向嶋茂森

古臭い鹿児島人。 彷徨える化学屋。 エツクス線作業主任者(期限切れかも知れぬ) はり師…

向嶋茂森

古臭い鹿児島人。 彷徨える化学屋。 エツクス線作業主任者(期限切れかも知れぬ) はり師きゅう師

最近の記事

3_4_化学屋の進路指導

「教科書に書いていない勉強法」シリーズ-4 【化学屋の進路指導】  進学の季節になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。そろそろ化学屋として化学のお仕事について書いた方が良いのではないかと考え、キーボードの前に座ることにしました。化学の守備範囲は非常に広いので全ての分野を補完できるものではございませんが、1人の化学屋が観測した範囲でのお仕事とそれに適した性格などについて書いていくことにします。 1.理学部・工学部の卒業後  化学の仕事の内訳を説明する前に理学部・工学部を卒

    • 2_5_原子間の結合

      「molと聞いて頭痛を起こす人たちのための化学+」シリーズ-5 【原子間の結合】  前回は原子がどのような形をしているかを説明したので、続いて原子が集まってできる分子の話をしていきます。分子は原子が複数繋がってできるものですが、説明する内容は2つあります。1つは分子の性質に関わる原子同士の繋がり方の話で、中学校で「~結合」と習ったものです。もう1つは前回の電子の軌道の話に関係していて、原子の繋がる方向や分子の形に関わる話です。今回は中学校のおさらいを含めて「~結合」の説明をし

      • 3_3_「気」とは何ですか?

        「教科書に書いていない勉強法」シリーズ-3 【「気」とは何ですか?】  お題目が何やら胡散臭いものに見えると思います。これまでも、そしてこれからも化学の説明をしていこうと言うのに脈絡のないものが飛んできたのですから普通の方にとっては交通事故ものでしょう。しかし、これには幾つかの目的があります。最初にきっかけから説明していきましょう。 1.何故「気」の話をする気になったのか?  私は「自然科学の学び方」で書いたように自然科学の英才教育(笑)を受けてきました。小学校低学年で九九

        • 2_4_原子の構造

          「molと聞いて頭痛を起こす人たちのための化学+」シリーズ-4 【原子の構造】  前回までは数値の取り扱いを説明してきました。ここからはやっと一般的に化学っぽいと思われる領域に入っていきます。が、いきなりですが、今回は物理学との境界領域です。  物質の単位として原子(atom)という言葉をご存じだと思いますが、この英語表現である「atom」は古代ギリシャ語で「これ以上分けることができない」と言う意味でした。ところが、科学の進歩によってその構成要素である陽子(proton)や中

        3_4_化学屋の進路指導

          2_3_濃度の分析

          「molと聞いて頭痛を起こす人たちのための化学+」シリーズ-3 【濃度の分析】  前回正確さの話をしたので、続いて分析で何が分かるかを書いていきます。やっていること自体は日常生活の中の行動や判断と変わらないのですが、それを幾分細かく見ていきます。 1.定性分析と定量分析  先ずは用語解説から行きましょう。 定性分析:その物質が何でできているかを調べる。同定とも言う。 定量分析:特定の物質・現象の量を調べる。熱や導電率などの形を持たないもの分析も含む。  定性分析で調べる

          2_3_濃度の分析

          3_2_自然科学の学び方

          「教科書に書いていない勉強法」シリーズ-2 【自然科学の学び方】  「自然科学の学び方」と聞いて大学受験を思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、本稿は子供の頃勉強が嫌いだった大人を対象としているので、もう大学受験は関係ありませんよね。(中年になってから挑戦しても良いですが、ここでは取り扱いません。)ここではテストのための心構えではなく自然科学に対する向き合い方の第一歩を書いていきます。  と、その前に最近起こった社会現象を大雑把に書き出していきます。 1.戦

          3_2_自然科学の学び方

          2_2_正確さ

          「molと聞いて頭痛を起こす人たちのための化学+」シリーズ-2 【正確さ】  工業化学科に入って毒性の次に出てきたのが”正確さ”でした。この授業で上皿天秤を扱ったのは私の世代が最後だと思います。私が大学院に進んだ後で学生実験でデジタルの電子天秤を使うようになりました。他の大学も同じようなものだと思います。  なぜこんな古臭い話を持ち出したかと言うと、誤差の話をする際幾分便利だからです。 注釈:今回は正確さの話をしますが、分析化学の測定に於けるそれについては書いていきます。従っ

          3_1_頭が良い人になるには

          「教科書に書いていない勉強法」シリーズ-1 【頭が良い人になるには】  私は化学を生業としている者で、幼少期から自然科学にどっぷりと漬かり、大学及び大学院でも化学を学びました。普段は「勉強した」と偉そうに言うのが嫌いだからと言うのもありますが、そもそも机に齧りついてまで化学を学んだ記憶がなく、「化学で遊んでいた」と表現することが多いです。とは言え、高校の受験勉強よりは勉強したと思います。現在は存じませんが、私の年代は大学時代より高校時代の方が勉強したと言う人が多いです。私はそ

          3_1_頭が良い人になるには

          2_1_毒性

          「molと聞いて頭痛を起こす人たちのための化学+」シリーズ-1 【毒性】  私が工業化学科に入って最初に学んだのが毒に関する知識でした。毒の知識と言ってもどの物質にどんな毒があるのかと言った枝葉の話ではありません。どんなものであれ量が過ぎれば毒になりますから酷い表現をすれば「全ては毒」「毒しかない」と言えます。しかしそれでは専門知識の入り口としてまるで意味がありません。これから危険な物質を取り扱う可能性があるわけですから、何を以て毒とするか、毒を取り扱う際に何に気を付けるべき

          1_0_目次・要約

          1.始めに  notoを書いてみることにした。目的を以下に並べる。 ・これまで得たことをまとめる。 ・得たことを広めることで知らぬことで受ける不利益を減らす。 ・自然科学(とりわけ化学)の永続的な利用を可能にする。 まとめる分野によって幾分重みが違ってくるが凡そこの範囲で書くことにする。 2.内容  続いて書く内容・分野と簡単な説明を並べる。 ・自然科学(主に化学)  文明の利器を使い続けたいのであれば程度の差こそあれ自然科学への理解が必要である(竹内均先生からの盗用)。ま

          1_0_目次・要約