講座作家 寒川井誠

講座作家 寒川井誠

最近の記事

eラーニングと対面研修を組み合わせたハイブリッド型学習

テレビの視聴方法は一昔前と比べるとかなり変わりましたよね。 番組表を確認して、その時間になったらテレビの前で番組をみる以外の方法がとれるようになりました。 録画した番組を後から自分の好きな時間に見たり、それを倍速にして見たり。NetflixやAmazonプライムビデオなど、見たい番組をクリック1つで再生したり。テレビではなくスマホで視聴できたり。自由さが増しました。 でも、だからといって、テレビの前に座って時間になったら番組をみるのが無くなったかというとそうではないです。

    • ⚪︎⚪︎の変容がなければ学んでも身にならない

      自転車のヘルメット装着が努力義務になりましたね。 でも蒲田駅調べ(東京都で自転車乗り入れ最多)での実態を調べたところ、 着用率は3.7%だったそうです。 こうした「必要と思われること」と「行われている実態」のギャップは 講座でも起きえることです。 ヘルメットの被り方はわかっている 手に入れる方法もわかっている(何なら家にすでにある) 努力義務が4月から始まったこともわかっている 知識もスキルもある。 でもやらない。 では何が必要でしょう? ここに必要なのは「知識」で

      • 「できない」から「できる」になるまで

        最近の趣味はアラブの打楽器のひとつ「ダラブッカ」を練習することです。 スマホでオンラインスクールを見ながらコツコツ練習をして、日曜日に同じ趣味をもつ人たちで集まってビーチで一緒に叩いたりしています。 さて、こうした「筋肉を使って体を動かす」「コントロールする力を習得する」は運動技能の学習と呼びます。 「わかる」のと「できる」のは違います。知識の学習と運動技能の学習ではやること、アプローチが変わります。実際にやってみる必要が出てきます。 この運動技能の学習は何がゴールになる

        • 学び方の状況を認知する「メタ認知」を取り入れる

          “自己観察は自己進化の初めのステップである“(ゲオルギイ・グルジエフ) まるで幽体離脱のように、 空から自分をみるように、 カメラを通して自分を見るように、 自分を第三者視点から見てみることは、 自己成長と進化への第一歩となります。 学校で授業を受けていたとき、ある科目は「先生がひたすら教科書に載っている文章を黒板に書き続け、それを必死にノートに書き写し続ける」という授業がありました。 これが僕には苦手で、この文章の中からテストが出題されるのですが、理解を深めることができ

        eラーニングと対面研修を組み合わせたハイブリッド型学習

          どんな講座でも最適な流れにできる「コンテナ」という概念

          例えば​120分の講座をつくろう!と思ったとき、どのように組み立てを考えていきますか? 「コンテナ」という概念を持ちたいです。 これはあらゆる講座で最適な流れを作るためのツールとして活用できます。 一般的に120分の講座を考えるとき、一番最初に頭に浮かぶのは「どのように120分を埋めるか」かもしれません。 ですが、 それはテーマごとに新たな内容を一から作り出すという膨大な労力を必要とします。 そこで提案するのが「コンテナ」の概念です。 「コンテナ」の考え方は、 私が高

          どんな講座でも最適な流れにできる「コンテナ」という概念

          学び方のコツを学ぶ(認知的方略)

          バラって漢字で書くことできますか? 難しい漢字の代表例的な立場の文字でもありますよね。 ぼくは漢字検定の試験官をやっていたくせに あまり漢字が得意ではないのですが、 バラは書けるんです。 10年以上前に受講した マインドマップの講座の中で バラの漢字の覚え方のコツを教えてもらう機会がありました。 これは文字にストーリーをつけるというもの。 薔薇 「バラはやっぱり草ですね。土の中に人が2人回ってます」 「薔薇のラも草ですね。その下には微妙の微と、微妙に違う。山の下に一を忘

          学び方のコツを学ぶ(認知的方略)

          問題をシンプル化できればカリキュラムができる

          ドラクエで竜王を倒して平和を取り戻す! そんな問題解決を掲げたとき、 ゴールが遠いです。 そんなときは問題を分解して これ以上ないくらいシンプルな状態にします。 例えば、 ・レベルを上げる(20以上目安) ・虹のしずく(魔王城に渡る橋をかける) ・装備を整える(ロト装備を目指す) まだまだシンプルではなく分解できますね。 虹の雫を手に入れるには、 ・雨雲の杖を手に入れる ・太陽の石を手に入れる ・ロトの印を手に入れる 雨雲の杖を手に入れるには、 ・銀の竪琴を手に入れ

          問題をシンプル化できればカリキュラムができる

          レッスン内での発言に5つの意図をもつ

          昨日は学習成果には5つのタイプがあることを書きました。 ・暗記するよ(言語情報) ・覚えた公式で問題解くよ(知的技能) ・それを選ぶよ、または、避けようとする価値観(態度) ・学びの自分なりのコツ、学びのプロセスの振り返り(認知的方略) ・実際にやってみよう(運動技能) それぞれのゴールテープを意識することが大事と。 実際に講座をするときには15分くらいのミニレッスンを組み合わせていきます。15分の中で何を意図して話すのでしょうか。 例として1つ書いてみます。 ▼ここから

