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272【災害は忘れた頃にやって来る】

 「災害は忘れた頃にやって来る」という言葉があるように、元号が令和になり、平成以降の自然災害の記憶が薄れてきています。防災教育は、ESD(持続可能な社会を築く)の目的の中でも無視できなくなってきています。平成以降の自然災害を紹介します。

 平成7年(1995年)兵庫県南部地震

 平成12年(2000年)有珠山噴火、鳥取県西部地震

 平成13年(2001年)芸予地震

 平成15年(2003年)十勝沖地震

 平成16年(2004年)新潟県中越地震、新潟・福島豪雨、福井豪雨

 平成18年(2006年)豪雪・豪雨

 平成19年(2007年)能登半島地震、新潟県中越沖地震

 平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震、豪雨

 平成21年(2009年)中国・九州北部豪雨

 平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震、新潟・福島豪雨

 平成24年(2012年)九州北部豪雨

 平成26年(2014年)豪雨

 平成27年(2015年)関東・東北豪雨

 平成28年(2016年)熊本地震

 平成29年(2017年)九州北部豪雨

 平成30年(2018年)豪雨、北海道胆振東部地震

 2012年から学校防災マニュアルの作成・見直しの手順が記載され、学校安全の推進に関する計画、安全教育、防災教育・防災管理の展開が示されています。東北地方太平洋沖地震の教訓を踏まえた実践例が数多く取り入れられ、防災に関する指導方法の開発や普及が文部科学省によりなされています。

 学校現場では、危機管理マニュアルが作成され、理科の学習において「火山」と「地震」のどちらか一つを選択することになりました。「雨水の行方と地面の様子」が小学4年生に新設され、「災害」という言葉が使われるようになります。

 世界に目を向けますと、1990年、第44回国連総会において、自然災害による人的損害、物的損害、社会的・経済的混乱について、国際協調行動を通じて軽減することを目的とした「国連国際防災の10年」が採択されるなど、日本よりも早くから取り組みが行われています。2015年には国連本部で開催された国連サミットで、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、「防災」に関わるターゲットが示されています。

 これまで、理科や社会の教育は、人間の活動を自然から切り離すことによって展開されてきたため、現実の環境の問題とは、大きく乖離していたように思います。SDGsとも関連して、少しずつ改善されてきているものの、自然災害をどのように教育活動へ取り入れていくのか、具体的な実践が不足しているのが現状です。災害大国日本、火山・地震、気象、そして海洋といった科学リテラシーをしっかりと身に付けさせたいものです。

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