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花束みたいな恋をしたを観た感想

去年話題になった「花束みたいな恋をした」を観ました。「感動」「エモい」「号泣」「共感」といったレビューが並んでいましたが、私はまったく泣けませんでした。どこに泣く要素があったのかさっぱりわかりませんでした。よくある大学生の恋愛って感じです。

以下ネタバレを含みます↓↓

終電を逃した男女の大学生。同じく終電を逃したOLとサラリーマン4人でカフェに行き、そこでお互いのサブカルレベルに共感し、交際をはじめるようになります。同じ音楽、同じ映画、同じ小説が好きな二人。付き合った当初は麦の家にいて、どこにも出かけずに狂ったようにセックスをしています。まるで盛ったサルです。

そんなんだからか(?)2人とも大学4年の就活に失敗して、フリーターとしてゆるーく働きながら同棲生活をはじめます。ところが金銭面で陰りが見え始めます。お互いの親からの偵察と、麦の父親からの仕送りストップもあり、お互い就活を決意。絹(有村架純)が簿記の資格を取り、先にクリニックの受付に就職します。一方で麦(菅田将暉)は就活で大苦戦し、やっとの思いで激務の営業マンになります。

麦は絹とずっと一緒に過ごすために仕事を頑張りますが、絹は真逆でのんびり働き、帰宅してからはゲーム三昧。麦は帰宅してからも仕事、休みの日も仕事。就職をしてから二人のすれ違いが激しくなります。絹は趣味の時間を麦と楽しめないことにイライラし始めます。

そして絹は突然「好きな事を仕事にしたい」と言い出してクリニックの受付からイベント会社へ転職します。イベント会社の社長の加持(オダギリジョー)に憧れのような恋心?を持つも、相手にされません。生活スタイルの違いや、レスでお互いの恋愛感情がさめてしまい、最終的に二人は別れます。別れた後もしばらく同棲していますが、惰性でなんとなく楽しいっといった感じ。

唯一面白かったところは、京王線が沢山でてくるところです。私は以前京王線の府中に住んでいたので、知っている駅名が沢山出てきてうれしかったです。とくによかったシーンは、麦が昼からくりばやしの餃子食べてビールを飲んでいたシーンです。昔府中に住んでいたので懐かしくなりました。くりばやしの餃子は、私が今まで食べた餃子のなかで一番美味しいです。ナンバーワン餃子です。府中にお立ち寄りの際は買ってみてください。オリジナルがおススメです\(^o^)/

明大前で終電を逃したり、仲良しだったころの麦と絹か多摩川沿いの河川敷を歩いたり、同棲場所が多摩川が見えるマンションだったり、飛田給というマイナー駅が出てきたり、京王線のための映画なんじゃないかというほど京王線まみれの映画でした。

この映画がなぜ話題になったのか分かりませんが、「この映画を見るとカップルが別れる」というジンクスがあるようで、それには納得しました。麦と絹のようなサブカル好きで「自分たちは特別」と思っているようなカップルには現実を突きつける映画かと思います。

大学生の麦と絹の「自分だけがセンスが特別」「自分はみんなとは違うんだ」という自意識が気持ち悪いな~と終始感じました。アイデンティティがぐらぐらの大学生が陥りやすい病だと思いますが、社会人になってもそれを引きずっているとなかなかうまくいかないよね~とアラサー目線で感じました。

自分自身、就活を通過してきて感じたことは、大学生のころから長く付き合ってめでたく結婚に至るカップルも一定数いますが、社会人になったとたんに別れるパターンが圧倒的に多いです。配属で地方になって遠距離になったり、就職先でいい出会いがあってしまったり...パターンはいろいろですね。

この映画のなかで2回、麦は絹にプロポーズします。就職後のすれ違いのときと終盤の別れ話が進んだときです。「じゃあ結婚しよう」っていうセリフなので女の子からしたら萎えるんですよね。「じゃあ」ってなんだよ、って。お互い最初は好きだったかもしれないけど、長すぎる春はよくない。お互いに飽き始めてしまいます。男のほうもいいタイミングで区切りをつけて、しっかり準備をして、プロポーズしてくれないと女側の立場だとなんだかがっかりしてしまいますよね。

絹も絹で問題ありで、コリドー街にいったり、イベント会社の社長に言い寄ったり(?)ふらふらしているので、結局この二人は結婚しなくてよかったのではと思います。


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