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【日本全国写真紀行】 4 長野県下伊那郡天龍村坂部

取材で訪れた、日本全国津々浦々の心にしみる風景を紹介します。ページの都合上、書籍では使用できなかった写真も掲載。
日本の原風景に出会う旅をお楽しみいただけます。


下伊那郡天龍村坂部

天龍川部坂08436


峡谷の隠れ里は、熊谷直実(くまがいなおざね)の子孫が住む同族集落

 下伊那郡天龍村は長野県の南端にあり、村の南側は愛知県と静岡県に接している。
 村の面積の九割以上が山林で、中央を南北に流れる天竜川とその支流が深いV字渓谷を作り、そこに小さな集落が点在する。
 ここで紹介する坂部も、その峡谷の急斜面にへばりつくように民家が並ぶ小集落だ。かつては二十戸以上あったそうだが、今では十戸に満たない過疎集落である。山に囲まれ完全に周囲から隔絶されたこの隠れ里、実は源氏の武将・熊谷直実の子孫、熊谷貞直が主の足利尊氏の不興を買って追われ、この地にたどり着いて開いた村である。
 熊谷直実は、平家物語の登場人物の中でもとりわけ人気のある、勇猛果敢な武将である。「一ノ谷の戦い」で敵将・平敦盛を討ち取るが、相手が自分の息子と同年代のまだ子供であったことを知り、世の無常を感じ、のちに出家する。

『ふるさと再発見の旅 甲信越』産業編集センター/刊より一部抜粋


天龍川部坂03682

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