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2023年7〜9月に読んだ21冊とおすすめ紹介

今年も夏が過ぎ去って、私の一大読書の季節が終わりました。読書といえば秋だろう!という方がもちろん多いのは承知で、でも私は学生時代からお小遣いの図書カードを握りしめて各社の夏の100冊を吟味する季節が大好きだったのです。

だから、夏の書店ではつい本を買いすぎてしまいます。今回も例に漏れず、たくさん読みました。おすすめを何冊かピックアップしつつ、他の本も一斉にご紹介します。


小説1位

1 『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ

とても苦しい。けど今年最も誰かにすすめたい本かもしれない。本屋大賞一位なのもわかる。 人を想う気持ちに涙がこぼれると同時に、わたしたちはこの社会の孤独だとか絶望を無視してはいけないし、ましてや大人が絶望を塗り広げちゃだめだとも思わされる。

コミックエッセイ1位 

2 『うちらはマブダチ』やまもとりえ

青春よ永遠に!と叫んで海辺を走ってしまうのではないかと思うほど、ピュアな青春がある。もともとTwitter上で読んでいて好きな漫画だったので、書籍化されると聞いて速攻で買ってしまった。個性あふれるキャラクターに気付けばどっぷりハマるはず。

実用書1位 

3 『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』古賀史健

まさに、書く人の教科書という名の通り、マーカーをひきながら何度も読み返したくなる一冊。ライタースクールでおすすめされて半信半疑で買ったものの、書くことを仕事にしたいのなら手元に置くべきだと思う。実践できるよう何度でも読み返したい。

そのほか

4 『社会人大学人見知り学部卒業見込』若林正恭

オードリー若林さんのエッセイが好きで、まだ読んでいなかったこちらを。

5 『推し、燃ゆ』宇佐美りん

まさに推しのアイドルが燃えている時に読んで、不謹慎ながらも不思議な縁を感じてしまった作品。こんなに瑞々しい言葉があふれるものかと、ある意味絶望する一冊でもあると思う。なんでこんなに私たちのことを知っているのだろうと、若い読者なら特に思うに違いない。

6 『傲慢と善良』辻村深月

「自己肯定感が低いのに自己愛が強い」と小説内で呼ばれるその状態は、私も覚えがある。こんな私でも特別な相手に選ばれると信じてやまないのだ。

7 『正欲』朝井リョウ

私の放つ多様性って言葉は胡散臭いのではないか、それは覚悟を持っているか、突きつけられたような気がする。

8 『わたしのマトカ』片桐はいり

元から行きたいな〜と思っていたフィンランドへの思いがまたぐんと強くなった一冊。その旅先の空気感とか、ご飯から漂う知らない生々しい匂いとか、人々の様子とか、濃く詰まった一冊。

9 『結局、人の悩みは人間関係』林伸次

noteでお馴染み、林さんのエッセイ。人が誰かを見ている視点って、まさに自分に重ね合わせて勉強になることが多くて、その点日々渋谷のバーで老若男女のやり取りを見ている林さんの書くことは、耳が痛いなと思うこともある。わかるわかる〜って恋愛の話も楽しいけど、人のふり見て我が振りなおせだな〜ってことを学びたい時にも。

10 『九十歳。何がめでたい』佐藤愛子

パワフルすぎて驚きの連続。おめでとうございます!に何がめでたい、と返すくらいの気概が、文章からバシバシと伝わってくる。

11 『世界でいちばん透き通った物語』杉井光

久しぶりに小説を読んで「スッゲエ!」となった一冊。何が「スッゲエ!」のかはぜひ読んでほしい。普段ミステリ調のものを読まない私もするっと読めたのでおすすめ。

12 『逆ソクラテス』伊坂幸太郎

背筋を伸ばしたくなる人間への気づきも確かにあるのに、教訓っぽくない圧倒的エンターテイメント。個人的には文庫を必ず買ってしまう作家さんのひとりで、今回は小学生のせかいが描かれている。

13 『その幸運は偶然ではないんです!』J.D.クランボルツ  A.S.レヴィン

 人はある出来事が起こることを自分で決定することができなくても、それに対してどう反応するかを変化させることができるという前提で、ある出来事をキャリアの成功に導いた数々のケースを分析する一冊。かなり読みやすく、生き方に前向きになるヒントも多い。

14 『そうだ、星を売ろう』永井孝尚

長野県阿智村が地域おこしとして星を使ってビジネスを成功に導いた、実際のケースを元にした小説。地域おこし、ビジネスの観点からも楽しめ、阿智村にも行きたくなる。

15 『天才たちの未来予測図』高橋弘樹

各分野で注目される4人が現代社会と未来をどう見るかが書かれた一冊。民主主義、資本主義、日本社会はどうなるのか。個人的には、ネガティブをポジティブに変える訓練として、自分の行動や状況を客観的に「再評価」することが重要であると言う論点が興味深かった。

16 『Z世代、ミレニアム世代とつくる新しいパーパス』日本経済新聞社

働くことやキャリアについての考え方を、ある意味肯定してもらったような気がした一冊。若者のことわからないと思う企業関係者にも、若者って言われるけど自分にとってはこれがあたりまえと思うZ世代にも勧めたい。

17 『ウェルビーイング』前野隆司・前野マドカ

ウェルビーイングってそもそも何なのかを学術的な根拠をもってはなしてくれる一冊。気軽に読みたい人より、ちょっとアカデミックをかじりたい人におすすめ。

18 『さみしい夜にはペンを持て』古賀史健

書く人のための本かと思ったら、書くなんてきらいとか、自分にはできないって思ってる人にこそ読んでほしい一冊だった。

19 『私たちは子どもに何ができるか』ポール・タフ

アメリカの教育政策の例示が主だが、子どもの発達のために重要とされていることが示されている。教育政策に特に興味がある人向け。

20 『あたらしいしょうがっこうのつくりかた』中川綾

実際の小学校がつくられるまでのお話が書かれている。小学校の制度的ないろいろよりも、地域に認められていく、根ざしていくという過程の難しさをていねいに書かれている印象。

21 『エルマーのぼうけん』シリーズ

とても懐かしい児童文学のシリーズを。昔から妙にこのみかんのみずみずしい感じが印象に残ってたなと思い出した。記事はエルマーと冒険展のもの。

***

たくさん本が読めて満足な3ヶ月でした。また読みたい本が溜まっているので、年末に向けても読書を継続したいです。気になった本があったらぜひ読んでいただけたら嬉しいです。


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