あとがき
「由希子」と「愛美」ふたつの物語りが最終話を迎えました。
みなさん、お気づきでしょうか。
この二人の物語りはふたつでひとつの物語りです。
そして、この二人は同じ物語りの中の人物です。
デスクが隣同士の先輩と後輩として、お互いの物語りに登場しています。
でも、あれ?と思ったかもいらっしゃるのでは。
そうなんです、二人は同じ物語りにいますが
それぞれの「現在(いま)」が違うんです。
由希子の話は36歳から始まっています。
一方、愛美は26歳の物語りを生きています。
由希子の物語りの中で登場する愛美は24歳。
由希子の「現在(いま)」は愛美にとって過去であり、
愛美の「現在(いま)」は由希子の未来です。
由希子がエピローグで語っている時、38歳になっています。
この最終話でついに愛美の「現在(いま)」の物語りと重なります。
はじめは対照的な二人だったと思います。
でも実はふたり共、同じ想いを持っています。
自分を大事にすることの難しさ。
人から愛され、自分もまた愛する難しさ。
それでも求めて止まないのは、「幸せ」。
「幸せ」、なんて人それぞれなのに、
「女性の幸せ」はなぜ他者から定義されるんだろう。
そしてなぜ、その偏見的な定義だときっとみんな頭ではわかっている筈なのに、こだわり、執着し、振り回されるんだろう。
「婚活」「独身」「アラサー/アラフォー」・・・
女性に関係するワードとして強い固定観念が溢れかえる世の中ですが、
そんな社会で自分がどうあるべきか悩み、闘っている由希子と愛美。
物語りを読んで頂く中で、人物の好き嫌いが出たかとは思いますが
私は、どちらの二人にも共感を感じる部分が必ずある、
そう思って書きました。
あえて別の物語りとして投稿することで、二人が比較対象となるようにしました。
どちらが自分のタイプに似ているか・・・きっと共感点を見つけながら読んで頂いたかと思います。表面上、二人の大きな違いが目立つエピソードから始まったこの物語は、話が進むにつれ、本質的なところは同じなんじゃないか、という共通点を登場人物との関係性と共に重ねていきました。
個人的に、愛美はきっと嫌われるんだろうな・・・と思いつつ、でも二人の話は最後まで構想が頭に出来上がっている中で書いていたので、どうか最後まで読んであげて欲しいなぁと思っていました。
愛美は誤解を受けやすい印象付けからの登場でしたが、本当は強気な中に純粋で可愛いらしい弱さを持つ女性として物語りを駆けてくれました。
そして、万人ウケするであろう由希子のどんでん返し。
どうみなさんの目に映ったでしょうか。彼女もまた弱く、それでも一生懸命強くなろうという姿が物語りを引っ張ってくれました。
どちら、といわれても二分することのできない存在、
由希子と愛美。
これを読んで彼女たちの物語りを読んでみようかな、と思って頂けたら凄くうれしいです。マガジン設定でまとめいますので、どうぞそちらからご覧になってください!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!!
次回からまた新しい物語りを始めます。
またお目にかかれれば幸いです。
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