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~この十年間くらいで面白かった小説集~

(素敵なイラストを使用させていただいてます。ありがとうございます)

 面白かったってことはつまり頭の中に残っているものってことなんですよね。感想とか紹介ってよりわたしの雑談みたいなものです。いつもの如く読み物として読んでいただけたら幸いです。

 ※これは追記になりますが、Spotifyのリンクを張れるっぽいので本紹介の前にその本に合うだろうなあって音楽を張らせていただきました。読むラジオみたいなものです。
 わたしの記事はいつだって夜に眠れない方(いわゆる暇人)の味方でありたい。
 のんびりしていってください。ごゆるりと。


本の話(メイン)


 歴史物に合う曲を見付けるのにアマゾンの奥地まで旅立とうかと思いました。

・天地明察 / 冲方丁
 江戸時代前期の囲碁棋士であり天文学者であり神道家である渋川春海の生涯を描いた作品。
 冲方丁とわたしの出会い。そうそれはアニメ『蒼穹のファフナー』シリーズなんですが、この作家はアニメであろうと小説であろうと大概の(というほど読んではいないけど)創作物のテーマ(※あくまでわたしが感じていること)が「生きることと死ぬこと」なのでわたしは好き。
 SF的な作品なら『マルドゥック・スクランブル』もオススメです。ギャンブルのシーンの熱量が高くて目眩した記憶があります。……ブラックジャックでしたっけ?あれいやポーカーでしたっけ?(わたしの記憶はそんなもんです)
 カウンティングってあった気がするので多分ポーカーですね。
 同じ歴史物で言えば『光圀伝』も読み応えあったなあ。とかなんとか。amazon開いてあらすじ読んで気になった方はどうぞどうぞ!

・雪には雪のなりたい白さがある / 瀬那和章
 様々な公園を舞台にした短編集。四話の『雪には雪のなりたい白さがある』と五話の『あの日みた大空を忘れない』だけが繋がってます。そのお話がとても良かったかな。
 この作者、恋愛モノを永遠に書いていただきたい。ちゅ、ちゅき……(滲み出るオタク感
 出会いは『好きと嫌いのあいだにシャンプーを置く』ですね。当時のわたし、MW(メディアワークス)系の作品(で尚且つ短編連作集で恋愛モノ)を書きたかったのでこの作品を読んだ瞬間に「わたしが書きたかったのはこれだ……!!」って唸って頷きその後五体投地したのを覚えてます。嘘です。
 恋愛モノなら『フルーツパーラにはない果物』がオススメ。同じ会社に勤める同期四人の恋愛話。誰かしらは刺さるでしょう。
 お仕事モノなら『神さまは五線譜の隙間に』を推します。比喩表現が多彩で読んでて面白かった記憶がありますね。
 人情モノなら『父親を名乗るおっさん2人と私が暮らした3ヶ月について』です。
 激推し恋愛モノがもう一作ありまして……。

今日も君は、約束の旅に出る / 瀬那和章
 
ちょっぴりSF(ここでのSFは「少し不思議な」です。)がっつり恋愛。わたしは本当に大好き。構成に胸が締め付けられるのでそういう雰囲気の作品がお好きな方は是非ご購入を!

 ……実はこの記事、面白かった小説並べていくだけのはずだったのに1人の作家につきエグい量(でもないんですけどね)紹介してるから結果として爆発しそうな量になりそう。わたしの中の規定量を大幅に超えますね。脳内で「このくらいにしよ~」って思ったことが膨れ上がっちゃうタイプ。わたし可愛いですねっ///
 でもって記憶に残っている面白い小説があと一作しかないのでわたし秘蔵の『読書感想』という名前で保存してあるテキストを引っ張り出して眺めてきました。タイトル通り読み終わったら感想を付けていただけのデータなんですけど、数年前から活用しなくなりました。笑
 また付けてみようかなあ。(きっと付けない)

