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#詩
poem 岩は砕けて
揉まれて
砕けて
粉々に
なった岩は
痛かろう
けれど
その岩ぶつかった
岩もやっぱり
痛かろう
自分ばかりが
苦しくて
世間に背を向け
生きてきた
見ないふりして
送っても
どうして傷は
痛むのだ
時は滔々流れゆく
ぶつからなければ
ならなくて
もがいていなければ
ならなくて
あの時
砕けた岩の欠片は
丸みを帯びた
肌からころげ
静かにどこかへ
落ちていく
春麗らかな
poem 雨の路地裏
そぼ降る雨の
路地裏に
濡れて埋まる
三毛の猫
痩せて萎れた
瞳の奥に
潜む鋭い眼光が
ほんの僅かの
同情なんぞ
要らぬとばかりに
威嚇する
-- あんたもそうして
生きてきたのね --
そぼ降る雨の
路地裏に
濡れて埋まる
三毛の猫
辺りに落ちる
雨音だけが
この世に許す
哀れみか