![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/120644131/rectangle_large_type_2_69feffb367c5ba14d914043830ea80c6.jpeg?width=1200)
✓ナラタージュ/島本理生
▽あらすじ
お願いだから私を壊して、
帰れないところまで連れていって見捨てて、
あなたにはそうする義務がある――
大学2年生の春、母校の演劇部顧問で、
思いを寄せていた葉山先生から電話がかかってきた。
泉はときめきと共に、先生への再認識する。
そして彼の中にも消せない炎が紛れもなくあることを知った泉は…
▽印象に残った文章
「ほとんど分からないと言ってもいい。
それは年齢のせいだけじゃなくて
大人同士でも同じことなんだ。
相手の言っていることを完全に汲み取れる方が珍しんだ。」
それにしても、と私は思った。
こんな遠くに来たはずなのに案外近いのだ。
葉山先生のことも、部活のみんなのことも。
思い出しているかぎり、
前の前に相手がいなくてもつねに気配は寄り添っている。
なにもいらないと思っていた。
そんなふうに一緒にいるだけで手に余るほどだったのに
いつの間にか欲望が現実の距離を追い越して、
期待したり要求したりするようになっていた。
どんどん贅沢になっていたんだなと思った。
「時間を惜しんでしがみついていると、
よけいなことを考えて疲れたり空しくなるだけだし。」
▽感想
どうにかなってしまうほど、
どうにでもしてほしいほど好きだった人。
そんな人は存在する限り忘れられない。
誰かと付き合っていたって
上書きなんてそうそうできるはずではない。
叶わない恋と分かっていても追いかけてしまう。
辛いけど、話したり何かを共有してる時は
辛い事なんて忘れるほど幸せなんだよね。
どっちつかずの葉山先生が
本当にどうしよもなく憎たらしくなった。
泉はこれからもきっと影をおいかてしまうんだろうな
あなたはそれでもいいの・・?
✓ナラタージュ/島本理生/角川文庫
↳サンプルもありますので、ぜひ
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?