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ぼくのPoetry gallery

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かつて野に棲んだ詩鬼の残骸をここに記すという悪い趣味です。
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#猫

詩141「猫の踪跡 (吾輩は猫だった)」

詩141「猫の踪跡 (吾輩は猫だった)」

「猫の踪跡 (吾輩は猫だった)」

吾輩は猫であった
前世の記憶などない
多分猫であったと思っている
寝るのは好きだし気まぐれだらけ
ただ尻尾の振り方は思い出せていない

吾輩は猫であったと思う
確証なんてない
犬より猫が好きだ
日向ぼっこがたまらなく好きで
朝は早いし夜になればうずうずする

吾輩は猫になりたい
今は望みでしかない
人間なんて面白くない
しかし猫も大変である
野良となれば長靴を履

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かつての詩137「白い猫」

「白い猫」

塀の上で寝ていた白猫に
幸せの呼び寄せ方を訊いたんだ
おまえはどうして幸せを招き寄せられるんだ
なんなら俺も招きたいよ
猫は大きなあくびをして
小さな額を洗い出す

Masanao Kata©️ 2011
Anywhere Zero Publication©️ 2023

かつての詩136「黒い猫」

「黒い猫」

前を横切る黒猫に
幸せの在処を訊いたんだ
おまえは何処から運ぶんだ
なんなら俺が取りに行こう
猫は鳴かずに一瞥すると
音もなく去って行った

Masanao Kata©️ 2011
Anywhere Zero Publication©️ 2023