・プシュケの涙 / 柴村仁

「こうして言葉にしてみると……すごく陳腐だ。おかしいよね。笑っていいよ」
「笑わないよ。笑っていいことじゃないだろう」

『プシュケの涙』のとある場面より

 熱く語りたい。本当に読んでほしい。そこまで長い物語じゃないのに得られる感情の強さが半端じゃない。物語的には前半部と後半部に別れているのだけど、その時系列(構成)も素晴らしい。
 わたしは電撃文庫(orメディアワークス)版の表紙がとても好きでした。一度でいいのでamazonで検索して眺めてほしい。そして読み終わった後でもう一度眺めてほしい。全米が泣いちゃいます。
 プシュケの涙自体はこれ一冊で完結しているのですが、続編も存在しています。え~……ここからの流れ、分かりますか?笑
 買いましょう(脅迫
 『プシュケの涙』→『ハイドラの告白』→『セイジャの式日』→『ノクチルカ笑う』 
 プシュケの涙とノクチルカ笑う以外が絶版です。なんてこったい。
 読んできた小説の中でセイジャの式日の最後の二行が世界で一番好きなんですよね(一息で早口で顔を真っ赤にしながら
 終わり方が綺麗な作品というのは紛れもなく名作なので、お時間のある方は買って読んでみてください。なんなら中古本を探して続編も読んでくださいね……!

 次に紹介する三秋縋さんは洋書っぽさが溢れるので洋楽がいいんですけどそんな引き出しはわたしの中には存在していないので……ELLEGARDENかなって思ったんですけどよく考えれば英詩なんか分からないからなあ……。
 三秋さんとヨルシカさんは対談してたし。なーんて思ったので。わたしの好きな曲をぶち込みます。

君の話 / 三秋縋
 ネット(いわゆる2ちゃんねる)時代は『げんふうけい』という名前で活動されていた方。その当時から知っていて当然っちゃあ当然デビュー作『スターティング・オーヴァー』から読んでます。
 作家さんにはそれぞれ作風があると思うんですけど、三秋縋さんはハッピーエンドではない物語を書かれる作家さん。読者視点で眺めていると確実にバッドエンドですけど、登場人物からすればハッピーエンドなんですよね。
 これぞメリーバッドエンド。って思ってメリーバッドエンドをググったら『受け手の解釈で結末が変化する』みたいなことらしいです。まあ合ってるのかな? ビターエンドとかの方がそれっぽいでしょうか?
 とにかく、大切なモノを手に入れるには何かを失う必要があるらしい。でも何かを失っても大切なモノは手に入らないんですよね(哲学
 幸せとは一体……。幸せの定義を教えてくれ(定期
 閑話休題。
 君の話のあらすじ。

二十歳の夏、僕は一度も出会ったことのない女の子と再会した。架空の青春時代、架空の夏、架空の幼馴染。夏凪灯花は記憶改変技術によって僕の脳に植えつけられた“義憶”の中だけの存在であり、実在しない人物のはずだった。「君は、色んなことを忘れてるんだよ」と彼女は寂しげに笑う。「でもね、それは多分、忘れる必要があったからなの」これは恋の話だ。その恋は、出会う前から続いていて、始まる前に終わっていた。

~君の話のあらすじ~

 わたしがなんやかんや言うより読んでもらった方が早いんですよね。
 なんというかかんというか……人生が恵まれていて潤っていて幸せハッピハッピウェイウェイみたいな方には面白くない、というか刺さらないかもしれない。わたしには刺さりましたよもう本当に当然の如くね(早口
 拝読して三秋縋さんの集大成だと思ったので『君の話』を推しますが、『三日間の幸福』『恋する寄生虫』も好きですよ。
 『三日間の幸福』で印象に残ったモノローグを。

「(中略)世の中の大抵のものは、『今後も生き続ける人』向きに作られているんだよ。当然といえば、当然だが。これから死ぬ人のためには作られていない。」

『三日間の幸福』のモノローグ

 これから載せる曲は阿部真央さんの『15の言葉』ですが、この曲は『半分の月がのぼる空』の実写映画化の時の主題歌です。正直この曲はすべての恋愛モノに合うんですよね。どこに載せるかを迷っていたんですが、まあここかなと。
 何者でもない人間が人を好きになったらこんな唄を歌うんじゃないかとアジカンの『転がる岩、君に朝が降る』をチョイス。
 そして綾崎さんの小説を読んでいるとこの曲が頭の片隅で生まれては消えてゆく……そんなわけでJanneDaArcの『Love is Here』もチョイス。
 様々な音楽と相性の良い作家さんだと思ってます。

