ミスチルの掌という曲が昔から好きだった。

ひとつにならなくていいよ
認め合うことができればさ
もちろん投げやりじゃなくて
認め合うことができるから
ひとつにならなくていいよ
価値観も理念も宗教もさ

他人の考えは、ただ、そういう異なる考えもあるのだと、この歳になってようやく受け入れられるようになってきた。また、東京と自分の故郷である田舎を比較しがちだったが、私の故郷はこういう所なのだと、単に文化、土地、価値観、コミュニティのひとつなのだと、”One of them”であると、ありのままを受け入れられるようになった。

それは他の地方の土地に行っても同じだ。海外の街へ行くと、自国との優劣を考えず、異なることが当たり前だと受け入れられるのに、自国内では都会と地方という二項対立で、優劣を考えがちだった。それはメディアの影響が非常に強い。若い頃は東京ばかりに焦点が当てられ、全てをきらびやかに見せつけられる。

非中央集権的かつ分散型社会を目指す業界に身を置く立場としては、それはもはや昔の話。ネットがほぼ全国どこでも普及した社会になっても、東京という唯我独尊の都市の地位は崩せずにいた。しかし、最近は、アナログでも地道に地方創生が叫ばれている。そして個々の土地に合わせた生き残り戦略が練られ始めている。手っ取り早い例は、スタートアップの誘致などだ。日本版シリコンバレーを作ろうとしたり、○○ハブとなったりするべく皆必死だ。

それらの取り組みが実を結ぶかはまだ分からない。数年後に結果が出てくるだろう。中央も仲介も要らない。その先に、失われた平成という時代を乗り越えるあらゆる「個」の時代を期待したい。

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