poem 雨の路地裏
そぼ降る雨の
路地裏に
濡れて埋まる
三毛の猫
痩せて萎れた
瞳の奥に
潜む鋭い眼光が
ほんの僅かの
同情なんぞ
要らぬとばかりに
威嚇する
-- あんたもそうして
生きてきたのね --
そぼ降る雨の
路地裏に
濡れて埋まる
三毛の猫
辺りに落ちる
雨音だけが
この世に許す
哀れみか
ことばはこころ。枝先の葉や花は移り変わってゆくけれど、その幹は空へ向かい、その根は大地に深く伸びてゆく。水が巡り風が吹く。陰と光の中で様々ないのちが共に生き始める。移ろいと安らぎのことばの世界。その記録。