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【対談】明治安田生命保険相互会社様~女性管理職比率が10年間で10倍に。明治安田生命のダイバーシティ&インクルージョン施策を紐解く

🔶<注目トピックス>🔶

・明治安田生命様のダイバーシティ&インクルージョン~根幹にある理念
・「明治安田フィロソフィー」制定の原点誕生のきっかけとは?
・D&I施策の旗振り役であるダイバーシティ推進室立ち上げの背景
・女性管理職の継続的かつ計画的な輩出に向けた育成プログラム「L-NEXT」の具体的な中身に迫る
・女性活躍推進にとどまらない、明治安田生命のD&Iビジョン

ダイバーシティ&インクルージョンの推進を人事政策の重点事項と位置づけ、多様な人財の活躍支援の取り組みを進める明治安田生命保険相互会社。経営トップのコミットメントのもと、さまざまなプログラムや人事制度の拡充を進め、10年間で女性管理職比率を3.8%から34.9%(2023年4月時点)と驚異的な引き上げを実現されました。その実績は厚生労働省の「グッドキャリア企業アワード2022」受賞をはじめ、高い評価を受けています。

今回、明治安田生命保険相互会社 執行役員 人事部長の片山圭子氏、人事部 ダイバーシティ推進室長の淡路なな恵氏をお迎えし、株式会社マネジメントサービスセンター(MSC)のコンサルタント 芝沼芳枝、高田和加子が、人財育成の考え方やダイバーシティ&インクルージョンのお取り組みを伺いました。(以下敬称略)

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1.「明治安田フィロソフィー」を体現する人財を、長期的な視点で育成する

芝沼:本日は、明治安田生命様のダイバーシティ&インクルージョン(以下D&I)の取り組みについて伺いたいと思います。まずはD&I施策の根幹にある理念についてお話しいただけますでしょうか。

片山:D&Iの根幹にある概念は、当社のパーパスである「明治安田フィロソフィー」です。当社すべての従業員の行動の羅針盤として位置づけられ、経営理念「確かな安心を、いつまでも」、企業ビジョン「信頼を得て選ばれ続ける、人に一番やさしい生命保険会社」、明治安田バリュー「お客さま志向・倫理観」「挑戦・創造」「協働・成長」で構成されています。

このフィロソフィーの原点は、2011年の東日本大震災です。当時、多くの職員やMYリンクコーディネーター(営業職員)は自らも被災したにもかかわらず、避難所を1軒1軒訪問し、お客さまの安否確認と保険金・給付金の請求有無の確認にあたってくれました。特に会社から命ぜられずとも、自らの意志で行動したのです。このときの経験や使命感が、私たちのDNAに刻まれ、今日の「明治安田フィロソフィー」につながっています。

明治安田生命保険相互会社 執行役員 人事部長 片山 圭子 氏

芝沼:2020年4月からスタートした10年計画「MY Mutual Way 2030」も、このフィロソフィーがベースとなっているのでしょうか。

片山:その通りです。「明治安田生命10年計画 『MY Mutual Way 2030』」では、2030年にめざす姿を「『ひとに健康を、まちに元気を。』最も身近なリーディング生保へ」と定めています。保険を販売して利益を得るだけではなく、私たちには社会的使命があります。社会的価値の向上と経済的価値の向上、両方の好循環を実現し、持続可能な社会づくりに貢献していくことが、「MY Mutual Way 2030」の目的です。

芝沼:そうした大きな経営計画の中での人財についての考えや具体的な育成計画についてもお聞かせいただけますでしょうか。

片山:生命保険ビジネスは目に見える工場も商品も持たない「人」産業であり、生命保険会社は、お客さまを長期的な時間軸でお守りすることが求められます。そして、お客さまに寄り添えるのは「人」だけです。そこで、変化に強い経営を続けることはもちろん、長期的な視点で「明治安田フィロソフィー」を体現でき、不断の自己変革・自己成長を続けられる人財育成に取り組んでいます。

