【ルーツ旅🌺実家の謎の解明⑥】N助の悪意のタネが芽吹いた場所は?
悲しい話はここまでにしようかとも考えましたが、なぜT子さんがあんなことをしたのか納得できないという方もいるでしょうから、もう少し説明することにします。
なお、今回は様々な事実や証言をもとに、私の推測をまじえた話であることをお断りしておきます。
▼すべては彼のために
それでは私の祖母、T子さんに再び登場してもらいましょう!
インタビュアーは、オカメインコのTsubakiちゃんです!😆
Q ピピッ! それでは、単刀直入に伺います。あなたはなぜ、E美さんが嫌がっているのに、無理やりG男さんと結婚させたんですか?
A ・・・・・・(無言)
Q もしかして、家が貧乏だったから、早くお嫁に行ってほしかったんですか?
A あ、それは違います。その時、子どもたちはみんな高校を卒業して働いていましたから。
Q じゃあ、別にE美さんが結婚しないで、ずっと家にいたって良かったんじゃないですか。
A え? いや、それは困ります!! 早く結婚して出て行ってもらわないと、Y夫が・・・・(ゴニョゴニョ)。
Q Y夫? あなたの三男ですよね。Y夫君がどうかしたんですか?
A そ、その・・・・。だってほら! いつまでも家に未婚の姉がいたら、弟のY夫が結婚できないでしょ? 小姑がいつまでも家にいると、嫁の来てがないっていうか。
Q はあっ??
・・・・それってもしかして、E美さんがずっと結婚しないで家にいると、弟の結婚に差し支えるとか、そういう話でしょうか??
A そうそう!! E美は、父親がいないって理由で縁談を断られたでしょ? Y夫まで、家に小姑がいるせいで縁談が壊れたら困るじゃない。
それに、せっかく親戚の紹介でお見合いしたんだから、断ったら親戚の顔がつぶれるでしょ。E美に、わがまま言わないでさっさと結婚しなさいって、G男さんの家に置いてきたのよ。
帰ってきても家に入れないからね!と強く言ったら、E美もあきらめて結婚したみたい。すぐに孫の顔も見られたし、多少強引な手を使って良かったわ^^♪
Q ピ、ピーーーッ!?? Σ(・□・;)💦🐤
▼満州から帰ったあとのT子さんの口ぐせ
満州から、幼いどもを連れて命からがら逃げ帰ったT子さん。なんとか平穏な日常を取り戻したものの、10か月にわたる逃避行は、彼女の心をむしばみました。
夫がいない中、3人の子どもを守るために、筆舌に尽くせない苦労をしたT子さん。
日本に帰っても、女手一つで幼子3人を育てる苦労は並大抵ではありません。T子さんは疲弊し、無力感に打ちのめされました。
私がこんな思いをするのは、私が女だからだ。
T子さんは、そんな自分が許せませんでした。
そのやり場のない気持ちのほこ先は、いつしか娘であるE美さんとその妹に向けられるようになりました。そして、
それがT子さんの口ぐせになったのです。
(ピーッ・・・🐤💦)
▼男の子を優遇する「長男教」
日本では昔、家督相続制度というものがありました。一般的に、家督をつぐのは長男だったので、男の子は女の子よりも大切にされました。
戦後、家督相続制度は廃止されたものの、今でも地方を中心に、男の子を女の子よりも上に見て、大切にする価値観が根強く残っているように思われます。その男性優位の考え方は、「長男教」と呼ばれることもあります。
T子さんは、長男・二男を亡くしたため、男の子は三男のY夫君だけ。長男ではないけれど、「女は役立たない」と思っているT子さんにとって、唯一の心のより所です。
京都で母子4人で暮らし始めてからというもの、E美さんと妹はずっとT子さんから差別され、邪魔もの扱いされてきました。
たとえば、食事に大きな尾頭付きの魚が出たとき。頭と尾っぽは女の子が、真ん中の身のある部分はY夫君が食べる決まりです。
そして、Y夫君が自分の分を母親のT子さんにわけてあげると、「Y夫は優しいね」ということで、またY夫君の評価が上がるのでした。なんとも理不尽な女性差別です。
でも、この「女は役立たない」という言葉、どこかで似たような言葉を聞いた覚えがありませんか?
そうです。
あのクズ男くん、もといN助の発言です。
彼の言葉が、何度もT子さんの脳裏によみがえっては、心を傷つけました。
時間がたつうちに、N助の言葉はどんどんT子さんの心をむしばんでいきました。
N助がまいた悪意のタネは、いつのまにかT子さんの心の中で芽を出し、大きく育ったのです。
こうして、T子さんは「鬼母」になりました。
(続く)
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★イラストは、いらすとやさんです☺️
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