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植物が、真の愛情を教える

実家に「チャラン」というセンリョウ科の観葉植物がある。
見ての通り、葉が枯れ果て、かなり落ちてしまった。

すべてが枯れる寸前だったのかも知れないが、水はけを考え、土を取り替え、根を整えて植え替え、写真向かって左側から元気な葉がまた再生してきたのだった。

原因はすぐに分かった。土を取り替えた際に感じた、異様なる湿っぽさ。そして、常に絶え間なく刺しこまれている、栄養剤(活力剤)。

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母だ…。

母は昔から悪い癖がある。投げやりにモノを与え、与えた分だけ、それに見合った成長(結果)を望む。良い結果が出ていなくても方針を変えず、対象が腐り果てるまで、永遠かつ投げやりに与えまくるのだ。

事情聴取をした。
 私:「毎日、水やってないか?」
 母:「はい、やってるよ」
 私:「どれくらいあげてるのさ?」
 母:「じょうろ一杯分」
 私:「受け皿に、水いっぱい溜まってるだろ」
 母:「捨てるの面倒くさい」
 私:「栄養剤、常に挿してんの?」
 母:「無くなったら、ちゃんと補充してるよ」

…、、、、、、

まあ…、植物を育てる方針ってのは、基本的形式はあっても、何かの見本通りには収まらないものだ。なぜなら、住環境(日当たり、湿度、温度)が各家庭によりバラバラだからだ。誰かの見本通りにやっても、育てることに成功しない事例はたくさんある。

だが、毎日水を大量に与え続けるということは、植物にとって、毎日が大雨洪水警報である。土の表面が乾いた時に、水を与えればいいのさ。

さらに、常に栄養剤を絶え間なく挿しているというのは、人間だって一日中、栄養ドリンクを摂取ばかりしていると、胸焼けを起こすのと同じで、植物も焼けてしまうのだ。

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これらを年老いた母に指摘した私。…、なんとも珍しく、それ以後、素直に聞き入れて、写真のようにチャランを復活させたのだった。

どうやら母も、とうとう気づいたらしい。

これだけの実量を与えたのだから、その分に見合った成長(結果)がやってくるものではない、ということを。

時に与えるタイミングというのは、規則正しく十分すぎる量を与え続けることよりも大切である、ということを。

真の愛情とは、相手が必要とする時に必要な分だけを与え、その見返りを求めず、時に相手を信じて見守るだけ、ということを。

…と、
愛情の本質を、私も母も、どこかで実感してはいるものの、また別の場面で、この本質から逸脱した行ないをしてしまうからね、多分…、いや絶対にする予定だ。

人間、生きている以上は常に未熟な部分があるから、本質がわかっていても、それが出来ないんだよなぁ…。

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