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どんな講座でも最適な流れにできる「コンテナ」という概念

例えば​120分の講座をつくろう!と思ったとき、どのように組み立てを考えていきますか?

「コンテナ」という概念を持ちたいです。
これはあらゆる講座で最適な流れを作るためのツールとして活用できます。

一般的に120分の講座を考えるとき、一番最初に頭に浮かぶのは「どのように120分を埋めるか」かもしれません。

ですが、
それはテーマごとに新たな内容を一から作り出すという膨大な労力を必要とします。
そこで提案するのが「コンテナ」の概念です。

「コンテナ」の考え方は、
私が高校や大学でプログラミングを学んでいた時に出会った、【オブジェクト指向】のプログラミング思想に似ています。

この思想を理解するためによく用いられる例は、車の製造プロセスです。
従来の製造方法では、車一台を作るために0から100まで全ての作業を一つずつ行う必要がありました。
しかし、オブジェクト指向の考え方では、よく使う部品を事前に作り、それらを組み合わせて車を製造する方法をとります。こうすれば、一台の車を作るのに必要な労力が大幅に減ります。

講座でも同じ考え方が適用できます。
まず、10-15分程度のミニ講座(ここでは「コンテナ」と呼びます)を作成します。

次に、それらのコンテナを組み合わせることで全体の講座を作り上げます。

例えば、
●オープニング・コンテナ
これは、講座の最初の部分です。
構成する要素は「あいさつ」「講師の⾃⼰紹介」「この講座を開催する思い」「講座の流れ」「講座終了時に望む姿」「グランドルールの説明」です。

●ゴール設定・コンテナ
参加者⾃⾝に講座のゴールを設定してもらいます。オープニング・コンテナでは、講師としての望むゴールの姿を伝えましたが、ここは、受講生⾃⾝に⾃分なりのゴールをつくる時間です。「この時間が終わったときに、どんな状態になっていたら最⾼ですか?」などといった質問をします。

●アイスブレイク・コンテナ
最初は空気感が固いものです。交流しやすい環境をつくるためにも、「緊張感をほぐす」「交流する練習」の機会を提供したいですね。
緊張感をほぐすためには、声を出してもらう、体を動かしてもらう、⼿を叩くなど⾳を出してもらう、体に衝撃を感じてもらう、上を向いたり⼿を広げるなど体の使いかたを上向きにする、ゲームなど楽しめるものをするなど、気楽に参加できるものを⾏います。ただ楽しむだけのゲームではなく、それを通じて今回の講座テーマとつながるような気づきや、考えさせられることだと、なお良いです。

●前提知識・コンテナ
この講座で習得してもらうことをレクチャーしていくにあたって、あらかじめ知っておいてほしいことを説明したり、または関連のある経験を思い出してもらうパートです。

●テクニック・コンテナ
講座のメインディッシュでもある部分です。
講座のゴールをつくりましたが、それを満たすために何を提供しましょうか。3つの⽅法や3つのステップなど、このコンテナ数は3つくらい入れると全体で120分くらいのボリュームになります。

●マインド・コンテナ
テクニック・コンテナが問題解決の対症療法だとしたら、そもそも困った状態にならないための予防法を提供するパートです。どんな考え⽅や在り⽅が必要なのでしょうか。

●アクションリスト・コンテナ
どんなにいい講座も、レクチャーやお話だけで終わったら、受講生の人⽣は変わりません。変化を起こすためには⾏動が必要です。この講座をここまで受講した上で、⽇常に帰ったらどんな⾏動を起こすのかをリストアップしてもらいます。最優先でする1つ目を決めてもらうのもコツです。

●リフレクション・コンテナ
講座の実質的な最後のパートです。ここまでを振り返って、どんな学びや気づきがあったのかを思い出してもらいます。「今⽇の講座であなたが得たことは何ですか?」などといった質問をします。

●エンディング・コンテナ
講座の最後はどのように締めくくりましょうか。「それではお時間になりましたのでここまでとさせていただきます。ご清聴ありがとうございました」は最悪な終わり⽅だと思っています。最後に伝えるべきことは何かを考えます。


講座を進める中で、参加者の反応に応じてコンテナの入れ替え、並べ替え、追加、削除などが可能です。
このようなフレキシブルなアプローチにより、講座のバラエティと効率性が大幅に向上します。

これが「コンテナ」の概念を用いた講座の作り方です。どれだけ多くのコンテナを作っておけるかが、講座のバラエティを広げるキーとなります。

「どんなコンテナを用意します?」

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