?というところでしたね。もし「偶然」ではなく、何らかの「意図」のようなものがあってこれらが「同じにしてある」のであるならば、僕たちのココロが求めてやまない

「幸せになりたい」という『気持ち

そのものが、宇宙というシステムによって「仕組まれている」という理屈になるわけです。これはつまり、僕たちが自ら「幸せを求める」ことで【有】のモトを増加させ、宇宙を完成させる手伝いをすることに

インセンティブ

が組み込んである、ということを意味しています。

 「インセンティブ」というのは、仕事を頑張ったらその分多くボーナスが出ますよ! という感じで、やる気を起こさせるための仕組みのことです。日常では「自らその気になる」という仕組みを「インセンティブが働く」という言い方をしますよね。お店のポイントサービスなんかも「その店で買いたくなる」インセンティブが働くからわざわざ用意してあるんです。

 ところで僕たち生き物は「幸せになりたい」と思うように作られています。幸せというのは、上級編で紹介したとおり、仏教で「抜苦与楽」という言葉で表されるものです。まず、苦しみから解き放たれること。そして、快楽を与えられること。この二つを、この順番で行うことによって人は「幸せだなあ」と感じることができます。お腹が痛い人にごちそうを与えるのではなく、お腹の痛みを取って、それからごちそうを与える、という「順番」がある、ということです。
 幸せな感覚というものはとても尊いものです。だから僕たちはいつでも「そうでありたい」と願うものです。
 さて……この「感覚」が僕たち生き物すべてにあらかじめ「仕組まれて」いるわけです。入門編でも書いたのですが、ココロというものは生き物の『標準装備』なんでしたよね。そしてココロというものは、幸せを求めて常にモトあつめをしたがっているのだという話を『モトの話』の最初の方からずっとしてきました。

 これは一体なぜなのか? なぜココロは「幸せな方が『いい』」のか?

 実は、これが宇宙が僕たちに与えた「インセンティブ」なんです。


◆ココロが「モトのジェネレーター」なのはなぜか

 ここまでの話で、宇宙の最終的な目標が「空間すべてを【有】のモトにすること」で、そうなるように「宇宙の歴史」のシナリオが書いてある、と説明しましたよね。そんな宇宙の歴史のシナリオの中には当然「僕たちの住んでいる地球に生命が誕生する」ということが書いてあるわけです。それはすでに起こっているわけですから。
 ではなぜ宇宙の歴史のシナリオに「生命の誕生」が書き込まれたのか。
 これまでのことを総じて考えると、それは生命というものが「モトのジェネレーター」(発生装置)として機能するように、宇宙の目的に沿って設計されたものだからです。
 上級編で書いたような「生き物のココロにだけ『モトを増やす機能』がある」という仮説はここに由来します。そもそも、宇宙空間に「【有】のモトを増やす」という目的で

『造られた』

ものこそが、命というものだと考えられるからです。この「命を持った存在が幸せを求めて活動する」という現象が起こらないと、宇宙は【有】のモトを増やすことができないんです。
 ですから、僕たちのココロが【有】のモトを増やすことができるのは、たまたま偶然そんな機能がついているから「ではない」と言えます。もともと「そういうことができるもの」として『設計されている』から、できるのです。ですから上級編の最後に書いたとおり
「宇宙の思惑通りに【有】のモトを生み出すと幸せになれる」
ということが、宇宙の構造上そうなんだと言えてしまいます。


◆幸せという「仕組み」と【大いなる矛盾】

 このように、宇宙に「僕たち生き物が『幸せ』を感じる」という状態が存在することにも、宇宙全体にとってとても重要な「意味」「役割」があることがわかります。僕たちの『できるだけ幸せを感じながら生きる』というとてもプライベートな感覚が、宇宙そのものにとっての『目的』でもあるんです。ですから、僕たち生き物がすべきことは「積極的に幸せになろうとすること」であると結論付けられます。
 これはもう本当に、よくあるスピリチュアル本に書かれているような
「みんなでほんわか幸せに生きよう!」
という癒やしの言葉そのまんまなんですね。そう生きることが正解、ということです。

 ただし……ここで問題になることが一つあります。宇宙(地獄世界)には

【大いなる矛盾】

上級編【4日目】『大いなる矛盾』の世界とその名前

も仕込んでありますよね。とても厄介な矛盾です。
 復習になりますが、これは

「死にたくない、とプログラムされている生き物が、同じプログラムを持った他の生き物を殺して食べないと死ぬ」

という恐るべきシステムです。このシステムこそが、僕がこの宇宙を【地獄】だと断定した根拠でしたよね。
 もし、このところ書いているように、宇宙が最終的に「モトでいっぱい」になりたいのだったら、こんな【大いなる矛盾】なんていらないはずです。僕たちはほんわか楽しい世界で、ほわほわ幸せに暮らせばあっという間にモトだらけにできるはずです。

ではなぜこんな恐ろしい

【大いなる矛盾】

なんてルールが仕込んであるのでしょうか? さきほど出てきた「幸せになりたいというインセンティブ」と、これがどう関係しているのでしょうか?

 実はここらへんが「宇宙の構造と僕たちの幸せとの関係」にとって、とても重要な理論になります。僕たちが「幸せになる」ためには、必ずこの【大いなる矛盾】が必要になるからなんです。

 次回からそういう話をしましょう。これは今ジンセイが苦しくてツラい人にほどとても重要な話になるはずです。この【大いなる矛盾】というシステムがあるから、人生はときに「とてもツラいもの」になってしまうからです。

 一体なぜジンセイはツラいものなのでしょうか?


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日南本倶生(みゅんひはうぜん)
「ニンゲンのトリセツ」著者、リリジャス・クリエイター。京都でちまちま生きているぶよんぶよんのオジサンです。新作の原稿を転載中、長編小説連載中。みんなの投げ銭まってるぜ!(笑)