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映画『オッペンハイマー』を観て。
昨日映画『オッペンハイマー』をやっと観てきた。
ここで言葉にしてしまうのも憚られるくらいだが思ったことを書こうと思う。
だいぶ長くなります。
オッペンハイマーは恐ろしい原爆を作った人だけど、この映画を観る限りは彼は戦争を止めるために作った。でもそれが大量虐殺を生み、戦争は無くならないと思い知る。
残念ながら歴史は繰り返される。
そして私は今の日本はどんどんん戦争が起こる方向へと向かっていると思う。
この映画は日本人なら観るべきだと思った。
全く他人事ではないし、自分たちがとんでもないことに加担してしまっている可能性があるということ。
知らず知らずのうちに恐ろしいことが決定され、自分の命や大切な人の命が一瞬で消えてしまうことだって起きてしまうということ。
最近よく考えるのだが人生って何なんだろう。幸せって何なんだろうと思う。
自分の名誉のため、名声のため、欲のため、そんなことばかり考えて生きていたら、人生において一番大切なことを見失うと思う。
この映画にも登場するアインシュタインが残した有名な名言に「価値とは自分自身から解放されること」と言っているけど、本当にそうだと思う。
米国はこの原爆実験のために20億円を投じた。
それと直接関係はないかもしれないが、日本の外貨準備高が180兆円だそうで、そしてなんとそのほとんどがアメリカ国債だと言う。つまり、日本はアメリカにとんでもない額のお金を貸していることになる。
アメリカに原爆を落とされた日本がアメリカの植民地と化している。
観ていて物凄く憤りを感じた。それはオッペンハイマーやアメリカに腹が立つのではなく、日本にだ。
この映画を観ている時に、それも映画のヤマと言える部分が終わった少し後に、隣から寝息が聞こえてきた。
え…よくこのシーンを観た後で寝られるなと疑問が湧くと共に、悲しくなった。
そして映画が終わった後、目の前にカップルがいた。デートで映画鑑賞しに来たんだろう。
この映画を観た後でもキャピキャピと楽し気だったが、それどころではなかった私はその感情は分からないなと思った。
今までもノーラン映画を観てきたが、久々にノーラン的精神世界を観た気がする。
ノーラン作品は『メメント』が好きだったが、その精神世界が戻ってきた気がしたし、プラス今までのものと新たなギミックが多用されていて、映像的にもとても魅力的だった。
ノーラン映画は没入型作品だと思っていて必ずIMAXで観るのだが、本作こそIMAXの大画面で、そして良質な音響で観ると、迫力が物凄い。
今年は全然映画を観れて無くて、『哀れなるものたち』を観て、これまた映画史に残る野心的な作品で大好きにだったが、本作も物凄い映画だった。
是非この映画を娯楽としてだけでなく観て欲しいし、色んなことを感じることが出来れば、もしかしたら少し何かが変わるかもしれない。
とんでもなく無力な自分たちだけど、そんな自分たちが日々の生活を見直すことで何かが大きく変わるかもしれない。
映画が芸術が、世界を平和に出来ればいいのに。そんな希望は抱いてないけど、捨ててもいない。
長くなりました。もしもここまで読んでくれてたらありがとう。
生きるって難しいですね。頑張りましょう。
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