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生き合う、って、なんか前のめりでよくね?

彼のお葬式でいただいた、コーヒーを飲む。ラズベリークッキーを喰らう。いい朝だ。生と死が入り交じる、いい朝だ。わたしは日頃から死ぬだの生きるだの、うるさい。それこそ、小さい頃から、みんなが外を走り回っている頃からずっとこんな調子だ。みんなは晴れの日が好き。わたしは雨が降りそうな曇りの日が好き。それでもそれを正直に告げると、「ご家庭で何か問題がありましたか?」と言われる始末。母は特に、小学校の教師だった。なので、ことあるごとに教育について怒り心頭なわけだが、幼稚園時代のことについては殊更に怒っていたような気がする。Stray Catsを聞いている。曲名はもちろんRunaway Boysだ。

B'zの孤独のRunawayはここから来たのだなとよくわかる。ベンジーが憧れたものもよくわかる。ベンジーがグレッチを抱えてるスタイルはもろに彼らの影響だろう。ああ、それにしてもいい音楽だ。好きだ、こういう軽快で、そしてすこし我々を小馬鹿にしたような、明け透けな音楽がわたしは好きだ。単純にかっこいい。物事はこねくりまわすことも時として必要だが、シンプル・イズ・ベストであることも確かだ。さてさて、今日は心なしか音楽の話になっている。東京に帰ってきて、情報量の多さに「うっ」としつつも、それでも、ま、やはり自国は楽だなァと思うことも事実だ。音楽に話を戻すと、さくじつたまたま椎名林檎関連のニュースを目にした。このツイートだ。

いわゆる、ファン限定グッズが「ヘルプマークに酷似している」ということで叩かれ、それを謝ったまではいいが、椎名さん本人がやったことではなくレコード会社が勝手にやりました、ということになっており、その謝罪のしかたに怒っている人たちが一定数いるという話だった。ほう。そんなことになっているのか、日本よ。(他人事)俺は最近、というか昨今、やはり彼の影響もあり社会学に非常に興味があるのだがそういった見方ができないものかといつも画策してしまう。社会学はすごい。単に世の中を斜めに見るとか、そういったことでなく、物事の裏側を見てなにが起きているのかを瞬時にかぎとる力が必要とされる。いわゆる、眼力だ。その昔、彼は、「俺は世界を見るための、目になるだろう」と思ったそうだ。そして写真家になった。彼が亡くなる直前に、実は、トルコのナザール•ボンジュウというお守りを渡した。これは、中東やギリシャなどで大切にされているお守りで、メデューサの「目」をモチーフにしている。中東などのイスラムの国では、女性は特に、ヒジャブを常に身に纏い、目の部分だけを出して歩くこととされている。そのためか、「邪視」という感覚が根付いており、「邪な視線を浴びることで呪いをうける」とされることが多い。そのため、メデューサの目をお守りとして身に付けることで、「邪視を送る相手が石になり、自らを守ってくれる」という文化が存在する。デザインや色合いが好きで、特に日本ではあまり見かけないのでわたしは見つけるとすぐに飛び付いてしまう。

結局彼は、名前が覚えられずずっと、「ボンまんじゅう、ボンまんじゅう」と言っていたのだが、それでもよく撫でたり胸に乗せたりして眠っていたそうだ。彼のご遺体に会ったあと、ご家族のご厚意でご自宅に伺う機会をいただいた。そのときに、彼の部屋のパソコンのそばに、ボンまんじゅうは置いてあった。わたしは彼を病から守って欲しかったのだが、都合のいい言い方をすれば、彼を苦しみや想像を絶する痛みから救ってくれたのかもしれない。それでもいま冷静になったから言えることだが、もっと生きたかったろうな、と、思うのも事実だ。今日は脱線するなァ、話を戻すと。(何回戻すねん)ヘルプマークについてだが、わたしは正直、シニカルで超絶に無責任な言い方をすると、日本人は全員と言っていいほどヘルプマーク必要なんだから別にいいじゃないかとも思う。というか、見ればわかるだろと思うのだが、何がそんなに問題なのだろうか。というよりも、芸術家的なものの見方をすれば、見事に世の中を引っ掻き回してるので正解だと思う。むしろもっとやってもいいくらいだ。というのはちょっと乱雑なので言い方を変えるが、人間というのはみんな、悲しい生き物である。怪我でなかったとしても、心の傷であったりだとか、ここでは言えないようなことであったりだとか、そういったものを本当にたくさんたくさん、抱えて生きている。だったら逆に、ヘルプマークをつけて、「助けて欲しい」とアピールして生きるのもひとつの手なんじゃないか、と思ったりもする。

何度も書くが、誰も、わたしのことを見て、1ヶ月以内に恋人を亡くし自らも末期がんで医者の告知通りいけば余命3ヶ月とは思わないだろう。ということはだ、他のひとだって同じだ。みんな、言わないだけできっと大変な思いをしている。それに気づけるかどうか、気づいてじゃあ、なにをして助け合う、もしくは、生き合っていくのかというところが本当のインテリジェンスというものなのだ。普通に書いてしまったが、わたしはこの、「生き合う」という造語が好きで、よく使う。わたしが創った言葉だ。お互いに、生きながら影響を与えていく、生き合う。感覚が前のめりで非常に好きだ。平和に生きよう。平和にロックに、パンクスで生きようぜ、諸君。ホラ見ろよ、北朝鮮が今日もミサイルを飛ばしているぜ。今日も、平和な1日が始まるんだぜ。そんなくらいで、いいんじゃねぇだろうか。

🩸ANATOMY GIRLS🩸
By MINAMI Stevens Photography


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