見出し画像

部下から慕われる上司になる3つの方法

部下を持てば、その部下の仕事の責任も負うことになります。さらに、管理職の仕事に専念できるとは限らず、上司の負担は増えるばかりでしょう。そんな中、なんとか部下を指導しようとしても、なかなか部下に響かない、仕事の成果にもつながらない、ということもあるのではないでしょうか。

上司として、部下から慕われたい、仕事も上手にこなしたい……。誰しもこのように思うものです。でも、そうならないのは、根本的な原因があるからです。

ここで、もう一度よく考えてみましょう。上司であるあなたが、本当にしなければならないことは何でしょうか。部下を励ますことでしょうか。部下を管理することでしょうか。仕事の成果をあげて会社に尽くすことでしょうか。――あなたが上司として本当にしなければならないことは、まず「部下に幸せを感じさせること」なのです。

人は自分が幸せでなければ、他人の幸せを心からは願えません。自分が幸せでないと、職場の幸せも仕事の成功も願うことができないからです。それでは、部下を幸せにするために、上司であるあなたがしなければいけないことは何でしょうか。

さまざまな職場を改善してきた経験から、部下は以下のようなときに幸せを感じると考えられます。

・いつでも上司に自分の話を聞いてもらえる
・裁量が与えられ、自由にさせてもらえる
・自分の良さを認めてもらえて、長所を伸ばしてもらえる

あなたが部下だった時のことを思い出せば、思い当たる節もあるのではないでしょうか。

あなたが以下の3つの心構えを持てば、自然と部下を幸せにすることができます。

・何度でも同じ話を聞く覚悟を持つ
・部下を勝手に評価しない
・部下のことを好きになる


何度でも同じ話を聞く覚悟を持つ

部下を持つと、別々の部下から同じ話を聞かされることがあります。でも、その話を何度でも聞く覚悟を持たなければいけません。

「その話は聞いたよ」
「その報告はさっき受けた」

などと言っては断じていけないのです。そう言ってしまえば、部下は落胆するばかりか、次第にあなたには最小限の報告しかしなくなる可能性があります。

部下の話は、いつどんな時でも、まるで初めて聞いたかのように聞く覚悟を持ちます。一度聞いた話であっても、そうとは悟られないように、最初から真剣に聞きます。

これには、あなたにもメリットがあります。同じ話にもかかわらず、不思議と新たな発見ができるようになるからです。最初のうちはおっくうでも、同じ話を、違う部下の視点から聞くことが楽しみになっていくことでしょう。

話す落語家が違えば、同じ話であっても、まったく新しい発見があるといいます。これと同じように、同じ話であっても、何度でも味わえるようになることが部下を幸せにする上司への近道です。この方法は、上司であるあなたも幸せにしてくれるはずです。

どのような話にも真剣に耳を傾けてくれる上司を慕わない部下はいないでしょう。そして、部下の話にアンテナを張ることで、あなた自身も常に新たな発見ができる上司へと生まれ変わります。あなたの方から進んで部下の話に耳を傾けたくなるようになれば、ますますさまざまな情報が入ってくるようになるかもしれません。

ここで大切なポイントがひとつ。部下の話をひととおり聞き終えたら、必ずその部下の良い点を探すようにします。特に、その部下の得意なところと結びつけるようにすると効果的です。そして、部下の得意なところについて、わざとあなたの弱みを伝えるといいでしょう。本当はあなたにとっての得意分野であっても構いません。

「今までは××が苦手だったけど、××さんがいてくれるおかげで助かっているよ」

その部下にあなたと職場が助けられているということを伝えます。良い面を褒められたことも相乗効果となって、どのようなことでも気軽にあなたに報告・相談をしてくれるように変わっていきます。


自分流の評価軸で、部下を勝手に評価しない

誰であっても人は自分が一番大事です。ごく限られた一部の人以外は、自分より他人の方が大事だとは考えないことでしょう。仮に、そのように思っていたとしても行動が伴わないことが多いものです。

まずは自分こそが大事なのだという認識をしっかりと持つことが大切です。そしてそう自覚したならば、本気で自分を大切にしましょう。そうすれば、嫌なことが続いても、自暴自棄にはなりません。なにかを放り出したくなることもなくなります。

そして何よりも自分を大切にすると、自分の本当の大切さに気づくことができます。
自分を大切にできるようになれば、自然と他人のことも大切にできるようになります。

他人を大切にするということは、他人の価値観を受け入れるということです。人には人それぞれの幸せがあります。そのことを理解して納得しなければなりません。

学歴が高いから幸せ、年収が高いから幸せ、容姿がいいから幸せ、スポーツができるから幸せ、などというのは単なる固定観念であって、思い込みです。そのような通り一遍な評価軸で他人を測ってはいけません。もっと自由に考えたらどうでしょうか。

それぞれが別々の土俵で幸せになればいい。幸せとは一直線上にあるのではありません。
あなたが重要だと思う何らかの能力が相手に「ない」と嘆くのではなくて、今その人に「ある」ものにまず感謝する習慣を持ちましょう。これを習慣にしていくと、「ない」ことが気にならなくなっていきます。

たとえば、「無口なやつだな」ではなくて「黙々と集中して仕事ができるな」、「仕事が遅いな」ではなくて「仕事に慎重で間違いが少ないな」などです。この世の中に「ない」ものはありません。あなたがまだ見つけていないだけなのです。

当たり前のことですが、部下はマイナスの評価をされることを嫌います。誰でも分かっていることのはずなのに、安易にマイナスの評価を下してはいないでしょうか。もしそうであるならば、ぜひプラスの評価に置き換えてみてください。部下があなたを見る目は必ず変わります。


部下のことを好きになる

あなたが部下に好かれるコツは、あなたが部下を好きになることです。あなたの方から気軽に声をかければ、すぐに効果があらわれます。

もし声をかけにくくても、あなたが心の中で思うだけでも効果はあります。

相手に好意をもって、興味を示すことを心がけましょう。そうすれば、聞きたいこと、話したいことが自然に湧き出てくるようになります。

会話は義務ではありません。聞きたいこと、話したいことが沸き出てくれば、会話をするのが楽しくなります。そうなれば部下との会話は簡単ですね。自然と部下からも好感を持たれるようになります。

ここでも注意点がひとつ。それは、「部下に好かれたいと思わないこと」です。部下に好かれたいのではなくて、「あなたが部下のことを好き」なのです。そこを間違えてはいけません。

何も下心を持たずに、無条件に部下を好きになりましょう。部下に興味を持ちましょう。

部下に興味を持ち、長所を見つけて、褒めてあげれば、その長所が自然に伸びていくようになります。部下が自然に成長していくようになるのです。

そして成長した部下からは、あなたも多くのことを学ぶことができるようになるでしょう。部下は決してあなたの「下」にいる存在ではありません。ともに成長する大切な存在です。

【おすすめの関連記事】

【しっかり勉強したい人のための参考図書】


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?