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#radiotalk
【オリジナルSS】Nameless【初夏のRadiotalk朗読大賞】
Nameless
昨日はソファーで寝てしまったらしい。軋んだような身体の痛みで目が覚めた。身体だけじゃなくて頭もモヤがかかったように痛い。部屋の電気は点いたまま、壁の時計は6時を指していて、カーテンの奥の薄暗さで夜だと気づき溜息が出た。身体をゆっくり起こし、洗面所へ向かい冷たい水で顔を洗う。ふと鏡を覗くと、違和感があった。あれ?僕ってこんな顔してたかな?鏡に映るのは自分自身のはずなのに、知らない
罪と罰【オリジナルSS】
罪と罰
日付が変わる少し前、妙にさっぱりした顔で彼は帰ってきた。
「ただいま〜。あ、起きてた?」
「もう寝るところだったけど…今日は早かったんだね。」
「さすがに毎週部長になんか付き合ってらんないよ。」
彼は緩めたネクタイを外し、冷蔵庫から炭酸水を取り出す。いつもならすぐにシャワーに入ってしまうのに、今日は早く帰ってきたから?私も寝るのをやめて、もう少し起きていることにした。
「酔って