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【ルーツ旅🌺実家の謎の解明⑤】理不尽な悪意のタネまき(その2)両親の結婚の真実

★これまでのお話
冷酷なしゅうとから逃れ、戦時中の満州に渡ったT子さん。敗戦後、3人の子どもを連れて、命からがら帰国しました

注)昔の話とはいえ、ショッキングな内容を含みますので、気になる方は読まないようにご注意くださいm(_ _)m

曽祖父(N助)→祖母(T子)ときて、今回は私の母親(E美)の登場です。

結構ひどい話なので、衝撃をやわらげるために、人間ではなく可愛いワンちゃんを主人公にします。

はーい、私はE美。よろしくね!!

▼ひとりだけ置き去りにされた

やっとの思いで満州から引き揚げてきた4人ですが、N助も含め、親戚は誰も歓迎してくれません。T子さんは肩身の狭い思いをしつつ、戦場から夫が帰るのを待ったものの、1年後、夫が戦死したとの知らせが届きました。

すると、N助はT子さんに「山形に帰れ」と命じたのです。しかたなくT子さんは子どもを連れて実家に戻りましたが、その際、なぜかE美さんだけ連れて行かず、N助の家に置き去りにしました。

お母さん、私を置いて出ていっちゃった……(しょぼん)

まだ小学1年生だったE美さんは、それから半年ほどして母親が迎えにきたあとも、ずっと「私はお母さんに捨てられた」という気持ちが消えなかったそうです。

▼恋愛結婚するはずだったのに・・・

その後、なんとか母子そろって京都市内で暮らすようになり、E美さんは私立の名門女子高に入学しました。貧しい中でも、頭のいい彼女をなんとかいい学校に入れようと、T子さんが頑張ってお金を出してくれたようです。

高校卒業後、E美さんは近くの会社で事務員として働き始めました。そこで、ある男性とおつきあいすることに。E美さんが病気で入院したときは、毎日お見舞いに来てくれる優しい人です。

「彼と結婚できればいいなあ」

E美さんは、そう希望を抱きました。

そんなある日、彼のご両親に挨拶に行くことになりました。E美さんは、もうドキドキです。

しかし、彼のご両親はE美さんに向かって、こう言ったのです。

E美さんにはお父さんがいないんでしょう? そんな人と、うちの息子を結婚させるわけにはいきません」

残念ながら、彼とのご縁はここまでになりました

えっ、そんなことで結婚を断られるの? ひどくない?
(戦争で父親を亡くした人はいっぱいいるのに・・・)

▼親戚の紹介でお見合いすることに

傷心のE美さんは、23歳の初夏、親戚の紹介で、奈良に住むG男さんとお見合いをしました。

G男さんは、少し無口で陰のある感じの男性ですが、スラッとしてイケメンっぽい感じで、最初の印象は悪くありません。

あ、なんかいいかも💛

しかし、何度かデートするうちに、E美さんはG男さんのことを、何かがおかしいと思い始めます。

なんだか気分屋さんだし、若い頃、何もやる気が起きなくて1か月ほど寝ていたことがあるとも聞きました。

さらにG男さんから、自分はある症状で薬を飲んでいると打ち明けられたので、E美さんはびっくり

E美さんは、とても一緒に暮らせる自信がなくなり、母親のT子さんに「縁談を断りたい」と告げました。すると驚いたことに母親は、

「そんなの許しません!! あなたはG男さんと結婚するのよ!!!」

と、怒り出したのです。

な、なぜ??
E美さんは、わけがわかりませんでした。

▼ある夏の日の出来事

それからまもなく、ある夏の日のことでした。夕方、E美さんが勤務先から自転車で帰宅すると、家の前に大きな黒い外車が停まっています。

家に入ると、外車のディーラーをしている親戚Aと、よく知らない親戚Bが待っていました。

「おかえり。急いで着物に着替えなさい
母親が命じました。

わけがわからないまま着物に着替えたE美さんは、母親にせかされるまま外車に乗りこみました。親戚Aが運転する車の後部座席で2人にはさまれ、脱出は不可能です。

※こんな感じ⤵

      | 親戚B   E美  母T子|

ど、どこに行くの?

E美さんが聞いても、誰も答えません。
外では、雨が降り出しました。

1時間ほど走ったころでしょうか。ようやく車が止まりました。外はもう真っ暗。大雨の中、母親にうながされて外に出たE美さんは驚きました

これって、G男さんの家じゃない??

えっなに、どういうこと!?

そのとき、母親(T子さん)がG男さんの両親とどんな話をしたのかは、誰にもわかりません
その後、どしゃ降りの雨の中、家の前に立ちすくむE美さんをひとり置いたまま、車は帰ってしまいました

そうです。

E美さんは、G男さんの家の軒先に、置き去りにされてしまったのです。
まるで捨て犬(猫)のように……

こうしてE美さんは、人生で2度、母親に捨てられました

いやはや。

私は、数年前、近所の公園に捨てられた猫を引き取って育てていますが、声を大にして言いたいです。

猫も人間も、捨てちゃダメ! 絶対!😰

こうして、T子さんにより、2つめの悪意のタネがまかれました。

あなたはG男さんと結婚するのよ!
種はその後、大きく育つことになります

▼2か月後に行われた結婚式

それから2か月と少したった11月3日、たくさんの親戚に囲まれて、G男さんとE美さんの結婚式が行われました。

そして翌年5月、可愛い女の子が生まれました。

まるまると太った可愛い赤ちゃんです

それが私の姉です。


こうして、この話はひとまず終わりになります。

次回は、先祖がやらかしたことについて、子孫はどのように考えればいいのかについてお話ししようと思っていますが、一体どうなることやら……😅

コメント欄にも書きましたが、どんな話であれ、過去にあった出来事は変えられないので、将来を良くするために前向きに考えていくことが大切だと思っています。

(続く)

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★最後までお読み頂きありがとうございました。ぜひスキやコメント、フォローして頂けると嬉しいです。私も返させて頂きます。

★ワンちゃんのイラストは、ネットのフリー素材です☺️

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