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eラーニングと対面研修を組み合わせたハイブリッド型学習

テレビの視聴方法は一昔前と比べるとかなり変わりましたよね。
番組表を確認して、その時間になったらテレビの前で番組をみる以外の方法がとれるようになりました。

録画した番組を後から自分の好きな時間に見たり、それを倍速にして見たり。NetflixやAmazonプライムビデオなど、見たい番組をクリック1つで再生したり。テレビではなくスマホで視聴できたり。自由さが増しました。

でも、だからといって、テレビの前に座って時間になったら番組をみるのが無くなったかというとそうではないです。それぞれに良さがあります。

こうした、配信側と視聴側が同じ時間を共有する従来の形式は、お互いにタイミングを合わせるという意味で「同期型」、視聴側が自由な時間にそれぞれのペースで視聴できる形式を「非同期型」と表現します。

これは研修業界にもある考え方です。

同期型には対面研修やZoomやライブ配信による学習方法。
非同期型には録画データを受講生が自分のタイミングで視聴できるオンラインスクール形式。

eラーニングと対面研修のそれぞれの長所を最大限に活かしていますか?

ただ、今まで対面でやっていたことをオンラインスクールに変えるだけでは、対面研修の下位互換にしかならないです。

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教育コンサルタント(EC): こんにちは、T社の研修プログラムについてをテーマにお話ししましょう。課題は何ですか?

T社の担当者(TL): はい、問題は我々が新しく導入したeラーニングシステムです。ただの対面研修のコピーをオンラインに移しただけで、学習効果が全く上がらないばかりか、社員からは不満の声が上がっています。

EC: なるほど、それは問題ですね。それぞれの学習形式が得意とする領域を理解し、活用することが重要です。それがハイブリッド型学習のコンセプトなのですが、これはご存知ですか?

TL: ハイブリッド型学習...それは何ですか?

EC: ハイブリッド型学習は、eラーニングと対面研修のそれぞれの長所を活かす学習方法です。理論的な知識習得はeラーニングで、実践的なスキル習得やロールプレイは対面研修で行います。

TL: そうなのですか。それなら、私たちは全く間違った方向に進んでいたということですね。

EC: まあ、間違いというよりは、まだ最適な方法を見つけられていないだけです。これからは、ハイブリッド型学習を活用して、効果的な学習体験を提供しましょう。

TL: そうですね、それに挑戦してみます。どうすればハイブリッド型学習を実現できますか?

EC: まず、eラーニングと対面研修が得意とする分野を理解し、それぞれの最適な役割を定めます。それから、それぞれの形式を最適なバランスで組み合わせ、全体としての学習体験を設計していきましょう。
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教育や研修は常に進化しています。過去には、学びの場はほとんどが対面で行われる教室や会議室であり、参加者は時間と場所に縛られていました。しかし、テクノロジーの進化に伴い、eラーニングが誕生し、学びの方法や形式は大きく変わりつつあります。これは、ただ古い方法を新しいもので置き換えるだけではなく、新旧の長所を組み合わせて、よりよい学びを実現するための一歩と言えます。それが、eラーニングと対面研修を組み合わせたハイブリッド型学習です。

ハイブリッド型学習は、対面でしか得られない体験とeラーニングの柔軟性を組み合わせることで、それぞれの長所を活かす新たな学びのスタイルです。具体的には、ブレンド型学習とハイフレックス型学習の二つがあります。

ブレンド型学習は、対面の研修とeラーニングを組み合わせる手法です。たとえば、一部の学びをeラーニングで事前学習として提供し、ロールプレイングやワークショップのような実践的な学びは対面で行うといった形です。これにより、eラーニングの柔軟性と、対面での体験を有効に組み合わせることが可能になります。

一方、ハイフレックス型学習は、受講生が同時にオンラインと対面のどちらで学ぶかを選択できる方式です。対面の研修をその場で行うと同時に、オンラインでも配信することで、受講生の都合に合わせて学びの形を選択することができます。

これらの新しい学びのスタイルは、eラーニングが対面型学習の下位互換であるという考えを覆します。それぞれの長所を組み合わせて、従来の研修よりも効果を上げることができます。

しかし、単に対面研修をビデオに記録し、それをオンラインで提供するだけのeラーニングは避けるべきです。これは、eラーニングの可能性を十分に活かすものではなく、受講生のエンゲージメントを高めるための有効な手段とは言えません。

重要なことは、eラーニングと対面研修をどのように組み合わせるか、どの部分をどの形式で提供するかについて綿密な計画を立てることです。例えば、知識の習得はeラーニングで事前学習として提供し、対面研修は受講生が新たに得た知識を活用するための実践的な学びの場とする。研修後のアフターフォローや質疑応答、アンケート、評価やテストなどもeラーニングで事後学習として提供することもできます。

それはダンスパートナーのようなものです。パートナーと協力し、お互いの強みを引き立てあうことで、最高のパフォーマンスを実現します。

このように、各学習形式の長所を最大限に活かすことで、効率的で質の高い学びの場を提供することが可能になります。また、受講生が自身のライフスタイルや学びのスタイルに合わせて学びの形を選択できるようにすることで、より深い学びが促進されるでしょう。

ハイブリッド型学習は、対面研修とeラーニング、双方の長所を活かし、学びの全体設計を一新する新たな取り組みです。

学習環境や研修方法について再考し続けたいです。
研修が単なる時間とリソースの消費に過ぎないものにならないように。新しい学習体験を創出するための有効なツールになるように改善し続けていきましょう。

「対面でしかできないことは何ですか?」

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