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日本=平和国家は終わり⁈④日本各地に建設される弾薬庫

これまで日本のタガが外れている状況をまとめてきました。


安保3文書は「十分な継戦能力の確保・維持」のため「弾薬の生産能力の向上」と「火薬庫の増設」射程1000キロから3000キロに及ぶ長射程ミサイルなど各種誘導弾の「早期かつ安定的な量産をかかげています。

従来、防衛費の弾薬整備費は1000億から2000億円台だったのが、2023年度は8283億円と激増。
24年度予算案では9241億円となっていて、そのほとんどが各種ミサイルです。
防衛省の計画では、既存の弾薬庫約1400棟に加えて130棟を32年度までに増設する予定です。

24年度予算案では、
陸自の祝園分屯地(京都府精華町 京田辺市)沖縄訓練場(沖縄市)瀬戸内分屯地(鹿児島県 瀬戸内町)えびの駐屯地(宮崎県えびの市)多田分屯地(北海道上富良野町)海事の大湊地区(青森県むつ市)と舞鶴(京都府舞鶴市)まだ基地のない鹿児島県さつま町など計14カ所の弾薬庫建設に向けて約222億円が計上されました。

その一つが、陸上自衛隊大分分屯地(大分県鴛野)通称敷戸弾薬庫です。
敷戸団地など住宅密集地の真ん中に残る丘陵地にあり、面積約156ヘクタール。
周辺には近隣の5つの小学校区内だけでも約2万世帯4万人が住んでいます。
ここに大型弾薬庫を2棟増設することになりました。
弾薬庫は地中トンネル式で昨年11月29日着工されました。
その着工直前の11月2日に開かれた住民説明会で、近隣住民から、保管する弾薬の種類や量、爆発事故や有事に標的となる危険性などの質問がでましたが、防衛省の役人は、「防衛上の秘密で答えられない」「十分な安全対策をとる」と繰り返すだけでした。


大分分屯地から西北西に直線約25キロの陸自湯布院駐屯地(大分県由布市)に24年度中に約290人の地対艦ミサイル連隊を新設する計画があり、敷戸弾薬庫はそのためのミサイルを保管する施設です。
連隊が運用する一二式地対艦誘導弾は射程を約200キロから約1000キロに延す能力向上型で開発量産が進んでいます。
車両搭載式の地上発射型に加え、艦艇や航空機からも発射できるよう改良され対地攻撃にも使えます。
このような他国攻撃が可能な長射程ミサイルが弾薬庫に保管されるのです。



住民のあいだに不安が広がっています。
他国を攻撃できるミサイルが保管されていたら戦闘の相手国から攻撃される可能性があるのではと思うからです。

ウクライナ紛争では何度も弾薬庫が攻撃されて爆発し犠牲者がでています。
さらに7棟の大型弾薬庫の増設が予定されていますが、その事実は住民には伝えられていませんでした。



「継戦能力の維持」のためといいますが、そもそも長く戦争を継続することを前提にすること自体憲法9条の想定することではありません。武力による紛争解決を禁止している日本国憲法の下では「継戦能力」など必要ないのです。

相手を攻撃する能力を持てば、相手国から「敵」と見なされかえって安全保障上のマイナスになるでしょう。
一体何のための弾薬庫なのでしょうか?



九州から沖縄にかけて南西諸島の自衛隊のミサイル部隊配備が進み、軍事要塞化していることと関係しているようです。

仮想敵国を作って軍拡し、その結果戦争になるということのないよう、私たちはしっかり監視していかなくてはなりません。



参考文献
世界4月号 「ルポ軍事優先社会」 吉田敏浩著


執筆者、ゆこりん

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