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【日本全国写真紀行】 1 京都府宮津市上世屋

取材で訪れた、日本全国津々浦々の心にしみる風景を紹介します。ページの都合上、書籍では使用できなかった写真も掲載。
日本の原風景に出会う旅をお楽しみいただけます。


京都府宮津市上世屋

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日本の原風景の要素が、すべてここにある

「二度と行こまい丹後の宮津 縞の財布が空になる・・・・・・」(お囃子〜丹後の宮津でピンと出した〜)
 有名な民謡『宮津節』の唄い出しである。子どもの頃、何度か聞いたことがあって、このフレーズがとても気になった。一体誰が、何をピンと出したのか、それを何で宮津で出したのか・・・・・・そのうち疑問自体を忘れていたが、宮津を訪れるというので急にこのことを思い出し、調べてみた。財布が空になるのは、予想した通り宮津に遊郭があったからだが、何をピンと出したのかはどうやらはっきりしないらしい。歓楽街だけに、博打のサイコロの目だ、とか、べっぴんの遊女のことだとか、諸説あるらしい。
 さて、いきなり余談から始まって恐縮だが、宮津市というのは不思議な形をしていて、間に与謝野町を挟んで南北に飛び地になっている。歌に出てくる遊郭があったのは南のほうで、ここで紹介する上世屋は宮津市の飛び地の山間部にある。
 宮津湾に流れ込む世屋川の中流から上流にかけて、世屋谷と呼ばれる地域の中心地。標高360メートルの高地にあり、丹後半島有数の豪雪地帯で積雪は2〜3メートルを超えることもある。そんなわけで上世屋の住居は、入母屋造りだが、合掌造りのように屋根が急勾配になっている。屋根材にも特徴があり、通常、チガヤ、ススキ、麦わらなどを使った屋根を総称して「茅葺き」と呼ぶが、上世屋では、この地に豊富にあるチマキザサを使うので、「笹ぶき屋根」と呼んでいる————。

『ふるさと再発見の旅 近畿1』産業編集センター/刊より一部抜粋


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