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【悲運の戦国大名🌺筒井氏の深い謎⑧】X氏は筒井氏と織田氏の子孫だった🌟

「なぜ、自分の先祖を探そうと思ったんですか?」

と、初対面の人に聞かれたときに、「私の人生があまりにも奇妙で、その原因が自分のルーツにあるんじゃないかと思ったから」なんて正直に答えたら、それこそおかしな人だと思われそうです。そこで私は、

「え、えぇと……これまで色々あって

と、ごまかしました。

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自分のことを打ち明けるのは勇気がいりますよね……。

▼大和の筒井一族である可能性は高い

筒井X氏が、「それで?」という顔をしたので、私は仕方なく言葉を続けました。

「最近、両親が亡くなって、急に自分のルーツが気になったんです。それに、母は京都のW町出身なんですが、先祖は大和の筒井順慶と家系図に書いてあったので、ちょっと調べてみようと思って……」

私は、持参したW天満宮のパンフレットをテーブルに置きました。

「たぶん、奈良と京都は離れているから、直接のつながりはないと思います。
でも、W村はもともと興福寺の荘園だったし、大和から半日あれば歩いていける距離だから、きっと大和の筒井氏とのつながり自体はあったんじゃないかと思うんです」

「ふーん」

X氏は、パンフレットを手に取り、興味深そうにながめました。

「境内に、春日神社と若宮神社がありますね。若宮おん祭りの祭主は筒井がつとめていたことを考えると、大和の筒井の系統かなという気がします。

それに、近くに安積親王あさかしんのう陵墓りょうぼがあるのも気になるな。安積親王は、聖武天皇の第五皇子で、その子孫は山田城主。そして、筒井順慶の母親は山田家の出身です。

……W村が興福寺の荘園だとか、色々な状況証拠からすると、椿さんのご先祖が大和筒井氏の一族である可能性は高いと思いますよ」

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えっ、本当? なんだか希望が出てきました!

▼X氏のご先祖は筒井氏と織田氏

その後、お酒を飲みながら3人で話しました。X氏は、父親の代から同族会に入っているらしく、筒井一族については相当くわしい様子。これは色々と教えてもらえそう✨

X氏のご先祖は筒井順慶の重臣・森氏で、筒井氏だけでなく織田氏とも血縁関係があるとのこと(後日、同族会報をみたらX氏の家系図が載っていました)。母方の実家(織田家)は、清州会議の舞台となった清州城の跡地の一部を所有しているそうです。

なんでも、徳川家康が清洲城下をすべて名古屋城に持っていったため(清洲越しというらしい)、元の土地は織田に残ったとか。X氏が子供のときは、そこで乳牛を飼っていて、イチゴ園も在ったとのことです。

よくわかりませんが、なんだかすごい血筋みたいです。

ところで、清州会議って、本能寺の変のあと、誰が織田家の後継者となるかを決めた有名な会議らしいです。日本史オンチなもので、知らなかった💦

▼歴史の表舞台に出てこない裏話あれこれ

私のそばで、清山さんとX氏が、筒井氏のことや戦国時代の出来事について、なにやら熱く語っています。どうやら歴史の表舞台に出てこない裏話のよう。私にはさっぱりわからないので、聞き役に徹するしかありません。

その中で1つだけ聞き取れたのは、「木地師きじし(木地屋)という言葉でした。木地師というのは、山に入って木を伐り、ろくろをまわして茶碗を作る人のことだそうです。

皇室の荘園など、入山が禁止されている山に入って木を伐るためには免許状が必要で、筒井氏はそれを発行する仕事もしていたそうです。もちろん発行してもらうには手数料を払う必要があるので、一種の商売ですね。表立って商売できない武家が、裏でこのような仕事をすることは珍しくなかったようです。

W町のホームページによると、江戸時代の初期、二代将軍秀忠の娘が天皇の中宮になったときに、W村は皇室の直轄地「禁裏御料地」になったとか。もしかしたら、うちの先祖も、W村の山に入るための免許状を発行する仕事をしていたんじゃないかと、想像がふくらみました。

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筒井氏は僧侶の一族であるだけでなく、山の木を伐る仕事にも関係があったんですね。

▼最後にようやく従弟が登場

あっという間に時間がすぎ、そろそろデザートを注文しようという頃になって、ようやく母方(筒井)の従弟が顔を出しました。数年前、母の葬儀で会って以来です。従弟は日本史が趣味だということで、清山さんとX氏との会話にも、すんなりと入っていきました。

「筒井順慶もいいですが、僕は明智光秀が好きですね。優しいし、頭もいいし。お城にも何度か行きました

従弟は、楽しそうにグラスを傾けています。そういえば、従弟の実家は、明智光秀が築いた亀山城のすぐ近くにあったっけ。

余談ですが、私は高3のときに家出をして、数か月間おばの家でお世話になり、そのとき小学生だった従弟とも一緒に暮らしました。昔は引っ込み思案でしたが、いまや初対面の人たちとも談笑する姿をみて、ずいぶん大きくなったなあと感慨深いです(今やお互い、立派な中年……)。

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帰り際に、記念写真をパチリ📷⚡
左手前がX氏、左奥が清山さんです。

だいぶ夜も更けてきたので、この日はこれでお開き。私は、X氏と電車で途中まで一緒に帰ることになりました

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