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「Apple Vision Pro」から妄想する未来 ~空間コンピュータとは?~

Appleから新しいコンセプトが発表され、業界が賑わっています。
でも、発売は来年。1年以上先のことに、今からワクワクできる珍しい状況です。

Appleが開発した初の空間コンピュータ

Apple社のプレスリリースより

「Macが私たちにパーソナルコンピューティングをもたらし、iPhoneがモバイルコンピューティングを実現したように、Apple Vision Proは私たちを空間コンピューティングの世界へと導きます。」
「Appleが数十年にわたって生み出してきた革新的な技術を受け継ぎながら、大きな変革をもたらす新しい入力操作システム、数千もの画期的なイノベーションを実現するVision Proは、これまで生み出されたどのようなものとも異なる、時代の数年先を進む製品です。」(Apple CEO ティム·クック)

従来のパソコン、スマホとは次元の異なる、新しいデバイス。新しいコンピューティング環境であると位置づけています。今まで登場していた、AR/VR系ゴーグルとは、全然違うものと捉えた方が良さそうです。

では、何が違うのか?

世界初となる空間オペレーティングシステム、visionOSを搭載したVision Proにより、まるでデジタルコンテンツが自分のいる空間に物理的に存在しているかのように楽しむことが可能となります。

1つは、没入感

デジタルコンテンツ(アプリやデータ)と自分自身が一体になれる

手で触る、操作するという感覚から、まさに体験するという感覚へ

ハードウェアとソフトウェアを緊密に統合させることで、私たちはコンパクトなウェアラブルデザインでありながら、単体で機能する空間コンピュータを開発しました。これは歴史上で最も先進的でパーソナルな電子デバイスとなるでしょう」 (Apple テクノロジー開発部門VP マイク·ロックウェル)

ハードとソフトを両方、統合して開発、提供している、数少ないベンダーである、Appleだからできること。ここに、Appleが次のステップに進む動機が見えます。

パソコンやスマホでできることは、かなり見えてきた。今こそ、次のステップへ進む時だ、と。そんな決意表明に見えます。

無限に広がるディスプレイ群

Vision Proは、従来のディスプレイの枠を超えて広がるアプリのための無限のキャンバスを作り出し、ユーザーのという、最も自然で直感的な操作方法によって、完全に3次元化されたユーザーインターフェイスを実現します。

2つの超高解像度ディスプレイに広がる2,300万ものピクセルにより、Apple Vision Proはどのような場所でも、幅30メートルにも感じられるスクリーンを備えた、自分だけの映画館に変身します。
息を呑むような3D動画、臨場感あふれるエキサイティングなビデオのラインナップを楽しむことができます。

とはいえ、わかりやすいのは見た目。巨大ディスプレイが無数に並んだ空間を作れます。ディスプレイのサイズ、大きさ、数も自由自在。全てソフトで作られるので、いくらでも定義して並べることができます。それだけのメモリー量とCPU能力は必要になりますが。

これだけでも、夢のようです。1台数十万円するディスプレイを無限に並べたのと同じ空間。単純計算でも数百万円分の価値はすぐにつくれそうです。

証券会社のディーリングルーム、1人が数台の大型ディスプレイを前に、ディールしている風景。あれが、全部1台のゴーグルで済めば、スペースも節約できるし、処理できる情報量も格段に広がりそうです。

データセンターの監視ルームとか、消防、警察のコントロールセンターなど、巨大なディスプレイを囲んでいる風景が一変するかもしれません。

マルチモーダルの幕開け

さらに、目だけでなく、手、声も統合して処理する、マルチモーダルにも触れています。

視線の動きを検出する「アイトラッキング」の他、手の動き「ジェスチャー」認識、音声認識による、音声コマンドや音声対話型の操作もできそうです。

12個のカメラでとらえた外部の映像とCGを組み合わせて、超リアルなAR空間をつくれる。相手を仮想的なアバターとして登場させ、そのアバターと対話するように、色々なことを進めるなど。業務もエンタメも可能性が広がりそう。

センシングとAIのコラボレーション

センサーで捉えた映像、音声などをそのまま制御に使うのではなく、おそらくAIを間に挟んでくるのでは、と妄想しています。

センサーで捉えた情報(データ)には、ノイズも多く含まれている。意味のない情報は適度に抑えて、意味のある情報だけを抽出したい。ここには、AIの学習機能が大いに役立つ。

短期的な制御と長期的が学習によってパーソナライズされる制御。だんだんと手になじむように、自分だけの世界が登場しそうです。ヤバい。かなりヤバすぎる。新しいタイプの洗脳に発展しそうな気もしますが、すでにITに毒された現代社会はその予兆なのかも。

約50万円は、高いのか、安いのか?

最後に、値段について

とりあえず、盛沢山で、やりたいことを全部やったら、この値段になりました。という感じ。
でも、ここに開発費をドカンと乗せた感じではない。

おそらくこれまで、相当な開発投資をしているし、これからも開発費はどんどん膨らむハズ。

そう考えると、意外に製造原価に近い価格なのでは?
と思えたりします。


全然、次元が違いますが、
私が最初に買った、Macintosh SE/30は当時65万円でした。
今の物価に換算したら、100万円を超えているでしょう。
それでも、欲しい人は買うわけです。


まずは、業務用途なのか、一部のマニアがエンタメ用途で使い始めるのか、よくわかりませんが。デバイス技術としては、特殊なものはなく、生産量が増えれば急速に原価は下がります。開発投資をどう回収するかもあるので、値付けは原価とは別ものですが。。。

値段が今後どうなるかは、わかりませんが、
原理的には、iPhoneと同等レベルに下がる可能性があると思っています。

そのくらい、ハードより、ソフトの比重が大きい技術です。


来年の発売まで、待ち遠しいですが。
気長に、未来を妄想するには、いいネタかなと思います。

あなたの、妄想はどこまで広がっているでしょうか?



この記事を書いたのは、
収益の柱を増やす「未来実現パートナー」 川原茂樹
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