・命の後で咲いた花 / 綾崎隼
 これはもうわたしの癖といっても過言ではないのですが、前半と後半で表情を変える物語が好みなんですよね。この作品はいわゆる恋愛ミステリー作品なのですが、わたしは叙述トリックに普通に騙されるタイプの読者なのです。綾崎さんの作品には大体引っかかってまして、読み進める内に声にならない悲鳴と擬音を心の中であげてます。うぐぐぐ……くるちい……。
 前半部は榛名なずな視点。彼女が大学の同級生である羽宮透弥に恋をするお話。そして後半部は榛名が恋をした羽宮透弥視点のお話になります。
 この物語、読み返す度に涙が出てしまう。ハードカバーで泣き文庫版で泣き文庫電子版で泣き……。再読する度に心の琴線に触れてくる。
 連綿と繋がっていくものを信じている方や美しい物語に浸りたい方は是非購入してみてください。
 MW文庫から発売されている花鳥風月シリーズもオススメですよ。『蒼空時雨』『吐息雪色』、それに『旋律月下』等がわたしの好みだったりします。花鳥風月シリーズが気に入った方は『ノーブルチルドレン』シリーズもオススメしておきますね。
 一般文芸(と言えばいいのかいつも迷うのだけれど)から発売されているものでは『ぼくらに嘘がひとつだけ』『死にたがりの君に贈る物語』『君を描けば嘘になる』が好きです。特に『君を描けば嘘になる』の最後の章タイトル『ある恋のない愛の話』が最高なんですよね。章タイトルが素敵すぎると胸がときめいてしまう。好きです。
 好きしか言っていないのですが、わたしはこの世界に生み出された物語を大方愛しているので許してください。
 最新作は『この銀盤を君と跳ぶ』となっております。どの作品から目を通してもきっと楽しめるはず。ぜひぜひご購入を!

・どうかこの声が、あなたに届きますように / 浅葉なつ
 初めて浅葉なつさんの物語に触れたのはデビュー作『空をサカナが泳ぐ頃』でした。相も変わらず……いいえ、これはもはや愛も変わらず、MW文庫から発売される書籍を片っ端から買っていたときでした。(たった今、即席で考えた「相も変わらず」のダブルミーニングを眺めてわたしは天才だと悦に浸っています)
 デビュー作とその次作『山が私を呼んでいる!』を拝読し、人間が書けている作家さんだなあと思ったのを覚えています。
 その後数年経過し……と思ってましたが時間の流れに不安を感じて調べてみたところ、十年弱経ってから今回紹介する作品『どうかこの声が、あなたに届きますように』を読んでました。
 大人になってからの時間の流れって早すぎますね。すぐに灰になりそう。
 もののあわれ。はなはさくら。はるはあけぼの。いとおかし……。ちゃんと分からないけどやっぱり好きですよ。
 冗長すぎるのが悪い癖ですね。駄文も極まってきたところ。
 さてさて本題。
 心の再生物語。みたいな話が好みの方は好きなんじゃないかなあと。心の奥の柔らかい場所に触れてくる物語です。わたしはこのお話の構成も好みでした。様々な人たちが一人の言葉に心を動かされ、その一人のためにみんなが動いていく……。
 改めて素敵なお話だったなあと。とにかくそんな話が好きな人は買ってみてください~。

・小説の神様 / 相沢沙呼
 主語が大きいにも程があるけれど……全ての創作物は、祈りや願い。苦しみや怒り。様々な感情が具象化したものだと思っています。(※あくまでわたしがそう思っているだけ)
 この作品は相沢沙呼さんという一人の小説家の願いだなあと。その物事を好きだからこそ苦しい。愛しているからこそ辛い。
 涙を流し、血を撒き散らし、それでもその願いを絶やさない。

 きっと自分の中のどこかに届く小説だから、少なくとも表現者ならば一度読むべきです。(これも主語が大きすぎるかな。笑)
 上手く紹介できないけれど、ぜひぜひ読んでください。


・比翼のバルカローレ 蓮見律子の推理交響楽 / 杉井光
 この作品についてちょろっと説明しようとしたんですけどその前に。
 硬派というか堅めのが読みたい方は『すべての愛がゆるされる島』を読んでいただければ。何を言ってもネタバレになりそうで怖いんですが……「“愛”の存在証明の話」です。
 読んでる途中に頭ん中で「……?……!?!?」ってなります。
 さてさてそれではこの作品について。
 わたしの中で杉井光さんと言えば割とライトノベル物なのかなあといった印象。『さよならピアノソナタ』『楽聖少女』、現行のシリーズで言えば『楽園ノイズ』ですよね。すべて音楽モノですがこの作品もそうです。
 音楽+ミステリー。
 中盤までだらっとした雰囲気で書かれているんですけど、そこから表情をを変える作品……とまあわたしの好きな系統の話です。笑
 本当に音楽モノで書かせたら最強(※語彙力)だと思っています。
 エモい話、上手いよなあ……。


