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足るを知る~リレーフォーライフで先輩教員が教えてくれたこと~

GW後半が始まりますね。間の一日である今日は、みんながソワソワ・・・明日から始まるお休みのことを考えて過ごしていたようです。
さて、今日はリレーフォーライフに参加し、先輩教員が語っていたことについてお話をします。

リレーフォーライフについて

リレーフォーライフという活動をご存知でしょうか?
日本では”公益財団法人 日本対がん協会”と各地の実行委員会が主催するイベントです。

1985年、一人の医師がトラックを24時間走り続け、アメリカ対がん協会への寄付を募りました。 「がん患者は24時間、がんと向き合っている」という想いを共有し支援するためでした。ともに歩き、 語らうことで生きる勇気と希望を生み出したいというこの活動を代表するイベントは、現在世界約30ヶ国、 約4500ヵ所で開催され、年間寄付は300億円にのぼります。

リレー・フォー・ライフとは?より

がん患者は24時間、がんと向き合っている」という言葉をスローガンに、参加者は24時間歩き、寄付金を募ります
ほとんどの人がチームで参加し、一種のお祭りのような雰囲気の中、
交代しながら24時間のウォーキングをつなぎます。
がんで亡くなった方サバイバー、そしてサポーターの心が一つになる素敵な催しです。
今の自治体になってからは参加できていませんが、その前までは尊敬する先輩教員に誘われて参加していました。その先輩は、文部科学大臣賞をとるようなすごい実践をしているような50代の美術の教員だったのですが、ちっとも威張らず、私のような若者にも優しく接してくれました。
先輩は言いませんでしたが、おそらく勤め先が病弱養護学校だったことから、考えることがたくさんあったのだろうと思います。

思いの綴られた灯篭がコースを創る

リレーフォーライフの会場は、参加者によってメッセージの綴られた灯篭が並びます。参加者はその周りを歩きます。何時間も歩いていると、どれだけ健康であっても疲労が隠せなくなります。そんな時にこのメッセージを見るのです。

このメッセージは誰が書いたのだろう。
どんな人がどのように生きたのだろう。
自分は何ができるのだろう。
つながっていく心の、魂のリレーが、参加者の足を前に前に進めます

「足るを知るだよね。」

数時間歩くと、夜になります。
会場には灯篭で作られたHOPEの文字が浮かび上がります。
過酷な時間の始まりです。会場に鳴っていた音楽は止み、
静寂の中を歩くことになります。
人々は語ったり、黙ったりしながらひたすら歩きます。
そして、朝になります。朝日が会場を照らした時、
人は改めて朝日のありがたみを感じます
そんな時、先輩教員がボソッと私に一言言いました。

チキン君。人間って言うのは結局「足るを知る。」だよね。

若かった私は、恥ずかしながらその言葉を知りませんでした。「樽を知る・・・ビールのことかな?」くらいの阿呆さ加減でした。
調べてみると、以下のような意味です。

足るを知る:満足することを心得ている者は、たとえ生活が貧しくても心は豊かであるということ

「足るを知る者は富む」の意味とは?原文の続きから英語まで解説より

先輩は、その言葉の意味を私に教えてくれました。

僕たちは僕たちであるだけで恵まれている。でも日常の中ではそれに気付かずに欲が出てしまう。こういう過酷な状況に置かれて初めて、「足るを知る」という言葉がストンと納得できるような気がするよね。

若かった私は分かったような分からなかったような。でも、その先輩教員がサラッというその言葉が、とてもスマートで格好良くて覚えていました。
そこから静かに夜明けのリレーフォーライフを歩きました。
あの日から10年以上が経ちました。
教員として色々なことができるようになり、生活でも充実感が伴うようになった今、
あの先輩教員の言っていた「足るを知る」の意味が少しずつ分かってきたような気がするのです。
では、またね~!

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