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葱を背負った鴨は、いま(一)

(この小説の英訳版は、こちら

メルボルン留学時代。
出産を控えた妻を、日立の実家にお願いして、一人暮らし。てか、シェアハウス暮らし。
で、金がない。日本食のレストランでバイトしていたが、留学生には週20時間までという就業制限があって、思うように稼げない。
そこで、日本語講師養成学校に通い始めた。
「コース修了者には講師のお仕事!」なる文句に惹かれた。
が、世の中やっぱり甘くない。楽しく修了するも、仕事はもらえなかった。
そんな時、就業時間制限に引っかからないであろう「翻訳」が頭に浮かんだ。
シェアメイトのクリス(オージーとトンガのハーフ)の後押しもあって、メルボルンの翻訳会社3社に履歴書を送った。翻訳の仕事をゲットすべし!
およそ一週間後、そのうちの一社から連絡があった。
面接を受けにその会社を訪れたわけだが、そこには、先輩翻訳者のK女史との運命的な出会いが待ち受けていた。

「鴨が葱を背負ってやって来た」と、彼女が手ぐすねを引いていたことを、後に聞かされた。
 
つづく。。。鴨。

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