2.日本のD&I黎明期から、ダイバーシティ推進室を中心に施策を展開

芝沼:続いて、D&Iの具体的な取り組みについて伺います。貴社では2012年からD&I施策を推進していらっしゃいますが、まずはその旗振り役であるダイバーシティ推進室立ち上げの背景を教えてください。

淡路:保険会社は女性が非常に多く、当社も女性従業員が9割を占めています。会社にいる多くの女性従業員に活躍いただくことが、会社の成長と人財の活用において最重要と考えました。そして、当時の社長の根岸(現取締役会長)が音頭を取り、片山が2011年に準備室を立ち上げ、現在人事担当の常務の浅野が初代室長に着任し、ダイバーシティ推進室がスタートしました。

明治安田生命保険相互会社 人事部 ダイバーシティ推進室長 淡路 なな恵 氏(※所属は取材時)

芝沼:今でこそ、女性活躍推進は世の中で当たり前の取り組みになっていますが、10年前は試行錯誤の連続だったのではないかと思います。簡単に、その歩みをお話しいただけますか。

淡路:まず、2012年に「L-NEXT」という女性管理職登用候補者の育成プログラムをスタートし、女性管理職の計画的な育成・登用に向けた研修体制を年々ブラッシュアップしていきました。

また、2017年には職種の再編・統合を行ないました。当社は女性が多い組織ではありますが、多くは地方の支社や事務センター等で働く従業員です。彼女たちは旧来の人事制度では多様なキャリアを歩みにくかったため、新たに「総合職地域型」としてマネジメント層に登用できる道を作りました。

さらに、2021年には契約社員約2,000名を正社員化し、一人ひとりの能力を発揮しやすい人事制度を整備。合わせて、管理職への意識醸成のための研修や、上司である管理職に対しても管下女性職員のキャリア意欲醸成に資する研修を行なっています。

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🔶<注目トピックス>🔶

・明治安田生命様のダイバーシティ&インクルージョン~根幹にある理念
・「明治安田フィロソフィー」制定の原点誕生のきっかけとは?
・D&I施策の旗振り役であるダイバーシティ推進室立ち上げの背景
・女性管理職の継続的かつ計画的な輩出に向けた育成プログラム「L-NEXT」の具体的な中身に迫る
・女性活躍推進にとどまらない、明治安田生命のD&Iビジョン

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<記事より一部抜粋>

片山氏)
(経営計画の中での人財についての考えや具体的な育成計画について)
お客さまに寄り添えるのは「人」だけです。

そこで、変化に強い経営を続けることはもちろん、
長期的な視点で「明治安田フィロソフィー」を体現でき、
不断の自己変革・自己成長を続けられる人財育成に取り組んでいます。

淡路氏)
(ダイバーシティ専門組織に求められる人事の役割)
研修だけではなくキャリアのサポート相談センターとして、
女性のお悩み相談を受けています。

時には目指すキャリアのロールモデルを紹介するときもあります。
意識していることは寄り添いながら、
一人ひとりの意欲醸成を行なうことです。

淡路氏)
(女性管理職の登用を増やしていくための工夫)
たとえば片山のような女性の部長、支社長とのパネルディスカッションなど、
全国の多様なロールモデルの姿に触れる機会を数多く設けています。

それによって、「私の目指すキャリアはこの人に近い」と、
自分だけのロールモデルを見つけてもらっています。

片山氏)
(女性活躍推進を実現させるカギ)
何よりも、トップの継続的なコミットメントだと思います。
それから、実際に登用の実績をつくることです。
目標の達成が近づくと、会社の本気度も伝わりますよね。

管理職研修の中では「女性は補佐的な業務」といった
アンコンシャスバイアスの排除にも取り組んでいます。

3.おすすめソリューション

会社名:株式会社マネジメントサービスセンター
創業:1966(昭和41)年9月
資本金:1億円
事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント

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