地元が欲しい。それだけなのかもしれない。
小学4年生で引っ越してきた実家に思入れはあまりない。引っ越してからの学生生活は苦しいことが多かった。むしろ引っ越す前が楽しすぎたのかもしれない。昔住んでた家、その時の友達たちと小学校が好きだった。先生も、図書室も、なにもかも。
誰かといればいるほど、グループの人数が増えるほど、孤独感に苛まれては逃げ出した。3人組なら喜んで1人を選んだ。女子の集いも面倒で、一匹狼の学生生活。逃げ出す場所は決まって、景色のいいところ。今いる場所で最善と思われる高くて綺麗で、遠くが見渡せる場所。
引っ越してからの小学生の頃、優等生の私は通学路を破ることを覚えた。葉っぱの多い公園に寄り道する帰り道はお気に入りの時間だった。
苦しくなってきた中学生。部活の休みの土日は決まって本屋で半日吟味し、午後からは公園に出かけて本を読んだ。
電車通学になった高校生では、ことある度に帰り道、乗り換え駅でわざわざ階段を昇ってまで下車して、遠くが見渡せる場所に向かった。わたしの逃げ場がやっとできたと思った。
遠くへ出かけることを覚えた私は、羨むような都会へ電車一本で行けるのにも関わらず、乗り換えをする自然の中、田舎らしい場所、海、森、山を選んでいた。
人も物もたくさんあるのに息苦しくて、孤独感を抱えたのはいつからか分からない。でも、引っ越す前は一人の時間は多かったのに孤独じゃなかったことだけは確かに覚えている。年齢が上がるにつれ、行動範囲が広がるにつれ、関わる人の数が増えるにつれ、苦しくて孤独だった。
そしていつからか、都会を出たいと思っていた。
大学生になってやっと始めたメイク。その中で出会ったYouTuberななこちゃん。可愛くて私の憧れだ。彼女がオーストラリアに留学に行き、帰ってきたく時の動画で言っていた言葉が衝撃的だった。
地元って1つじゃ無くていいんだ。
今からでも地元って持てるんだ。
そこからだった。私の住む場所を探そうと思ったのは。いつも逃げ出していた自然があれば、私はきっと元気でいられるなぁ、孤独感に苦しむことも無くなるなって思った。ただぼんやりと都会を出たいと思っていた。
それが突然、去年明確に現れた。
広島に住みたい
絶対に彼のせいだ。彼はすごく地元広島が好きなんだと思う。素敵な場所をたくさん知ってる。素敵なものもたくさん知ってる。こっちで何かあってもあの土地が全部助けれくれるから頑張れるんだと、時々話す地元愛から感じる。
そのことがものすごく羨ましくて
教えてもらう地元の場所はどこも素敵で、毎日でも行きたい場所ばかり。お酒も食べ物も美味しい。そしてあの、瀬戸内海に浮かぶ、遠くまで見える島々と瀬戸内海で作られ景色が頭からどうしても離れてくれなくて、どうしようもなく好きなんだ。帰りの新幹線も、家に帰ってからも、時間がどれだけたっても、何度も写真も動画も見返す。私の待受画面は去年からずっと広島だ。
広島に来てると全部忘れられる。
大変だったけど大丈夫だよって。
今まで頑張ったね、休んでねって言ってくれてるみたい。
なんでも許してあげるよって夏は特に寛大だなと思う。
旅してる地も多くは無いけど、少なくもない。家族とも友達とも元カレとも一人でも、いろんな人達といろんな場所に行ってきたけど、こんな感情になるのは、彼といる広島だけなんだよ。
私はずっと自然のそばで暮らしていたくて、何があったら自然とひとりぼっちになれる場所が欲しくて、いつも心のどこかでそんな場所を求め続けて生きていた。
でも広島はそれだけじゃなくて、あの瀬戸内海とあたたかさが私には必要なんだと思う。
「ただいま」って言いたくなるの
もう地元って言っていいかな。言わせて欲しい。
早く広島を地元って言いたいな
前回の春の広島旅直後のこと。
同じこと言ってるなあ
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