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2023年詩

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#人間

154「詩」ミサ曲のために

すべての人は
わたしのもとに来なさい
休ませてあげよう

両手を広げたその人は
ありのままの人間をみていた

人種や身分などどうでもよかった
どんな宗教を信仰していてもよかった
身に纏ったものに囚われることなく
ただそのままの人を大切に思う
神さまの思いを大切にしていれば
それでよかった

自分に都合が良いように
垣根の作ってきたのは人間たちだ
国の選んだ宗教と違うから
受け入れてもらえない音楽だ

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73「詩」朝

73「詩」朝

人の悪意や強欲や妬みや嫉みや
汚れた人間から遠く離れた
別の世界で 
ひっそり生きていこう

朝焼けがこんなに美しく
別の世界へと
導く

1日はもう始まっている

39「詩」夜更け

39「詩」夜更け

流れ星がぶつかり合って
金属製の高い音がかすかに
響いている

夜更け

狡い人間たちの間で
くたくたになって生きてきた

空を見上げる

なにも出来ない自分
なにひとつ役に立たない自分

いったい何をしてきたのだと
もう一人の自分が問い詰める

消えてなくなりたくなる

空を見上げる

流れ星の間で星たちが
こちらを見つめている

人間が生まれるずっと前から
同じ光を放ってきた星たちが
こちらを

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38「詩」人間だから

38「詩」人間だから

ありきたりの生活をしてきた

ありきたりに結婚し

ありきたりに子どもを育てた

大切に大切に育まれた子どもたち

ありきたりの幸せでいいと

親たちは願った

ある日

いちばん大切なものが何か
見失った人間たちが
その命を奪う

人間が
人の命を奪っていいわけなんて
どこにもない

ありきたりの生活が
眩しいくらいに
輝いて見える

いちばん大切なもの

人間だから出来ること

ありきたりの人

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