読書記録63 2023年5月の本まとめ

就活も研究も全部イヤイヤ期に入っています。
人生楽しみながら生きるって難しすぎないか。

1.『ある男』(2018)平野啓一郎

日本アカデミー賞そうなめで、母も面白かったと言っていたので気になって読んだ。
読み始めたら止まらず、夜中まで一気読み。社会問題を色々組み合わせ、それを物語に昇華させる技術がうまいと思った。(何を偉そうに)

2.『考える教室』(2019)若松英輔

titleでのイベントを書籍化したらしく、またもや好き同士が繋がる。ソクラテス(プラトン)、デカルト、ハンナ・アレント、吉本隆明の主著についてやさしい解説がされていてとても読みやすい。まずは翻訳を読んで、いつか原著を読んでみたい。

3.『電車のなかで本を読む』(2023)島田潤一郎

ここのところずっと夏葉社の島田さん関係の何かが続いていて、そろそろ島田さんにお会いするフェーズなのではないかと思ってしまう。電車のなかでブックカバーをつけず堂々と読みたい本。

4.『猫と庄造と二人のおんな』(1951)谷崎潤一郎

後輩おすすめの本をやっと読んだ。猫を溺愛し、母と嫁から子供扱いされる庄造、嫁を追い出して別の嫁が来て、どちらも猫にヤキモチして、など設定の仕方が上手すぎて、さすが谷崎、、、という気持ち。

5.『鯨オーケストラ』(2023)吉田篤弘

前回の『中庭のオレンジ』であれ?と思っていたが、『鯨オーケストラ』を読んで心震えたのでやはりまだまだ奥が深い。久しぶりにじわじわ心の奥が震える読書だった。『流星シネマ』『屋根裏のチェリー』を読んでいたので、世界がつながっていることに感動する。そして儚くて美しくて、音楽は最高だなと思える。大学院には入って音楽をやめようかなと思ったけど、中学生の時吹いていたクラリネットにもう一度触れたくなった。

6.『チーズはどこへ消えた?』(2000)スペンサー・ジョンソン

ホーのように変化を厭わないようになれば、うじうじ悩むこともないのだろうか。

7.『迷路の外には何がある?』(2019)スペンサー・ジョンソン

ヘムのその後の話。自分の信念は本当に正しいのか?思い込みではないのか?と自問自答することに気がついたヘムは、迷路の外に出る。
私も自分を縛っている信念を解放してみたい。

8.『「やりがいのある仕事」という幻想』(2013)森博嗣

就活に序盤から嫌気がさしてきたので、読んだ。好きなことをするために仕事をするのが一番簡単というのは腑に落ちた。「「みなが憧れる会社」の危うさ」「今いいものはいずれ悪くなる」などの見方に背中を押されたが、仕事につく前から仕事に対する熱意ややる気がないのもいかがなものかとも思う。いずれにせよそんなに気負わなくてもいいのかー。

9.『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』(2023)大前粟生

短編集。表題作の「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」は大学のぬいぐるみ(としゃべる)サークルが舞台。七森と麦戸ちゃん、素敵なパートナーだな。恋愛なしで繋がれる人がいるのはすごいことだし、憧れる。

10.『人生のこつあれこれ2013』(2014)よしもとばなな

たくさん引用する箇所があったので、別でnoteを書く予定。

11.『うつくしが丘の不幸の家』(2022)町田そのこ

新興住宅地のある家を舞台に、一代ずつ住んだ人が遡る物語。最後の章で第1章の人が出てくるだろうなあと予測がついてしまって、案の定だった。

12.『まなの本棚』(2019)芦田愛菜

プロローグと第1章が共感の嵐で、自分が書いたのかと思った。
本が好きな理由について、①自分の想像で世界を作り上げる楽しさがあること②自分とは違う誰かの人生や心の中を知ること、をあげていて、すごくそう思う。特に2点目はずっと思ってきたことで、同じように考える人がいて嬉しかった。
あと、オススメの本は人それぞれとも書いてありそれも大共感。最近は人に本を勧めるのはあまりしなくなった。第1章で、本を読むことはお風呂や歯磨きと同じ生活の一部とあって、そうだなあと。とにかく先が気になるからいつでも本を持っている。何冊も同時並行で読むとか、背表紙が光って見えるとかもすごくわかる。

13.『新解さんの謎』(1996)赤瀬川原平

噂には聞いていた、面白いと話題の新明解国語辞典。それの面白さを会話形式で、辞書の引用もありで紹介している。一貫してふざけているのに真面目なフリをしているのが好き。
後半は紙にまつわる連載を掲載している。 「写真はというと、これはもうプリントアウトの大御所で、これを電子手帖式に、というのは1番の難関だろう。観光地でパチッと撮って、帰ってからそのプリントをみんなに配るというのが一つの儀式にもなっているので、これがなくなると人間社会が崩壊するかもしれない。」(p.242)と書いてあって、奥付けを見たら1996年発行だった。


今月は年代バラバラで色々な本を読めたなという印象。

別のnoteでも書いたように、本は人生に必要な成分だし、辛い時こそ本の世界に浸ってゆるゆるしたいなと思う。

かしこ

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