          レッスン内での発言に5つの意図をもつ

          「わかる」と「できる」は違う

          例えば格闘技の試合で勝ちたい!となったときに、本だけ読んでも勝てない。 練習をしないと身に付かないですよね。 効果的に身につけるためのコツも人によって違います。振り返りをして、なぜ上手くいったのか、なぜ失敗したのか、次はどうするのかを考えることも大事です。 そして心。こうしたい、こうはなりたくない。練習へのモチベーションや、主体的に取り組もうとするなど、心の面。 こうして、 頭と体と心の それぞれのゴールが必要です。 「教えているのにできない」 講座やレッスンをして

          「わかる」と「できる」は違う

          ゴールテープを明確にする3つの要素

          この時間で何ができるようになるのか? こうした学習目標を明確にすることは 講座づくりでとても重要です。 これがないと「とりあえず私の話を聞け」という講座になるし、受けた側も「結局この時間は何のための時間だったのか…」となりかねない。 そもそも学習目標というゴールテープがなければ、 「そこに向かう時間なのだ」と受講の動機づけも難しい。 そんな学習目標ですが、 これがまた作り方にもコツがあります。 ゴールテープを作るのとともに、 ゴールできたのかどうかを 受講者本人も含め

          ゴールテープを明確にする3つの要素

          どのように改善しますか?

          講座を改善しよう。 そう思っても、 では具体的にどんなところを改善したらいいのでしょうか。 「今回の講座は自分で点数をつけると何点でした?」 「残りの点数は何があったらいいの?」 「次に1点でもプラスにするために何する?」 そんな問いをもとに聞いていくと 傾向がいくつか見えてきます。 まずは 「会場のあれがよくなかった」 「雨だったからジメジメした」 「ランチがイマイチだった」 みたいに自分でのコントロールが難しいもの。 「受講生がもっと盛り上がってくれたら」 みた

          どのように改善しますか?

          集まらなくてもできることは、集まらないでやる

          「教えない講座」は、本当に教えてはいけないの? 教えない講座にしようと思ったときに、 「教える」という行動は悪というわけではないです。 最初から最後まで教え続ける形式には 受講生を聞き手モードのままにしてしまって 主体的に学ぶことと程遠い状態になるというもの。 教えることが必要な場面はあります。 でも教えるのって、 直接講師が対面でやらなければならないことでしょうか。 前提知識として知っておいてもらうことは、 PDFにしたり、動画にしたりしておいて、 受講者自身のペ

          集まらなくてもできることは、集まらないでやる

          視点を変えて考えると?

          「教え方」を考えるのと、 「受け方」を考えるのは表裏一体 視点ってなかなか1つしか持てないですね。いまの自分の立場から見えるものに囚われてしまう。 だからこそ、 視点を意識的に変えることは、 今見えているものとは違う気づきが得られます。 例えば営業マンのAさん。 なかなか売れなくて悩んでいる。 どうしたら売れるのかな...答えは見つからない。 そこに部長のBさん。 「君ならどんな営業マンからだったらつい買っちゃうの?」 売り手の視点で分からなければ、 買い手の視点に立っ

          視点を変えて考えると?

          魅力的な講座ってなに?

          魅力的な講座ってどんな講座でしょうね? 魅力の要素。 逆に魅力のない講座って どんな講座でしょうね。 講師の話術? 講座が面白くて笑える? 効き目のない美味しい薬を飲む意味は無いように、 (かといって苦くする必要もないですが) 講座の魅力の要素は面白さだけではないですよね。 もちろん楽しいのもいいのですが、 学びの仕方を与える講師を意識すると、 「もっと学んでみたい!」 「学び続けていきたい!」 と、 やれと言われてもいないのに つい探究しているように行動の変容が

          魅力的な講座ってなに?

          講師の役割とは?

          講師の役割って何だろう? (これから講座を控えるある友人に宛てた手紙です) 講座設計のお師匠さんに言われたことがあります。 「教えるのは三流講師」 「気づかせるのは二流講師」 「やる気にさせる一流講師」 えー、教えるのが講師の役割なんじゃないの? と戸惑った記憶があります。 幼い子どもたちと違って 大人には「教えない研修」が大事だよ、と。 そう、 先生がいないと学びが進められない 「先生に依存させる型」の講座よりも 目指したいところがあります。 「自分で学べる人を

          評価にも種類がある

          評価にも種類がある 受講生がゴールしたかを確認するゴールテープ。 この評価はどのようにしよう? 「講座の終わりに受講生アンケートとろう」 「項目は、この講座はよかったですか?かな」 「あとよかった点や改善する点を自由記述で聞こう」 「評価いい講座だったらいいな」 こうした受講生の好感度を確認する評価は レベル1 反応 これはこれでいいのだけど、 ちゃんと身についているのか、学べているのかはわからない。 「身につきましたか?」ときいて「はい」と答えられても それが本当か

          評価にも種類がある