・半分の月がのぼる空 / 橋本紡
 唯一ライトノベルからの選出。
 わたしと言えばこの作家のこの作品。「出会わなければ道を外してなかった……」とわたしの心の中のリトルにゃんが言ってました。これは本当。
 この作品について何を綴ればいいのでしょうか。10秒間程自問自答しましたが、好きに理由はないはず。そう。この物語に何を足しても何を引いても駄目なんですよね。(カッケエナワタシ)
 透明感のある水のような、それでいて精緻な文章がとてもとても好きです。わたしはこの人の文章になりたかったんですよ。よく見えないし分からないけど、存在していたらほっこりする。みたいな。
 一年に一回、ちゃんと読み返している作品なのですが、やっぱり世界で一番素敵な物語だと思っています。ぜひ読んでいただけたらなって。
 現在では数少なくなってきているとは思いますが、ライトノベルに嫌悪感を持ってる人もいらっしゃると思います。そういう方は『流れ星が消えないうちに』『九つの、物語』を推しておきます。
 特に『流れ星が消えないうちに』『半分の月がのぼる空』はテーマが似通っているのでとても良きです。正直なところどの作品も素敵ですのでオススメしたいです。

雑記(読み飛ばし可)

書こうと思った理由

 そも、前回の記事を更新してから余裕で一年以上経っているのですが、ここは書きたいときに書くって決めていたので時間が経過したという事実はまあどうでもいいんです。けれどもその経過した時間の中で更にお身体が虚弱になってしまったのもあって、残しておかなきゃ何も繋げなくないか?だとか意味もないなあだとか。なんやかんや浮かんでしまったので書いておこうなんて思った次第です。
 普通の方は暗いと思うのだろうか。よく分からないですね笑
 それっぽい理由を並べてみたけれども……まあ普通に長文に慣れるためのものです。リハビリってか練習ですね。

宇宙の話

 近頃十三年間生息していた場所を消去して身軽になったんですが、面白い話を書ける場所が無くなってしまったのでここを使います。
 つい先日バレンタインだったのですが、その数週間前から高ぇチョコを自分用に買おうと思っていたんですよ。しかしその前から(この六~七年で最大級に)メンタル的に弱っていたので『いつも頑張っているから買ってもいいでしょ!』と『もうわたしは何も頑張っていないんだよね』と『頑張りたいと思っているわたし』がぶつかり合って対消滅してそこに広がったのは虚無だったんですよね。こういうところから宇宙って作られると思ったんですよ。
 広がり続ける承認欲求……暴れ回る寂しさ……。
 オチは無いのでこの話はこれで終わります。これは紛れもなく宇宙の話ですね!?

本の話2

 一般文芸っぽいモノだけを挙げてきたけれども、わたしは矢島さらさんのテイルズオブシリーズのノベライズで育ってきた人間です。エターニア、本当に好きでした。なんなら初めてやったオンラインゲームはテイルズオブエターニアオンラインです。月額1500円くらいだったのに一年くらいでサ終したのを覚えています。わたしは誰の需要もない戦士をやってました。
 今話題の「種自由」こと「ガンダムSEEDFREEDOM」の脚本家、後藤リウさんの小説も好きでした。種運命のノベライズ、本編の心理描写の補完がなされていたのでとても良かったのを覚えてます。もう17年前……!?
 ……ラノベで育ってきてもいます。野村美月さんの『文学少女』シリーズの琴吹ななせの話しなら小一時間いけます。細音啓さんの『黄昏色の詩使い』も好きでした。お爺ちゃんなのでもう一度橋本紡さんの『半分の月がのぼる空』について書き連ねたっていい……(割愛します。さすがに。笑
 さがら総さんの『変態王子と笑わない猫』も好きでした。
 締めはその物語の八巻の月子ちゃんのセリフより

「誰かを助けなくたって、人に価値はあるのです。花は花のままで、人は人のままで、それだけでいいのです」

『変態王子と笑わない猫 8』より

 わたしもかくありたいものです。なんてね。

 最近暇と言えば暇なので……皆さんの心に残っている小説(ラノベ?漫画?アニメ?)はなんでしょうか?
 ぜひコメントしていってください!

最後に(最高にどうでもいいこと)

 心が癒やされたくてお耳も癒やされたい。そんなとき、ありますよね?
 わたしにはあります。そんなときにはこの曲を!
 誰も新垣結衣には勝てません。何かが辛いとき、3回くらい聴きます。笑
 即効性の薬に近いかもしれない。

 原曲はこちら。

 今回はそんなところで。ではでは。

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