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小澤征爾さんゆく。推しの家族と私の祖母が交差する波乱万丈のファミリーヒストリー

小澤征爾さんが、88歳で亡くなられたと、昨日のニュース及び小沢健二さんのつぶやきで知った。
私の祖母とおじさんは、戦前、満州の地で、小澤家と同じ時を生きていたかもしれない。

これを知ったのは、コロナ禍で、小沢健二さんの推し活をしている中でした。


小澤家のファミリーヒストリー満州から立川・川崎へ


2022年に小澤家のファミリーヒストリーに惹かれて、いくつか本を読みふけっていた。
・父:小澤開作さん
・母:小澤さくらさん
・四人兄弟:克己さん、俊夫さん、征爾さん、幹雄さん

開作さんとさくらさんの波乱万丈満州時代。たくましさと、明るさと。
今から考えるとそれこそ不適切なことばかりだけど、熱くて暖かい民族を超えた人とつながっている姿にパワーをもらった。

日本に帰ってきてからもバイタリティ溢れた暮らしをされていました。
中でも「リアカーで運んだピアノ」というエピソードが私は好きです。

征爾さんのためにおやじさんがピアノを買うと言い出して。
兄の克己さんと俊夫さんがリアカーで横浜に取りに行って、150キロのピアノを3日間かけて歩いて立川まで運んできたという。
最後、坂道で多摩川の崖を落ちそうになったところを、開作さんがふんばって助けてくれたと。

俊夫 でもね、どんどん貧乏になっていくのに、ピアノなんか買って、征爾に音楽なんか習わせているもんで、おやじさん(開作)の親類からは批判されているらしいんだ。ある日、立川の町を歩いているとき、おやじが足をとめて、ぼくの顔をじっと見て、「おれの自由教育が正しかったかどうかを証明するのは、おまえたちなんだ」と言ったんだよ。ぼくは「あたりまえじゃないか。必ず証明してみせるよ」と思ったことを、よく覚えている。

「小澤征爾、兄弟と語る」

小沢健二さんの父、俊夫さんも、開作さんに負けず劣らず熱いんだなあと。だからこそ、オザケンにもその血が流れていることを感じますね。

祖母のファミリーヒストリー満州から糸島へ


その年2022年12月に、実家の福岡県糸島にて祖父母の法事があり、
私の父の4兄弟(姉妹)も久しぶりに集まりました。
・四人兄弟:父の兄Kおじさん、父T、父の妹KおばさんとTおばさん

ひとしきりお寺での法事と、昼食を終えた後、実家に集まって、兄弟4人の昔話が始まりました。
私は、自分のファミリーヒストリーにも興味を持っていたので、お酒を飲みながらも話に聞き入っていました。

じいちゃんとばあちゃんはどんな風に生きてきたのか、どうやって出会ったのか、おじさん(父の兄)はどうして実家を出て東京に行ったのか。
なぜ、次男の父が後を継いだのか。。。

話も盛り上がってきた後半、
「どうしても聞きたかったことがあると」とKおばさんが、少しためらいながらも、Kおじさんに問いかけはじめた。
先祖の名前が書かれてある「過去帳」というのを見せて、
「にいさんは、私たちと血がつながっとーと?」と深刻な眼差しで聞き始めた。

Kおじさんは、なんだそんなことかという感じで
「血はつながっとーよ。
 ばあさんは若い頃満州の奉天に出稼ぎに行っとって。
 そこで出会った〇〇さんとの間にできた子が私。
 3歳くらいの時に戦争が終わって、ばあちゃんに連れられて日本に帰ってきたと。
 ばあさんが拾ってきた子じゃなかよ(笑)」

その場にいた、親族みんなあははと、胸をなでおろした。
「そうやろー。そう思うとったっちゃん。ばってん、娘がいうけんさー」
といいだしっぺのKおばさんは娘(私のいとこ)のせいにしていた。

Kおじさんが家を出たのは、じいさんの子ではないので、家を継ぐのは父がいいだろうと。じいさんとばあさんとKおじさんで当時どんな話をしたのか分かりませんが、Kおじさんは、実の父がいる関東に呼ばれたあるいは行きたかったのかもしれません。

Kおじさんは、満州時代のころや若い頃を懐かしく思い出し始めて
「ばあさん、若い頃、『満州娘』をよく歌ってたなあ」
と。

ばあちゃんが歌ってる姿なんて見たことない!
当たり前だけど、ばあちゃんだって、娘時代があったんだと気付いておどろき(オイっ)。
満州で恋をして、でもその人とは別れなきゃいけなくて、そのおかげでじいさんと出会って、父が生まれて、私が生まれた。。。

そんな戦争時代の切ない奇跡のつながりに胸が熱くなった日でした。

まとめ

小澤征爾さん、ありがとう!
88年間、波乱万丈の昭和から令和までよく生き抜いて来られました。
ご冥福をお祈りいたします。
あちらで私の祖父母と会ったら満州時代の話でもしてください。

あなたも、まだ父母の世代、祖父母の世代がご存命であれば、今のうちに自分のルーツやファミリーヒストリーに耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

最後までお読み頂き、ありがとうございました

ちなみに、父母や祖父母が亡くなられていた場合も、亡くなられた人と再会するというワークもゲシュタルトの中でやってます。

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